猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

メランコリア

2012-02-28 03:10:47 | 日記
デンマーク・スウェーデン・フランス・ドイツ合作映画「メランコリア」を観に
いった。
ラース・フォン・トリアー監督作品。
メランコリアという名前の惑星が地球に接近してくる恐怖を描いた映画なのだが、
SFっぽいのかなあと思っていたら、SFの雰囲気はほとんどなし。

前半は妹・ジャスティン(キルスティン・ダンスト)の結婚パーティの話がメイン。
精神的に不安定な妹はパーティの途中で奇行に走り、パーティを台無しにしてしまう。
パーティをセッティングした姉・クレア(シャルロット・ゲンズブール)の夫はうんざりして
しまう。姉妹の母親もひねくれた人で、夫は妻に「君の家族はおかしいよ」と言う。
(あんな人たちが配偶者の家族だったら私もイヤだ)結局妹は姉夫婦の家に居着いてしまう。
これがものすごい豪邸。こんな豪邸に住んでる人って、欧米にはたくさんいるんだろうなあ。

後半が惑星の話になる。メランコリアという惑星が地球に接近しているが、軌道はそれるから
大丈夫だという国の見解だったが、実はそれは正しくなかった。
夫は自分で計算をして、地球にぶつかることを知って愕然とする。
おびえる姉。妙に落ち着いている妹。姉は「最後の瞬間はみんなと一緒にいたい」と願う。
ラストの迫力もすごかった。
ただちょっと気になったのは、惑星の衝突の恐怖が、この家庭しか描かれていないこと。
姉が衝突のことをインターネットで知る場面があるが、他の人たちについては全く描かれて
いない。地球最後の日となれば、世界中でみんながテレビに釘付けになるのではないかと思う
が、あえてこの家族しか描かなかったんだろうな、と思った。
多分他の家庭のことは描く必要がなかったのだろう。
SFというより、家族の心の動きが中心の、ヨーロッパ映画らしい映画だった。

姉の夫がキーファー・サザーランド、姉妹の母がシャーロット・ランプリング、他にもウド・
キアやジョン・ハートと、有名な俳優がたくさん出ていた。ヨーロッパの俳優が多かったのが
嬉しい。

「冒頭の8分間のプロローグ」は、あまりにも美しい映像で、絵画を連想させる。
監督は「ある意味ハッピー・エンド」と言ったそうだが、分かる気がする。

さくら

2012-02-23 20:58:02 | 日記
今日はさくらの命日。あれから1年も経ったなんて信じられない。
月日が過ぎるのは、本当に早いものだ。
本当に本当に信じられない。1年も前のことだなんて。
ある日突然さくらがぐったりと動かなくなったこと。
夜、救急病院へ連れていったこと。
点滴などの治療をしてもらったが、数時間後に息を引き取ったこと。
簡易棺に入れてもらって、家に帰ったこと。
みんなで葬儀の手配をしたこと。
葬儀場に行って、火葬にし、小さな白い骨になったこと。
今でもはっきりと覚えている。
今まで生きてきて、あんなに悲しかったことはないし、あんなに泣いたことはなかった。
どれだけ泣いただろう。

猫はとても腎臓が弱い動物で、腎不全が猫の死因のトップだということを、
獣医さんから聞いた。
私たちはそんなこと知らなくて、4匹の猫たちみんな元気に暮らしているので、
突然の別れが訪れるなんて考えたこともなく、ショックが大きかった。

私は今でもさくらのことを思い出すと涙が出てくる。みんなかわいいけど、さくらは
私が1番かわいがっていた猫。
子猫の時、拾ってきた時から病気をしていて、1番手がかかった。大人になってもしょっちゅう
お腹をこわした。生まれつき腸が弱かったのかな。
あまり体が丈夫ではないので、長生きできないかも…と思ってはいたのだが、10歳で
天に召されてしまうなんて…
白くてふわふわして、かわいいかわいい猫だった。私にとって特別の猫だった。
まだ、さくらのことを考えても涙が出なくなる日は来そうもない。もしかしたら永遠に
来ないかもしれない。
でも、どの猫が天国に行ってもそうかもしれないな。

さくら…天国で元気にやっているかな。いつか私たちも行くから、待っていてね。
かわいい子だから、神様がペットにしているかもしれないな。
永遠に永遠に愛してるよ、さくら。

サラの鍵

2012-02-15 20:15:46 | 日記
フランス映画「サラの鍵」を観た。ずっと前から観たかったのだ。
すごく良かった。観る前から、この映画は絶対いい!と確信していて、
今年は観たい映画が結構あるのだけど、この映画が今年の最高だと思っている。

元々私はナチスのユダヤ人迫害についてとても興味がある。
が、このことは知らなかった。1942年に、フランス政府がナチスのユダヤ人の逮捕に
協力したことがあるのだという。
早朝、ユダヤ人居住区を襲い、逮捕するのに加担したという。
これはフランスの黒歴史らしい。シラク前大統領が謝罪している本当の映像が、
映画の中で流れた。
サラの役をやった子役の少女がすごくうまくて、物語の中に惹き込まれていく。
見ていて辛くなるような場面ばかりだ。
どうして人が人に対して、あんなにひどいことが出来たのだろう。

「戦場のピアニスト」や「シンドラーのリスト」と違って、実話ではないようだが、
サラのような人生を送ったユダヤ人女性は、たくさんいたかもしれない、と思った。

私は生まれ変わりを信じていて、生まれ変わるのは何度もらしいので、フランス人だった
時代と、ユダヤ人だった時代と、香港人だった時代は間違いなくあると思っている。
他にもあるんだろうけど、これらは絶対あると思う。

ユトリロ

2012-02-10 21:25:09 | 日記
今、美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチ展が開催されているのだが、私はダ・ヴィンチが
それ程好きではないので、観にいっていない。
私が1番好きな画家は、モーリス・ユトリロ。モンマルトルの街並みや、教会などを
たくさん描いた人だ。この人の絵がとても好き。
ユトリロは家庭に恵まれず、精神不安定やアルコール依存症で、人生のかなりの時間を
精神病院で過ごした人だ。
でもこの人の絵は、いつまでも見ていたくなるような魅力がある。

私が好きな画家は他に、藤田嗣治、カミーユ・ピサロ、ルノアール、アンディ・ウォーホル、
レンブラントである。
この中で、藤田嗣治は全然展覧会がなくて、ずっと見たかったのだが、3年くらい前に
やっと展覧会があって、喜んで見にいった。
中学2年の時、美術の教科書に藤田嗣治の絵が載っていて、私はそれを一目で好きになった。
窓があって、窓の前にテーブルと椅子があって、外の風景が見えている、それだけの
絵だったのだが、そのセピア色の絵に私は惹き込まれた。
初めて展覧会でたくさんの絵を見て、圧倒された。
この人の絵はセピア色と乳白色が特徴で、とても優しい色使いなのだ。
猫が大好きだったという所も好きだ。

あと見ていないのは、アンディ・ウォーホル。この人の展覧会はなかなかないなあ。
是非是非、開催されますように。

海と月の迷路

2012-02-02 21:58:49 | 日記
うーん、ちゃんと確認してるはずなのだが、誤字って出るもんだなあ。
なんで気がつかないんだろう。

今、新聞(夕刊)に連載されている小説を読んでいる。
私は普段新聞の連載小説は気にとめてなくて、めったに読んだことないのだが、
ふとした拍子に読み始めてしまった。
大沢在昌氏の「海と月の迷路」という小説である。
でも、いつから始まっていたのか知らないのだ。読み出したのは12月頃からかな。
かなり連載は進んでいるのかもしれない。
ある日、ふと、「女子中学生は殺されたのかもしれない」みたいな文章が目に入って、
「んっ?」と思って、それ以来読んでいる。
私はミステリーが大好きなのだ。ああ、最初から読んでおけば良かった
大体のストーリーはわかってきた。昭和30年頃のある島が舞台になっており、
主人公は若い警察官。
ある日女子中学生の遺体が発見され、事故として処理される。が、主人公は、8年前
にも女子中学生が同じような死に方をして、やはり事故として処理されていたと
いう事実を知る。
2人の少女の死には類似点が多く、主人公は殺人を疑う…という話だ。
(こんなこと書いちゃっていいのかな?)
だんだんおもしろくなっていく。ほんとに最初に気付いておけば良かったあorz

そういえば先日芥川賞を受賞された、田中慎弥氏の短編小説も、月に1度連載されて
いて、こちらはずっと前から読んでいる。
これはジャンルは何になるのだろう。ミステリーでもないし、とにかくシュールな
小説。ちょっと星新一っぽいけど、やはり違う。
「変わった小説」としか言いようがない。
単行本が出たら買おう。