1986年のアメリカ映画「ヒッチャー」を観に行った。
長距離陸送の仕事をするジム・ハルジー(C・トーマス・ハウエル)は、雨の中
シカゴからサンディエゴへと向かうハイウェイで、1人のヒッチハイカーを
拾う。ジョン・ライダーと名乗るその男(ルトガー・ハウアー)は、突然ハンド
ルを握るジムの喉元にナイフを突きつける。一瞬の隙を見てジョンを車から突
き落としたものの、その後もジョンは執拗にジムを付け狙う。警察やウエイト
レスのナッシュ(ジェニファー・ジェーソン・リー)をも巻き込み、事態は最悪
の方向へと転がっていく。
1986年のサイコ・スリラーのリバイバル上映。昔観たことがあるが、怖かっ
たという印象はあるもののあまり覚えていなくて、改めて観るとやっぱりすご
く怖かった。テキサス砂漠のハイウェイが舞台。陸送の仕事でシカゴからサン
ディエゴへと車を走らせていた青年ジムは、1人きりのドライブで睡魔に襲わ
れていた。そんな時雨の中ヒッチハイクをしている男を見つけ、話し相手にと
彼を車に乗せる。男はジョン・ライダーと名乗った。ジムは退屈しのぎに世間
話をしようとするが、ジョンはナイフを取り出すとジムの喉に突き付け、さっ
き人を殺してきたと言う。驚いたジムは隙をついてジョンを車から叩き出すが、
翌朝、ジョンを乗せた家族連れのワゴン車が自分を追い越して行くのを見る。
慌てて彼らに伝えようとするジムだが、伝わらない。ワゴン車に追いついた時
には既に家族全員が殺され、ジョンは姿を消していた。その後もジョンに付き
まとわれるジムは命からがら逃げ出してダイナーに飛び込み、ウェイトレスの
ナッシュに頼んで警察へ通報する。だが到着した警察に犯人と誤解され、留置
所へ入れられてしまう。
とにかくジョンが不気味。神出鬼没で逃げても逃げてもジムの前に現れる。ジ
ムは何故自分が付け狙われるのかわからない。観ているこちら側もわからない。
多分理由などなく、ジョンにとってジムはたまたま見つけた遊び相手だったの
だろう。テキサスとかシカゴとかサンディエゴとか言われてもさっぱりわから
ないが、永遠に続いているかのようなアメリカのハイウェイで次々と行われる
殺人は本当に恐ろしい。ジョンは一体何人殺したのだろう。ジムは最初はジョ
ンに殺されそうになるが、その後警官殺しの罪を着せられ、絶体絶命の状況に
なってしまう。
ジョンは1度警察に逮捕されるが、身分証明書を持っておらず、前科もなく、
戸籍さえない。ジョン・ライダーという名前が本名なのかもわからない正体不
明の男なのだ。映画の演出もうまいと思う。ジムがワゴン車を追いかけ、家族
が殺されているのを見つけるシーンも、そのものは映していないが、皆殺しさ
れたのだとわかる描写になっており恐怖を感じる。ナッシュが無残な殺され方
をするシーンも同様で、直接的には見せていないが想像をかき立てて恐怖を煽
る感じである。
殺人鬼役のルトガー・ハウアーの演技はすごい。終始冷たい表情であっさりと
殺人を犯す。ジョンには動機も目的もないのが余計に怖い。ルトガー・ハウア
ーの存在感は強烈だが、C・トーマス・ハウエルも負けてはいない。彼はこの
映画に出演した時恐らく19歳か20歳くらいで、まだ少年のようにも見えるの
だが、突然理不尽な恐怖に襲われて逃げ惑うジムが、終盤では戦う男の顔にな
ってくるのも見どころだと思う。色々な面でこの映画はよくできていて、大ヒ
ットしたのも納得のスリラーの名作と言えるのではないだろうか。
映画評論・レビューランキング
人気ブログランキング
長距離陸送の仕事をするジム・ハルジー(C・トーマス・ハウエル)は、雨の中
シカゴからサンディエゴへと向かうハイウェイで、1人のヒッチハイカーを
拾う。ジョン・ライダーと名乗るその男(ルトガー・ハウアー)は、突然ハンド
ルを握るジムの喉元にナイフを突きつける。一瞬の隙を見てジョンを車から突
き落としたものの、その後もジョンは執拗にジムを付け狙う。警察やウエイト
レスのナッシュ(ジェニファー・ジェーソン・リー)をも巻き込み、事態は最悪
の方向へと転がっていく。
1986年のサイコ・スリラーのリバイバル上映。昔観たことがあるが、怖かっ
たという印象はあるもののあまり覚えていなくて、改めて観るとやっぱりすご
く怖かった。テキサス砂漠のハイウェイが舞台。陸送の仕事でシカゴからサン
ディエゴへと車を走らせていた青年ジムは、1人きりのドライブで睡魔に襲わ
れていた。そんな時雨の中ヒッチハイクをしている男を見つけ、話し相手にと
彼を車に乗せる。男はジョン・ライダーと名乗った。ジムは退屈しのぎに世間
話をしようとするが、ジョンはナイフを取り出すとジムの喉に突き付け、さっ
き人を殺してきたと言う。驚いたジムは隙をついてジョンを車から叩き出すが、
翌朝、ジョンを乗せた家族連れのワゴン車が自分を追い越して行くのを見る。
慌てて彼らに伝えようとするジムだが、伝わらない。ワゴン車に追いついた時
には既に家族全員が殺され、ジョンは姿を消していた。その後もジョンに付き
まとわれるジムは命からがら逃げ出してダイナーに飛び込み、ウェイトレスの
ナッシュに頼んで警察へ通報する。だが到着した警察に犯人と誤解され、留置
所へ入れられてしまう。
とにかくジョンが不気味。神出鬼没で逃げても逃げてもジムの前に現れる。ジ
ムは何故自分が付け狙われるのかわからない。観ているこちら側もわからない。
多分理由などなく、ジョンにとってジムはたまたま見つけた遊び相手だったの
だろう。テキサスとかシカゴとかサンディエゴとか言われてもさっぱりわから
ないが、永遠に続いているかのようなアメリカのハイウェイで次々と行われる
殺人は本当に恐ろしい。ジョンは一体何人殺したのだろう。ジムは最初はジョ
ンに殺されそうになるが、その後警官殺しの罪を着せられ、絶体絶命の状況に
なってしまう。
ジョンは1度警察に逮捕されるが、身分証明書を持っておらず、前科もなく、
戸籍さえない。ジョン・ライダーという名前が本名なのかもわからない正体不
明の男なのだ。映画の演出もうまいと思う。ジムがワゴン車を追いかけ、家族
が殺されているのを見つけるシーンも、そのものは映していないが、皆殺しさ
れたのだとわかる描写になっており恐怖を感じる。ナッシュが無残な殺され方
をするシーンも同様で、直接的には見せていないが想像をかき立てて恐怖を煽
る感じである。
殺人鬼役のルトガー・ハウアーの演技はすごい。終始冷たい表情であっさりと
殺人を犯す。ジョンには動機も目的もないのが余計に怖い。ルトガー・ハウア
ーの存在感は強烈だが、C・トーマス・ハウエルも負けてはいない。彼はこの
映画に出演した時恐らく19歳か20歳くらいで、まだ少年のようにも見えるの
だが、突然理不尽な恐怖に襲われて逃げ惑うジムが、終盤では戦う男の顔にな
ってくるのも見どころだと思う。色々な面でこの映画はよくできていて、大ヒ
ットしたのも納得のスリラーの名作と言えるのではないだろうか。
映画評論・レビューランキング
人気ブログランキング