Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

十年を区切りに

2012年03月22日 | Class
いろいろ事情あって、来年度から写真学校の講師を辞めることになった。
わたしのような受賞歴も肩書きもないフリーカメラマンを、よく10年近くも使っていただけたものだと、いまはこの学校に感謝の気持ちしかない。
この先、生徒たちと難波をぶらぶらしたり、靭公園で撮影会をしたり、六甲山へ行くことはもうないのかと思うと少しさみしい気がする。

ふりかえれば授業の内外で、生徒たちが一生懸命に写真を撮る姿を見るのはたのしかった。
いつもそこには若き日の自分を見るような気がして、彼女彼らを見ることで常に自分の足もとを見なおすきっかけになったし、「コイツらには負けられない」という励みにもなった。
よく”先生は生徒から学ぶ”などというが、まさにわたしはそうだったと思う。
彼女彼らの反応を見ながら授業内容を毎年練りなおしては更新していく。週にたった2時間の授業なのに、いつもその何倍もの時間を費やして準備していた。
おかげで写真の技術的なことは自分のなかでよく整理され、どんな素人さんに聞かれてもそれなりに説明できるようにはなった。

少しは役立つ授業ができたかなと思う一方で、写真の撮り方なんて長くやってれば自然と身に付くものだ。そんなことよりもなにをどう表現するか、ということがもっと大切なことで、その部分に対してはわたしの授業はほとんど役には立たなかった。そう考えるとこの10年ほどの仕事はなんだったのかという気もする。
つくづく写真を教えることは難しいと思う。
まあ、この学校を卒業した人間がカメラマンとして細々と仕事をしながら、写真制作をつづける姿を見せることができたのをよしとしよう。

わたしの関わった生徒たちがつぎの10年でどれだけビッグになるか、その姿を見るのがいまからたのしみである。
同時にわたしもビッグになって、「あのマツノ先生に教えてもらったんです」と彼女彼らをしていわしめたい。

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