3月にニコンF4を買ったというのに、またヤフオクでカメラを買ってしまった。ああ、わたしは病気だ。
そのカメラというはニコンF5。(「エフご」と読みましょう)
もちろんデジカメではなく、フィルムを入れて写すカメラである。
バッテリーグリップが取り外せないので、とても大柄で重い。ボディだけで1400グラムもある!(電池を含む)
いまさら使用感でもないけど、驚くほどオートフォーカスが速く、狙った場所に瞬時に合う。
F4はコントラストの低い場所で迷うこともあったが、このカメラはもう迷わない。最速最強だ。
以前使っていたF100はもちろん、F6よりも速いかもしれない。
F4時代、マニュアルで合わせていたカメラマンも、F5からはみんなオートフォーカスを使うようになったのではなかろうか。
カメラのデザインはもちろん、イタリアの工業デザイナー・ジウジアーロであるが、このデザインはその後のニコンの一眼レフ機の原型になっている。
ニコン初のデジカメD1もこのカメラにそっくりだし、バッテリーグリップの部分をなくしたら「F5ジュニア」ことF100になる。
つまり、こいつはニコンのメートル原器のような存在なのだ。
シャッター音のやわらかいF4にくらべると、F5のそれはずいぶん金属的な硬い音がする。けっこう派手な音だ。
大昔に使っていたコンタックスSTとちょっと似た響きがあるな。
この音を聞きながら撮っているうちに、だんだんと戦闘的なモードになってきて、この音を聞きたいがためにシャッターを切る、という本末転倒の事態になってしまった。
報道カメラマンってこんな感じなんだろうか。(いや、そんなわけないか)
デジカメとちがって、フィルムカメラは使用頻度がわかりにくいが、グリップの親指の当たる部分を見れば、どのくらい使い込んだボディなのか、だいたい判断できる。
プロが使うとこのラバーが擦り減ってツルツルになっているか、端から剥がれていることが多い。また手のひらの汗がしみ込んで、白っぽくなってたりもする。
今回、手に入れたF5の外観は大きなキズもなく、とくにグリップ部がほとんどきれいなままである。
プロ機にあこがれて買ったものの、あまりの重さに使用頻度が少なくなったという素人さんが使っていたって感じか。
とにかく、コイツはちょっとやそっとじゃ壊れない装甲車のようなカメラで、「頑丈」「堅牢」「強靭」なんていうことばがよく似合うカメラなのである。
35ミリフィルムで撮るために、ここまで完全無欠なカメラはないだろう。
ニコンF5:主な仕様