きょうは朝から暗室。
午前中、ニコンF5で撮ったフィルムのベタ焼きをつくる。良さげなカットに印をつけて、午後からプルーフプリント。
最近はプルーフでも11×14インチのRC紙で焼く。どうせ本焼きで11×14インチのバライタ紙で焼くのなら、同じ大きさの方がいい。
オリエンタルのペーパーはどちらも感度がほぼ同じなので、RC紙で焼き方を追い込んでおくと、本焼きはすぐできるのだ。
この間、ステートメントやらコメントをまとめてるおかげで、自分の撮りたいイメージがはっきりしてきた。
撮影していても「よし、これは撮れたぞ」という手応えみたいなものがあるので、ベタ焼きから選ぶときも迷うことが少ない。
上の2枚は先週撮ったものだが、すごくシャープな感じで撮れていると思う。
この場合のシャープ感とは、レンズの解像力のことではない。画面全体に漂う撮影者の視線の緊張感のようなものだ。
動いているボートを撮ったカットはもちろん、水たまりのカットにも一瞬のシャッターチャンスを感じさせるものがある。
ウェブ上ではわかりにくいかもしれないけど、11×14インチのプリントだと、それがトライXの粒子から伝わってくる。
この粒子感こそがデジタルでつくるモノクロプリントと決定的にちがう点だ。(デジタルでもノイズを入れれば同じ感じに加工できるけど、そこまで擬似フィルムみたいなことをするなら、逆にデジタルで撮る意味がわからない)
それから、今までライカでスナップしていたが、M型ライカのファインダーというのはわりとアバウトである。
ファインダー内にフレーム枠が浮かんでいるものの、じっさいに写る範囲はもう一回り広くて、思いもかけないものがフレームの中に写っていることがよくある。
一方、ニコンF5のファインダーは視野率100%で非常に見やすい。
見えている部分がきっちりと100%写るわけだから、ファインダーでしっかり構図を作っておけば、プリントのときにトリミングをする必要がない。
このファインダーのおかげで撮影時の緊張感を生んでいるのかもしれぬ。
きょう一日で8枚のプルーフプリントを得る。