元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ホワイト・バレンタイン」

2010-07-10 06:25:34 | 映画の感想(は行)
 99年韓国作品。私は2004年のアジアフォーカス福岡映画祭で観ている。「猟奇的な彼女」などでお馴染みのチョン・ジヒョンのデビュー作だ。監督は「リベラ・メ」のヤン・ユノ。

 ヒロインが中学生の頃に年齢を偽って文通していた相手が同じ町に引っ越して来てどうのこうのというラブコメ漫画みたいな話が延々と展開する。絵に描いたような“すれ違いネタ”を臆面もなく並べるあたりも気恥ずかしい。

 ただし、キャラクターの設定が上手くいっているせいで観ていて悪い気はしない。どの登場人物も浮いた感じがなく、しっかりと役柄を自分に引き寄せている。チョン・ジヒョンは撮影時に17歳だったというが、役の上では20歳の設定。大人っぽいノーブルな美貌はこの頃から際立っている。

 肌触りの良い映画だが、ラストが近づくにつれ説明不足のシークエンスが目立ち、ついには訳が分からないまま終わるのは残念。脚本の詰めが甘い。なお、ロケ地がどこなのかは不明だが、古都の雰囲気を持った町並みは魅力的である。ワンシーン・ワンカットを基調としたカメラワークも悪くない。
コメント
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