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冥利に尽きる

2019-08-29 | ◆日記・エッセイ・コラム

とあるCAFEの話。(当店ではない)

この春に老夫婦が来店された、旦那はイタリア人、奥様は日本人、ともに80歳は超えているであろう。

2人にとって、これが最後の日本への旅、つまり奥様にとっては故郷である日本の見納めである。

思えばとても切ない話である。

彼等にとって大切なニ度とない日本滞在の、その街での数日をこの店に毎日毎日来店されたことは、店主にとっても無上の喜びである。

それは金儲けではない、喜びである。

旦那さん(イタリア人)は奥様がコーヒーを飲まない分、ダブルで2杯も飲んでいかれた。多分彼の気持ちの表わし方であろう。

最初に来店された時は、「あちこち回って。やっと美味しいエスプレッソに出会えた」と言われたことも喜びである。

商売をしている限り、日銭を紡いで我々は生きている、その日々にこんな小さな幸せがあるから頑張れるのかもしれない。

全国各地のエスプレッソ・ レバーマシンを設置されている各店舗さんには、これとよく似た話が一杯ある。

本物の店には、判ってる人が来るけれど、毎日毎日、そんな客だけでもないのも事実。

折れそうな日々の気持ちをどう紡いでいくのか?

自営業とは、フリーターと同じ境遇であり、違いは少しだけ自信があるだけである。。それは多少なりともリスクを取って商売しているからであろう。

つまり、自分の脚で立っているということであります。

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気持ちを明日に紡いでゆく原動力、時に惰性・・・・・

否、惰性が半分以上の時もあるかもしれません。生きてる限り色々な出来事があり、店舗を運営してる限りやはり日々の出来事の対応に追われ続ける。

それでも、やはり店に立つ事は、何か少し楽しいことがあるからだろう。

 

伊勢正三は歌っていた。

「夜空の星が美しいのは、ほんのちょっぴり光っているから」

 

冥利を意識せず、気がつけば冥利に預っている。

見えない糸を手繰り寄せるように、海外在住の人と、日本国内の店舗が結ばれるのは多くはインターネットに拠ることは当然ですが

その店に日本の滞在中に毎日来店されるのは「ご縁」である。

 

私もイタリアなら、その都市で、そこしか行かない店はある。

当り前ですが、チェーン店ではないということだ。

人が生活し、つまり、生きてるということは、「おはよう」といい、一言二言交わしコーヒーを飲むことから始まるのが日常と思う人と、コンビニで黙って買い物をしスマホ見ながら不味いコーヒーを車で飲む人の日常は違う筈である。

美味しさとは何かも違うといふことである。

美味しさの基準は、つまり自分自身だからである。

 

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「与えること」は「与えられる」ことかもしれません。

これは金銭の問題以外のモノです。カタチがない。

 

多忙過ぎる店では難しいことです。店主にとっては多忙過ぎるほうが嬉しい。

 

人生と同じく日々選択の連続で、何か訳も判らず歩みながら他人様とは違った人生をそれぞれ進んでいます。

 

 

 

 

 


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