猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ギルティ 罪深き罪

2014-05-31 03:42:34 | 日記
1993年のアメリカ映画「ギルティ 罪深き罪」。
敏腕女性弁護士ジェニファー・ヘインズ(レベッカ・デ・モーネイ)の事務所に、ある日
1人の男が現れ、弁護を依頼する。妻殺しの容疑者、デイヴィッド・グリーンヒル(ドン・
ジョンソン)というその男は、自信満々で無罪を主張するが、状況は彼にとって圧倒的に
不利だった。有罪が確実だからこそ、無罪の判決を得れば弁護士としての名声が上がる
と考えたジェニファーは、弁護を引き受ける。
デイヴィッドは、契約で結ばれた2人の関係を、男と女のそれに変えようとする。反発
しながらもセクシーなデイヴィッドに惹かれていくジェニファーだったが、調査が進む
ほど、デイヴィッドの容疑は深まる。

サスペンス映画だが、今ひとつだったかな。ストーリーもおもしろいことはおもしろい
のだが、見どころは何と言ってもレベッカ・デ・モーネイとドン・ジョンソンの美形さ
とセクシーさだろう。2人ともとてもセクシー。
デイヴィッドが本当に妻を殺したのか、観ている方にもわからないのだが、次第にデイ
ヴィッドのもう1つの顔がはっきりしてきて、ジェニファーの中で確信に変わっていく
過程はおもしろい。
似たような映画で「白と黒のナイフ」というのがあったが、あれは女性弁護士が容疑者と
恋愛関係になってしまうから、ラストがもっと怖かった。
ドン・ジョンソンは「刑事ナッシュ・ブリッジス」が良かったなあ。あのドラマは大好き
だ。また観たいなあ。DVD買えばいいんだけどね。



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2014-05-28 04:14:19 | 日記
1963年のアメリカ映画「鳥」。
メラニー(ティッピ・ヘドレン)はサンフランシスコの小鳥屋で弁護士のミッチ(ロット・
テイラー)と出会う。ミッチは11歳になる妹キャシーの誕生日プレゼントに、つがいの
ラブバードを探していた。彼はメラニーが店員だと勘違いをした振りをして、彼女を
怒らせる。彼は以前彼女に会ったと言うが、彼女は覚えていない。
ミッチの興味を持ったメラニーはカリフォルニア州ボデガ・ベイの彼の住所を割り出し、
彼の家の中に手紙とともにラブバードをこっそりと置いてきた。
その帰り、突然1羽のカモメがメラニーの額をつつき、飛び去った。ミッチは異様な
鳥の大群を見て、ただならぬ予感に襲われる。

アルフレッド・ヒッチコック監督の、動物パニック映画の元祖である。鳥は普通、人を
襲わない。その鳥が大群を成して人間たちに襲いかかり、食いちぎり、殺していまうと
いう恐ろしい映画だ。カモメ、カラス、スズメ、いろんな種類の鳥たちが襲いかかり、
小さな町はパニックになる。そしてその理由もわからないのだ。
子供の頃観てすごく怖いと思った覚えがある。今時のホラー映画のような怖さではなく、
ゾッとする不気味さなのだ。主人公がベンチに座ってタバコを吸っているシーンがある。
後ろのジャングルジムに2~3羽の鳥がとまっている。そしてシーンが変わるごとに、
鳥の数が増えていくのだ。やがてジャングルジムは鳥で覆い尽くされる。この演出が
怖い。さすがサスペンスの神様・ヒッチコックだ。
ティッピ・ヘドレンは「マーニー」でもそうだったが、高飛車で粘着質なヒロインがよく
似合う。
ただ、少し余計な時間が多い気もした。ヒロインがカモメにつつかれてケガをして、その
後も鳥の異常行動が見られるのだが、鳥たちが大群で人間に襲いかかるまでが少し長いと
思った。2時間の映画だが、もう少し短い方が迫力があったのではないか、と思う。
いずれにせよ、ものすごく久し振りに観たこの映画、やっぱり怖かった。



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ブルー・ジャスミン

2014-05-24 03:49:45 | 日記
アメリカ映画「ブルー・ジャスミン」を観にいった。
エレガントで美しい女性ジャスミン(ケイト・ブランシェット)が、サンフランシスコ空港に
降り立った。彼女はニューヨーク・セレブリティ界の花として夢のようにリッチな生活を
送ってきたが、実業家の夫ハル(アレック・ボールドウィン)がFBIに逮捕され、あらゆる
資産を没収されてすっからかんの身で、精神安定剤とウォッカなしでは過ごせない。
ジャスミンが身を寄せたのは離婚して2人の息子を育てる庶民的なシングルマザーの妹・
ジンジャーの質素なアパート。外見も性格も異なる彼女たちは、血の繋がりはないものの、
同じ里親の元で育った姉妹だった。
ジンジャーは金もないどころか負債もあるというのにファーストクラスの座席を予約し、
高級ブランドの洋服やバッグを身につけたジャスミンに呆れ、ジャスミンは前夫、新しい
恋人と、貧乏で品のない男を選ぶジンジャーが理解できなかった。ジャスミンの頭の中は、
華やかな表舞台に返り咲くために人性を立て直すことでいっぱいだった。

ウディ・アレン監督のロマンチック・コメディーである。コメディーといっても締めると
ころは締めていて、おもしろかった。ケイト・ブランシェットの演技が圧巻。彼女はこの
作品でアカデミー主演女優賞を受賞している。私はケイト・ブランシェットは「エリザベス」
や「エリザベス・ゴールデン・エイジ」でのエリザベス1世のイメージが強いのだが、こう
いうコミカルな演技もさすがにうまいんだな、と思った。
とにかくセリフが多く、場面転換も多い映画で、まあアメリカ映画らしいのかな。ジャス
ミンがセレブ生活を送っていた頃のシーンが度々挟まれるのだが、その生活は本当にゴー
ジャスで、タメ息が出るよう。あんな生活1度はしてみたいものだ。ジャスミンは財産を
失っても、その頃の生活が忘れられない。虚栄心だけは人一倍高く、ずっとブランドの服
やバッグやアクセサリーを身につけている。あの上着ってシャネルなんだなあ、知らなかっ
た。エルメスのバーキンは私にもわかったが。
ほとんど働いた経験のないジャスミンは、仕方なく歯科医院の受け付けの仕事を紹介して
もらうが、医師の下心に嫌気がさして辞めてしまう。薬と酒が手放せない。独り言も言う。
もうメチャクチャだ。
大体ジャスミンは知的に見えてそう頭が良くない。夫が詐欺行為をやっていたことも、浮気
三昧だったことも、全く気づいていなかった。そんな妻っているだろうか。あげくの果てに
夫は逮捕、セレブ生活も終わりである。そりゃ精神不安定にもなるだろう。
でもこんな愚かなジャスミンが、不思議と魅力的に描かれている。彼女には邪気がないのだ。
妹のジンジャーはスーパーで働くシングルマザーだが、恋人もその友人たちも趣味がいい
とは思えない。ジャスミンの虚栄心も愚かだが、ジンジャーも愚かだ。良く言えば気さく
だが、悪く言えば下品。この姉妹、性格はまるで違うが、頭が悪いところは共通している
ようだ。どっちもどっちと言ったところか。
おしゃれでコミカルで悲しくて、おもしろい映画だった。



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ダーク・ブラッド

2014-05-19 02:49:16 | 日記
アメリカ・イギリス・オランダ合作映画「ダーク・ブラッド」を観にいった。
ハリーとバフィーは倦怠期を迎えたハリウッド俳優夫婦。2人は関係を立て直すため、
週末旅行に出掛けるが、車が故障してしまい、無人の荒野で夜を過ごすことになる。
そこはアメリカ南西部、かつて白人がネイティブ・アメリカンを迫害し、核実験を
繰り返していた砂漠地帯だった。
バフィーは助けを呼んでくると言って、遠くにかすかに見えた光を頼りに1人で砂漠を
歩き続けると、今にも倒れそうな小屋が現れる。そこに住むのは、ホピ・インディアン
の血が8分の1流れる青年ボーイ(リヴァー・フェニックス)だった。ボーイはネイティブ・
アメリカンの妻を白血病で亡くして以来、社会との関係を断って1人で暮らしていた。
近くの町で車を修理に出すために、ハリーとバフィーはボーイの小屋で待つことになる。
ボーイはバフィーを手に入れたいという欲望にかられ、バフィーもボーイの純粋さや
危うさに惹かれていき、ハリーとボーイは忌み嫌い合うようになる。

1993年に23歳の若さで急死したリヴァー・フェニックスの遺作である。撮影途中だった
この作品は、クランクアップまで約10日を残して中断されたそうだ。しかしジョルジュ・
シュルイツァー監督が近年になって大病を患い、最後の作品としてどうしても完成した
いと思うようになったという。完成といっても主演のリヴァーがもういないので、足り
ない部分は監督のナレーションで補われている。
正直あまり好きな映画ではない。リヴァーは大好きだが。彼の出演作の中では突出して
異例の役柄だろう。妻を亡くし、孤独で愛を渇望している男。まずリヴァーが妻を亡く
して何年も経った男に見えない。当時23歳だし、その上リヴァーは年よりも若く見える。
この設定にちょっと無理がある気がしたが、それでも監督はリヴァーを起用したかった
のだろう。
そしてバフィー役のジュディ・デイヴィスは有名な女優らしいが、私はあまり魅力を
感じなくて、ボーイがバフィーを好きになる理由がよくわからなかった。美人じゃない
し、かなり年上だし。セクシーな女性ではあるが。
ボーイの狂気を感じさせる演技はさすがだと思った。ボーイとハリーのにらみ合いの
シーンは胸を掴まれるような緊張を感じる。この2人の憎しみがやがて不幸な結末に
向かっていく辺りはとてもおもしろかった。

リヴァーは生きていたらジョニー・デップのような俳優になっていただろうとよく言わ
れている。私も同感だ。顔が似ているのではなく、俳優としての雰囲気が似ているのだ。
ハンサムでセクシーでそれでいてかわいいリヴァー。本当にジョニー・デップみたいだ。
2012年にやっと出来上がった未完の映画「ダーク・ブラッド」。好きなタイプの映画では
ないが、見応えはあった。
生きていて欲しかった、リヴァー。



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ムカデ人間2

2014-05-16 03:58:03 | 日記
2011年のオランダ・イギリス合作映画「ムカデ人間2」。
発達障害を持つ小さな男マーティンは、ロンドンの地下駐車場で夜間警備員として
働きながら、母親と2人で暮らしていた。
マーティンは映画「ムカデ人間」の大ファンで、ムカデ人間を作ったハイター博士に
心酔していた。DVDを繰り返し観ているうちに、自分でもムカデ人間を作ってみたい
と思うようになった。
マーティンは夜の地下駐車場を訪れた人々を拳銃やバールで気絶させ、拉致して
倉庫に監禁する。更に「ムカデ人間」の出演者の1人を、映画のオーディションと偽り
倉庫へ連れ込む。

うーん、1作目の方がインパクトがあって物語もおもしろかったな。大体映画のシリ
ーズ物ってそういうことが多いんじゃないだろうか。私の大好きな「ハロウィン」も
そうだ。
前作はほとんどグロテスクなシーンはなかったが、こちらはグロテスク満載だ。
白黒映画になっているからなんとか観られる、って感じ。
なんと言っても主人公のマーティンが1番グロテスク。背が低くて、すごく太って
いて、この人本当に俳優なんだろうかと思うほど気持ち悪い。加えていつも大汗を
かいていて、咳き込んでいるところがなんとも。ムカデ人間なんかより主人公の方が
ずっとグロテスクだ。
それに前作は手術の天才の博士がムカデ人間を作っていたけど、こちらの主人公は
医者でもなんでもないので、やり方がむちゃくちゃだ。観ていて、”痛い”。ちょっと
やり過ぎの感はある。ホラー映画としてまとまっていたのはやっぱり前作の方だ。
でもこのムカデ人間は3部作らしいから、とりあえず3まで観よう。



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