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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ザ・ワン」

2010-12-15 06:35:44 | 映画の感想(さ行)
 (原題:The One )2001年作品。異世界から来た、邪悪なもうひとりの自分と戦う男の死闘を描くSF仕立ての活劇編。監督は「ファイナル・デスティネーション」などのジェームズ・ウォン。

 ハリウッドはリー・リンチェイ(ジェット・リー)という素材を使いこなせないことを如実に示した一作。彼にはジャッキー・チェンが持つコメディ・センスや、チュウ・ユンファのような貫禄や存在感といった“単純なアメリカ人にも分かる魅力”に欠けている。もちろん、並外れた体術や憎めないルックスは我々を引きつけるのだが、それだけではハリウッドで主役を張れないのだ。

 この映画だって、やれパラレル・ワールドだ次元捜査官だといった設定はジャマでしかなく、フツーの刑事ものにしてフツーに大活躍させれば我々は満足出来るはずだが、アメリカ人から見れば“クンフーのうまい東洋の小僧(というトシでもないけど ^^;)”でしかない彼をそんなフツーの設定の映画で主演させてもペイしないという思惑が先行したのだろう。CGやSFXを満載にして“主役の存在感の無さをカバーする”といった方向性で行ったのも当然だ。

 残念ながら、彼がハリウッドで占めるポジションは「リーサル・ウェポン4」のような脇役しかないと思う。で、映画の内容だけど、凡庸そのもので特筆すべきものはない。デルロイ・リンドも出てくるが、やることがなくて手持ちぶさたの様子だ。
コメント
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