Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

退化する視覚

2016年12月11日 | Life
日本画家のOさんから作品展「咲き誇れ」の案内が届いた。6人の作家とのグループ展だが、すでに会期ははじまっている。万難を排して、きょう観にいくことにした。
彼女は毎年2回のペースでコンスタントに作品展を開催している。この地道な創作態度にはいつも頭の下がる思いで、自分のきまぐれな作品制作を反省せざるを得ない。
今回は0号キャンバス3点と6号1点、8号2点の合計6点も出品している。

最近のモチーフでよく出てくる「舟」シリーズはわたしのお気に入りの作品だ。舟の上に森林や家などが乗っていて、月夜のなかをしずかにすすんでいく。Oさんの世界観がもっとも表れている作品のひとつだと思う。
そしてこの作品を読み解くヒントとなる作品がそのとなりにあった。山のふもとに大きな家が建っていて、そのまわりに星が降り注ぎ、ほの明るく輝いている。よく見ると広い庭には物干やベンチ・イスが置いてあり、エントツからは煙が出ている。この家でだれかが生活していることがわかる。
おそらくここは彼女の故郷で、心の原風景なのだと思う。そしてこの家と山の一部分を舟に乗せて旅をつづけているのが、先述の舟シリーズなのだと理解した。(誤解かもしれないけど)



Oさんの作品以外にペン画や刺繍、漆器、陶芸など日本画とちがう表現の作品が展示されていて、それぞれに見応えがありおもしろかった。
天上から垂れ下がった「ひらひら」という陶芸作品は、花びらのような小片が無数に細い針金でつながっている。けっこうな重さのはずだが、重量を感じさせないふしぎな作品だった。粘土を焼いているので素材と技法は「陶芸」だけど、これはもはや現代アートと呼ぶべき作品だ。その自由さが気に入った。



6人の作品に触発され、久しぶりに心斎橋〜難波でスナップを撮るも、ぜんぜんおもしろいものが見えてこない。仕事にかまけて作品づくりをサボっていたので、視覚が退化している。
何でもつづけなければモノにはならない。つづけることが才能なんですね。

最新の画像もっと見る