2003年のアメリカ映画「砂と霧の家」。
亡き父が残した海辺の一軒家に住んでいるキャシー(ジェニファー・コネリー)。夫に
去られた彼女は、仕事もなく1人ぼっちで失意の日々を送っていた。遠くに住んでい
る母にはそのことを言えず、「幸せに暮らしている」と電話で嘘をつく。そんな時、
行政の手違いにより、たった数万円の税金未払いから、家を差し押さえられてしまう。
新しく家主になったのは、政変でイランを追われ、アメリカに亡命してきたベラーニ
元大佐(ベン・キングズレー)の一家だった。新しい家で人生をやり直そうとするベラ
ーニだったが、キャシーは弁護士や親しい警官に相談して、家を取り戻そうとする。
税金未納により思い出のつまった家を差し押さえられ、住むところを失った女性と、
その家を購入し、妻子と共に人生をやりなおそうとするイラン人の元大佐。2人の対
立を描いている。キャシーは結婚生活が破綻し、夫は出ていってしまったが、そのこ
とを母や兄に言えないでいる。これがそもそもの間違いだったと思う。正直に話して
いれば、後に起きる不幸は避けられたはずだ。キャシーのところには何度も督促状が
来ていたのだが、彼女は郵便物をチェックしていなかった。そのズボラさや短気な性
格が原因で激しい争いになってしまったのだと思う。ベラーニ元大佐が「自業自得だ
」と言うシーンがあるが、キャシーはちょっと気の毒だが、間違ってはいない。
ベラーニの妻はまだアメリカでの生活に慣れておらず、いつも不安を抱えている。そ
こへキャシーが何度も「家を返して」と押しかけてくるものだから、妻の心はどんど
ん追い込まれていく。息子(高校生くらい)も父親とキャシーの対立に胸を痛め、どう
していいかわからない。ベラーニはイランでは大佐だったこともありプライドが高い
が、妻と息子は優しく善良な人たちだ。観ていてキャシーもかわいそうなところはあ
るのだが、ベラーニの妻子が気の毒でたまらなくなる。
ラストは悲劇である。誰も幸せにはならない。こんな展開になるとは、と、ちょっと
驚いた。家の取り合いをするキャシー役のジェニファー・コネリーとベラーニ役の
ベン・キングズレーの演技がとてもうまく、2人の家に固執する様子がよく伝わって
くる。あまり期待しないで観たのだが、意外におもしろかった。悲しい物語である。
亡き父が残した海辺の一軒家に住んでいるキャシー(ジェニファー・コネリー)。夫に
去られた彼女は、仕事もなく1人ぼっちで失意の日々を送っていた。遠くに住んでい
る母にはそのことを言えず、「幸せに暮らしている」と電話で嘘をつく。そんな時、
行政の手違いにより、たった数万円の税金未払いから、家を差し押さえられてしまう。
新しく家主になったのは、政変でイランを追われ、アメリカに亡命してきたベラーニ
元大佐(ベン・キングズレー)の一家だった。新しい家で人生をやり直そうとするベラ
ーニだったが、キャシーは弁護士や親しい警官に相談して、家を取り戻そうとする。
税金未納により思い出のつまった家を差し押さえられ、住むところを失った女性と、
その家を購入し、妻子と共に人生をやりなおそうとするイラン人の元大佐。2人の対
立を描いている。キャシーは結婚生活が破綻し、夫は出ていってしまったが、そのこ
とを母や兄に言えないでいる。これがそもそもの間違いだったと思う。正直に話して
いれば、後に起きる不幸は避けられたはずだ。キャシーのところには何度も督促状が
来ていたのだが、彼女は郵便物をチェックしていなかった。そのズボラさや短気な性
格が原因で激しい争いになってしまったのだと思う。ベラーニ元大佐が「自業自得だ
」と言うシーンがあるが、キャシーはちょっと気の毒だが、間違ってはいない。
ベラーニの妻はまだアメリカでの生活に慣れておらず、いつも不安を抱えている。そ
こへキャシーが何度も「家を返して」と押しかけてくるものだから、妻の心はどんど
ん追い込まれていく。息子(高校生くらい)も父親とキャシーの対立に胸を痛め、どう
していいかわからない。ベラーニはイランでは大佐だったこともありプライドが高い
が、妻と息子は優しく善良な人たちだ。観ていてキャシーもかわいそうなところはあ
るのだが、ベラーニの妻子が気の毒でたまらなくなる。
ラストは悲劇である。誰も幸せにはならない。こんな展開になるとは、と、ちょっと
驚いた。家の取り合いをするキャシー役のジェニファー・コネリーとベラーニ役の
ベン・キングズレーの演技がとてもうまく、2人の家に固執する様子がよく伝わって
くる。あまり期待しないで観たのだが、意外におもしろかった。悲しい物語である。