ゆんのひとり言

~お酒とお芝居と歌とスイーツをこよなく愛するゆんの日記~

「アドルフに告ぐ」(Studio Life)@銀河劇場

2007-12-29 12:31:07 | 観劇記&鑑賞記
今年の観劇締め括りの作品です。
劇場の名前が変わって初めて、かな?
違ったかな?

さてさて。
言うまでもなく、手塚治虫の有名な「アドルフに告ぐ」舞台化です。
今回は原作未読で行ってみました。
Wキャストをマチソワ連続で観劇
肩凝りました・・・
席が前過ぎて見上げる形なので、ソワレの後半は
目も疲れちゃって

いやー、さすがにストーリーが面白いので
飽きずに観られましたねぇ。
ただ、ストーリーをまとめるのに手一杯で、
登場人物の心情を追うところまではいってなかったかな、とも。
で、原作を読んでなかった分、あそこをカットした、とか
この人なんか違う、とかそういうのは無く、逆に楽しめたのですが、
ただ、冒頭の場面が何のことやら、って感じではありましたかね。

         

2人のアドルフを軸としたお話になっていて、
その2人がWキャストとなっておりました。
Ehre(エーレ)チームは、
ナチス高官にまで上り詰めるアドルフ・カウフマンを芳樹さん、
ユダヤ人のアドルフ・カミルを小野君。
Mut(ムート)チームは、
カウフマンを荒木君、カミルを松本君。
(名前出されても何のこっちゃ、という方、公式サイトへどうぞ(笑))

少年時代の芳樹カウフマンは、ちぃと無理があるっちゅーか・・・
小野カミルに守られる感じはしないというか・・・
実年齢が若い分、Mutチームの方が自然だったように思います。
ただ、SSになってからのカウフマンは、
芳樹さんの方が断然!風格がありましたね。
‘ユダヤ人ってそんなに悪い人?’としばらくは迷いがあった彼が、
途中から完全にナチス党員になるのですが、
芳樹さんは出てきた瞬間、‘あ、違う’と感じました。
姿勢という分かりやすいところでの違いはもちろん、
表情とかまとっている空気感も違ったように思います。

荒木君にはそこまでの迫力は感じられませんでしたねぇ。
やっぱり後半のカウフマンは冷酷非道になりきってくれないと、
最後が生きないですよね。
ヒットラーの死を知って、泣きながら狂ったように笑う姿も、
芳樹さんの方が真に迫ってて、グッときました。

                

対するカミルですが、松本君、成長したなあ~、
という印象が一番大きかったです。
技術的な面なのかなぁ?成長してからの力強さに、
戦時下に異国の地で逞しく生きていくカミルらしさを感じました。
ただ彼は、身長が惜しい!
もう10センチ大きければ・・・
エリザより小粒ってのがねぇ。
やっぱりビジュアルも大事ですよね
小野君は・・・とりあえず技術的なところを磨いて欲しいです、ハイ。

                    

その他のキャストで気になったのは、まず、石飛さんの本多大佐。
見事な軍人っぷりでした。
息子を手にかけなくてはいけない軍人の哀しみも感じられました。
多分、原作を読むと嫌いなキャラクターなんだと思いますけど。
その息子、仲原君もスッとした佇まいが良かったですね~。
父親に殺されることを覚悟して、目を閉じて正座している姿に
自分の信念に対する迷いの無さが出ていて、
手にかける父親も生きていたと思います。
心配なのは、あの広い劇場で床に正座している仲原君の姿が、
後方の席からもきちんと見えるのかな?ということ。
大丈夫かしら?

続いて気になったのはヒットラー役の甲斐さん。
いやー、見事でしょう、これは
神経質で猜疑心の塊になっている、狂気のヒットラーそのものでした。
時々セリフが聞き取り辛くなるのは惜しいのですけど、
でもそれも含めて狂ってるヒットラーっぽかったのではないでしょうか。

狂言回し役の峠草平役の曽世さんは、
思っていたほど狂言回しとしての出番は少ない印象でしたが、
ものすごく前向きな感じで、一服の清涼剤という感じでしたね。
特に瀕死の由季江をおんぶして、妊娠を喜ぶ場面は良かったですねぇ。
実感こもってる感じ?(笑)

                

他にも色々言いたい気がするのですが、
あまりに長いので止めておきます。
あ、最後に一つだけ。
ヒットラーの死を知って
カウフマンがショックを受ける場面で使われていた曲が、
舘様の「梯子の下の微笑」でラストに使われた曲だったんです。
個人的にイメージができちゃってる曲だったので、
ここで使うのかぁ~~~~
と、妙に気になってしまったのでした(笑)

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