ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』
これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

映画「あなたを抱きしめる日まで」

2015年01月16日 | 映画•映像

この映画は事実に基づく映画化であって、一言で言えば、無理やりわが子を養子に出させられた母親の苦悩と、その奮闘記である。
事実は小説よりも奇なり、探し出す過程はたんたんとして意外続きな展開なのだ。そしてこの作品が、ありきたりの作品ではないことがわかる珠玉の言葉が随所に出てくる。

(実際の本人。未今だに息子の墓に見舞いに行っている)
事実にもとづいたこの映画を修道院による私生児母子の四年間監禁、高額な金額での幼児売買などという告発レポートにしてはならないと思う。見ようによってはそうだが、真のテーマは母の愛である。そして弄ばれたに見える母子の再会が、実は人間の心の光も闇も見事に描ききっているところが凄い!

私の心に残ったのは、修道院のシスターたちには二種類の人がいたことだ。一つは愛を持って接したシスター。もう一つは罪を犯した女性を裁き、罪を犯さなかった自分を義としているシスターと。映画のラストシーン近くでは、主人公の女性が再会を妨害したシスターに「私はあなたを許します。許しには大きな苦しみが伴うのよ。私は人を憎みたくない。」と言う言葉が胸を打つ。確かに憎しみは、抱くその人自身をスポイルさせるものだ。

確かに、人を憎んで人生を失うよりも、痛み苦しみがありながらも、許してともに生きる」という下りがすばらしい。 ケパ


コメント
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