Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

旅をとおして見えてくるもの

2012年07月10日 | Life
モンゴル旅行、五日目。

昨夜おそくまで星空をながめていたので、目が覚めたら7時20分であった。
外に出ると空は晴れわたっている。
食堂で朝食をたべながら、きょうの行動を考える。
せっかくハラホルンに来たのだから、モンゴル最古の寺として有名なエルデニ・ゾーを見にいこう。
あとは足の向くままに。

エルデニ・ゾーはいま泊まっているムンフスール・ゲストハウスのちょうど北に位置し、徒歩で15分ほどの距離である。
車の轍がつづく草原をゆっくりと歩いていると、チキチキというバッタの飛び跳ねる羽音と、風の音以外なにも聞こえない。
先週まで大阪で忙しく働いていたのがウソのようだ。
もうなにもかも放っぽりだしてここに住んでもいい、とバカげた妄想が頭をめぐる。



エルデニ・ゾーはきれいな寺だった。
堂内には何体もの仏像とマンダラ図が納められている。
どの仏像がお釈迦さまで、どれが観音菩薩なのか、わたしにはそのちがいがわからないが、みんな福々しい顔つきで、きれいな衣装をまとっている。
アジアのいくつかの国でわたしが見た仏像は、どれもみんな金ピカで極彩色なものが多い。
ネパールのある寺では電飾の施された仏像まであって、キラキラ光り輝いていたのにおどろいた。
それらとくらべると日本の仏像はじつに地味だと思う。顔つきもおだやかで、あまり福々しい顔のものはない気がする。

エルデニ・ゾーの東門を出て、亀石とオゴタイ・ハーン宮殿の跡地を見にいく。
そのあと北の方向へどんどん歩いていくと、遠方に大きなテントが見えた。歓声も聞こえる。
近づいていくと、なんとモンゴル相撲の試合がおこなわれていた。
きのうは競馬で、きょうは相撲が見られるぞ。ラッキー!
ところが係員のような人がやってきて、険しい表情でなにか言っている。
モンゴル語なのでよくわからないけど、どうもここには地元の人しか入れないようだ。
結局、写真を1枚も撮れずに追い出される。残念。



昼すぎにエルデニ・ゾーの西側にある食堂でおそい昼食をとる。
店の看板に4種類のたべものの写真があったので、そのうちの一つを指さし「これ、ください」と注文したら、ないと断られた。
どれがあるのか聞くと、店の人は厨房のなかを指さして「あれだけ」という。
あれというのは「ホーショール」という大きな餃子を揚げたものだ。さしずめモンゴルのファストフードのようなもの。
それを2個と「アイラグ」を1杯たのむ。
アイラグというのは馬の乳を発酵させた飲み物で、一応お酒だがアルコール度は低く、どちらかというとヨーグルト飲料という感じ。
なので、モンゴルでは子供から大人まで幅広く飲まれている健康飲料?である。
これがなかなか旨い。



ところで旅をする目的は人それぞれだが、わたしの場合、旅のいろいろな場面で自分がどう対応するのかを知るのがおもしろい。
はじめて訪れる土地で、ことばもよくわからない人たちと、どうコミュニケーションをとるのか、あるいはとれないのか。
思いどおりにいかないときに、つぎはどういう行動をとるのか。
いつも感じるのは、自分の力なんてたかが知れていて、まわりの人間に助けられて、ようやくなんとかなるということ。
だけど同時に、自分にできることもはっきりと見えてくるので、それが自信となってつぎの行動につながっていく。

それから旅をとおして「日本を知る」ということも大きい。
仏像一体、たべもの一食とっても日本とはまったくちがったものが見られるわけだし、そこから逆に日本の文化が見えてくる。
さらにその国、その土地の習慣や風俗というものがあって、それに直にふれるということが旅の醍醐味だと思う。
たとえばモンゴルのトイレ事情なんて、ガイドブックにはくわしく書いていないけど、遊牧民族はみんな外でするのがあたりまえ。
しかも動物の糞と同様、それは乾燥すると燃料になる。
日本ではありえないことだが、よく考えると非常にエコな生活だと思う。

そういう生活があることを知っていれば、日本での暮らしにもなにか役に立つかもしれないし、少なくとも水や電気をムダ使いすることはひかえようという気持ちになる。
まあ、そんなことは副次的なことだけど。
とにかく自分のことをよく知ろうと思ったら、ひとりで旅に出ることだ。

最新の画像もっと見る