ひろポンの“わたしにも作れますぅ” 

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大塚康生16歳の車の画帖―終戦直後の日本の路上にて

2018-07-21 | Illustration


最近手に入れたクルマ関係の本をご紹介。

日本のアニメーション創世記から活躍し、ルパン三世や未来少年コナンはじめ数々の作品を手がけてきた大塚 康生氏が少年時代を過ごした山口の街中でスケッチした、進駐軍のトラックやジープなどの作品集『大塚康生16歳の車の画帖―終戦直後の日本の路上にて』

先日の航空祭の記事でコメントしてくださった、ブックマークでリンクしているPAPAYOYOさんに紹介していただいた本です。
これは現在『ジープが町にやってきた―終戦時14歳の画帖から』というタイトルで改題、改訂された文庫本が発売されています。
オリジナルは1987年に発売されすでに絶版になっていて入手は困難と思いましたが、とあるネットショップで幸運にもビックリ価格で売ってるのを発見して購入しました。



大戦が終わって進駐軍が日本各地にやってきた昭和20年。これまで日本人が見たこともない自動車の大軍が、中国地方の小さな街にもどっと押し寄せ、大塚少年は毎日片っ端からスケッチをして描き続けました。

あまりに細部まで正確に描写したため、怪しまれて進駐軍にスケッチブックを没収されたことも。
鉛筆でスケッチしたあとで万年筆で作画し、薄めたインクや色鉛筆で仕上げていますが、今更ながらに14歳〜16歳の大塚氏の画力の凄さに圧倒されます。










写真を撮ってそれを見て描いているわけではなく、土埃舞う山口市内のあちこちに止まっている軍用車両をひたすらスケッチし、帰宅後に1点1点記憶を呼び起こしながら描いていたのを想像すると、この観察力、記憶力、表現力の素晴らしさに感動します。

文庫本も先日見ましたが、やはりオリジナルは20cm×21cmの大きさなので全然違います。
もし見つけられたら是非おすすめです!

大塚氏に関する書籍はいろいろ発売されていますが、この本はその中でも天才のルーツの一コマを知ることが出来るかなり貴重な一冊です。