猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

エクストリーム・ジョブ

2020-01-29 22:29:00 | 日記
2019年の韓国映画「エクストリーム・ジョブ」を観にいった。

忙しく走り回りながらも、思うような実績を積めずに解散の危機を迎えている
麻薬捜査班。国際犯罪組織の国内麻薬密搬入情報を入手したコ班長(リュ・スン
リョン)は、チャン刑事(イ・ハニ)、マ刑事(チン・ソンギュ)、ヨンホ(イ・ド
ンフィ)、ジェフン(コンミョン)の4人のチーム員たちと共に潜入捜査を開始す
る。24時間監視のため、犯罪組織のアジト前にあるチキン屋を買い取り、麻
薬捜査班メンバーによるチキン屋稼業をスタートさせるが、絶対味覚を持つマ
刑事の隠れた才能により評判が広まり、チキン屋は捜査にも手が回らないほど
の大人気店となってしまう。

ひょんなことから人気フライドチキン店を経営することになってしまった麻薬
捜査班の刑事たちの奮闘を描くアクション・コメディ。コ班長率いる麻薬捜査
班はちっとも犯人を検挙できず、解散の危機にある。ある日国際犯罪組織の麻
薬密輸の情報を入手したコ班長は、潜入捜査のために、犯罪組織のアジト前に
あるチキン屋を退職金を前借りして買い取る。表向きチキン屋を営業しなくて
はならなくなったのだが、マ刑事の作るフライドチキンが大変おいしく、評判
が広がり、捜査をする暇もないほど店は繁盛してしまう。
とても笑える映画だった。5人の刑事たちがチキン店を切り盛りする姿はユー
モラス。昼間店を営業し、夜犯罪組織のアジトを監視するつもりだったのだが、
昼間の仕事が忙しく皆夜はクタクタだ。次第にチキン屋が板についてくる刑事
たちの様子がおもしろい。自分たちはチキン屋なのか刑事なのか、悩み始める
彼ら。それに5人のキャラクター設定もいい。それぞれ個性的で味がある。
クスクス笑いが止まらない。本当に笑える映画だ。日本人のツアー客が店を訪
れた時、5人で口を揃えて「いらっしゃいませ!」と日本語で言ったシーンは
とても好きだ。終盤のアクションシーンもいい。特に女性であるチャン刑事と、
犯罪組織の用心棒である強い女の闘いは見もの。チャン刑事もムエタイ・チャ
ンピオンであり、とても強いのだ。ラストも爽快。今月は韓国映画を2本観に
いったが、衝撃的な展開である「パラサイト 半地下の家族」とは違って、こ
ちらは何も考えずに笑って観られる映画。これはこれでとてもおもしろかった。




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マネー・ショート 華麗なる大逆転

2020-01-23 21:48:52 | 日記
2015年のアメリカ映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」。

2005年、ニューヨーク。金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)は住宅
ローンを含む金融商品が数年以内に債務不履行に陥る可能性があることに気づくが、
ウォール街の銀行家や政府の金融監督機関には全く相手にされずにいた。そこで、新
たな戦略でウォール街を出し抜こうとするマイケルの動きを察知した銀行家のジャレ
ッド(ライアン・ゴズリング)は、ヘッジファンド・マネージャーのマーク(スティー
ヴ・カレル)に連絡を取る。そして2008年、住宅ローンの破綻に端を発する市場崩
壊の兆候が表れる。

リーマン・ショックの裏側でいち早く経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し
抜いた4人の男たちの実話である。
私は金融業界のことは全くわからないし、専門用語もチンプンカンプンなのだが、勢
いがあって何だかよくわからないのにおもしろかった。それに登場人物たちのセリフ
がとても多く、私は会話劇が結構好きなので楽しめた。キャストもクリスチャン・ベ
ール、ブラッド・ピット、ライアン・ゴズリング、スティーヴ・カレルと豪華である。
経済破綻を予見し、自分たちが巨額の富を得るために影で動いていた人たちっていた
んだなあ。どこの世界にも先見の明を持った人というのはいるものだ。
私は住宅ローンなんて抱えていないのでさっぱりわからないのだが、リーマン・ショ
ックは本当に世界経済に大きな混乱をもたらしたんだなあ。こんなことすら私はよく
理解していないのだ。それでもおもしろく観られたのだから不思議な魅力のある映画
だ。ベン(ブラッド・ピット)の「何万人の人が家を失い、路頭に迷うかわかっている
のか」というセリフが印象に残った。それとゴツい体格のお父さんと幼い息子のエピ
ソードも良かった。爽快なだけでは終わらない、悲しみも漂っているラストも好みで
ある。とてもアメリカ映画らしい映画だった。



お腹ぽっこり!脚短っ!













gooブログの仕様が変わって、投稿画像が大きくなってしまった。以前くらいの大き
さが良かったんだけどなあ。




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特捜部Q キジ殺し

2020-01-18 22:02:01 | 日記
2014年のデンマーク・スウェーデン・ドイツ合作映画「特捜部Q キジ殺し」。

特捜部Qの刑事カール(ニコライ・リー・コス)のデスクに、何故か20年前に捜査
終了したはずの双子のレイプ殺人事件のファイルが置かれていた。何者かの意図
を感じたメンバーたちは再捜査に乗り出し、事件当時に重要情報を知る少女キア
ステン(少女時代/サラ・ソフィー・ボウスニーナ、大人/ダニカ・クルチッチ)が
失踪している事実に辿り着く。すぐにキアステンの行方を追い始めるカールとア
サド(ファレス・ファレス)だったが、キアステンを捜しているのは2人だけでは
なかった。エリート校出身で各界のトップに立つ男たちも、自らの身を危うくす
るリスクを消し去るために彼女を捜し続けていた。

デンマークのベストセラー小説「特捜部Q」シリーズの映画化第2弾。刑事のカ
ールとアサドのコンビに今回から秘書の女性が加わった。20年前に犯人が逮捕
され捜査終了となっていたはずの双子のレイプ殺人事件について再捜査を始める
カールとアサド。やがて事件の鍵を握る女子高生・キアステンが行方不明になっ
ていることがわかる。カールたちはキアステンの行方を追うが、彼女を捜してい
るのは他にもいた。
凄惨な双子の殺人事件。それだけではなく、20年前の色んな出来事が複雑に絡
み合っていて興味深い。エリート校を舞台に起きた悪質な事件の数々。とにかく
事件に関係した高校生たち(今は大人で社会的地位もあるが)があまりに最低で、
怒りが湧いてくる。失踪したキアステンにしても、現在は人目を忍んでホームレ
ス生活を送っているのだが、少しもかわいそうだと思えない。彼女も少女の頃か
ら性格が悪いし、それなりにひどいことをしてきている。そして殺人まで犯して
しまう。
カールはキアステンのことを「彼女は目撃者で通報者だ」という理由から守ろう
とするが、そんなに守るべき存在だろうか。彼女の証言があれば事件の全容がわ
かるとはいえ、どうしてそんなに肩入れするのか納得がいかない。キアステンに
よって人生を滅茶苦茶にされた人もいるし、たとえ彼女が命を狙われる身であっ
たとしても全く同情できないのだ。彼女も傷を負ったことは確かなのだけど。
前作の「特捜部Q 檻の中の女」の犯人の目的は復讐だったので、多少気持ちが
わからなくもないけれど、今回は登場人物が皆最低で胸が悪くなる。でもおもし
ろかったのは今作の方かもしれない。カールとアサドのコンビは相変わらずいい
し、ラストでカールが息子の部屋のドアをノックするシーンも良かった。カール
がいつもボコボコにされるのは、彼の無鉄砲な性格のせいだな。




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パラサイト 半地下の家族

2020-01-13 21:59:10 | 日記
2019年の韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を観にいった。

全員失業中。日の光も、電波も弱い"半地下住宅"で暮らす貧しいキム・ギテク
(ソン・ガンホ)一家。4回も大学受験に失敗している長男ギウ(チェ・ウシク)
は、留学に行くエリート大学生の友達の代わりに家庭教師の仕事を紹介される。
身分を偽り訪れた先は、IT企業を経営するパク・ドンイク社長(イ・ソンギュ
ン)一家が暮らす"高台の大豪邸"。思いもよらぬ高給の就職先を見つけたギウは、
ドンイクの妻ヨンギョ(チョ・ヨジョン)から美術教師を探していると聞かされ、
妹ギジョン(パク・ソダム)を他人のふりをして紹介する。パク家に子供2人を
家庭教師として送り込んだキム家は貧しい暮らしから抜け出すために、更なる
計画を実行し始める。

第72回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞したポン・ジュノ監督の作品。
圧巻のおもしろさだった。ジャンルは何になるのだろう。前半はブラック・コ
メディと言えるかもしれないが、後半は次第に変貌していく。「半地下住宅」
というものを私は初めて知った。格差の広がる韓国では半地下住宅に住んでい
る人々もいるのだという。日が射さず、薄暗く、風通しが悪く、カビ臭い。携
帯電話も電波の通じる場所を探さなければならない。そんな暮らしをしている
人たちがいるのだ。そんな半地下住宅に住んでいる主人公のキム一家は貧しさ
の象徴だ。それに対して豪邸に住んでいるパク一家は成功者、お金持ちの象徴
である。高校生と小学生の子供にそれぞれ家庭教師を雇い、家政婦もいる。日
本やアメリカなどだけでなく、韓国もかなり貧富の差が大きいようである。
その富めるパク一家にうまく入り込んだキム家の息子と娘は、更なる仕掛けを
し、徐々にパラサイトしていくのである。コミカルだが怖い映画だ。とにかく
登場人物たちのキャラクター設定がいい。キム家の夫婦や子供たちはもちろん、
パク家の夫婦や家政婦もおもしろい。特に妻のヨンギョは美人だが騙されやす
くお気楽な性格で笑える。家事もロクにできないので何もかも家政婦任せだ。
何故か小学生の息子に芸術の才能があると思い込んでいる。何不自由のない生
活をしているパク家だが、キム家もそしてパク家でさえ気づいていない驚くべ
き秘密があったのである。それが明かされた辺りから映画の雰囲気が変化して
いき、予測不能で衝撃的な展開へと加速していく。
ポン・ジュノ監督の演出は見事である。映画ってここまでおもしろく作れるも
のなのだろうか、と思わせられる。元々ポン監督の映画はおもしろいが、本作
は群を抜いていると思う。ユーモラスな序盤から凍りつくような恐怖を感じる
終盤まで、引き込まれて目が離せない。パルム・ドール受賞も納得の圧倒的な
おもしろさだった。傑作である。ポン・ジュノ監督、恐るべし。




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マスカレード・ホテル

2020-01-08 22:08:27 | 日記
2019年の日本映画「マスカレード・ホテル」。

都内で3件の殺人事件が発生した。現場にはいずれも不可解な数字の羅列が
残されていたことから、連続殺人事件として捜査が開始される。警視庁捜査
一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)は、その数字が次の犯行場所を予
告していること、そしてホテル・コルテシア東京が4件目の犯行現場になる
ことを突き止める。犯人を見つけるためホテルのフロントクラークに成りす
まして潜入捜査に乗り出した新田は、教育係である優秀なフロントクラーク
・山岸尚美(長澤まさみ)と衝突を繰り返しながら、事件の真相に近づいてい
く。

東野圭吾氏の小説の映画化。都内で3件の殺人事件が発生し、現場に残され
ていたメモから連続殺人であること、4件目の事件の場所は高級ホテルであ
るホテル・コルテシア東京であることを警察は突き止める。新田たち刑事は
ホテルのフロントクラークやベルボーイに扮して潜入捜査を始める。ホテル
に出入りする者全てが容疑者という状況の中で、人を疑うのが仕事である新
田と、客のことを信用し客を1番に考えるというフロントクラークの山岸は
衝突する。
とにかく変な客が次々に登場する。難癖をつけて何度も部屋を変えさせる男
や、ヒステリックな女や、新田を目の仇にするようにこき使う男や、盲目の
怪しい老婆や。盲目の老婆は本当は目が見えているのではないかと新田は推
測し、その根拠を山岸に説明する。結局その老婆は目が見えており、事情が
あって見えないふりをしていたのだとわかる。山岸は新田の洞察力に感心し、
2人は少しずつ心を開いていく。
変な客たちもそれぞれの事情がわかり、怪しい者が1人ずつ減っていく。事
件はなかなか起きず、ホテルの人間模様を描いた映画のような雰囲気もある。
それがこの映画のおもしろさなのだろう。結末は想像がつかなかった。ちょ
っと無理矢理な感じのするシーンもいくつかあったが、まあまあ楽しめた。
原作を読めばもっとおもしろいのかもしれない。私は海外小説が好きで、日
本の小説はあまり読まないのだが。
木村拓哉主演の映画は他に「武士の一分」と「無限の住人」しか観たことな
いのだが、それらの方がおもしろかった。




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