2014年のカナダ映画「エレファント・ソング」。
マイケル(グザヴィエ・ドラン)は14歳の時オペラ歌手である母親が目の前で自殺
し、それ以来精神病院に入院している。病院で1番の問題児とされている彼は、ゾウ
にまつわるあらゆることに異常な執着を示した。ある日、担当医のローレンスが失踪
する。手掛かりを知るのはマイケルだけ。彼のことをよく知る看護婦長のピーターソン
(キャサリン・キーナー)は「マイケルは茶化すだけで真実を話さない」と助言するが、
院長のグリーン(ブルース・グリーンウッド)は事情聴取を試みる。マイケルは話す代
わりに"1. 僕のカルテを読まないこと。2. ご褒美にチョコレートをくれること。3. 看護婦
長をこの件から外すこと。"という条件を出してきた。条件を飲んだグリーンだが、マイ
ケルはゾウやオペラについての無駄話や、「母親を殺した」「ローレンス医師から性的
虐待を受けていた」など、嘘か本当かわからないような話でグリーンを翻弄する。
珍しくグザヴィエ・ドランが監督をせず俳優に徹している、ミステリー仕立ての人間ド
ラマである。どうでもいいがグザヴィエという字は1度で変換できないものか。2度も
書き直さないといけないので、イラッとする。とにかく精神病院の患者マイケルと院長
グリーンの心理戦なのである。若き天才グザヴィエ・ドランと、カナダの名優ブルース・
グリーンウッドの対決が見ものである。
突然失踪した、マイケルの担当医ローレンス。彼を最後に見たのはマイケルで、マイ
ケルは何らかの事情を知っている。グリーンにそれを話す代わりにマイケルは奇妙
な条件を3つ出してくる。しかしこの条件はラストに向けての重要な伏線になっている。
ピーターソンが言った通り、マイケルはふざけてばかりでまともに話をしようとしない。
それに忍耐強く対応するグリーン。この会話劇は人によっては退屈かもしれないが、
私にはとても興味深くおもしろかった。
マイケルが子供の時、父親が目の前でゾウを射殺するシーンがあるのだが、残酷
極まりなく、ショッキングだ。あれは密猟をしていたのだろうか。マイケルがゾウに
異常に執着するするようになったのはあれからなのだろう。私だってあんな光景を
見たらトラウマになる。
人に愛されなかったマイケルの心中を思うと、たまらない。子供の目の前でゾウを
虐殺した父親。目の前で自殺した母親。両親はマイケルを愛さなかったのだ。あま
りにも悲しいラスト。グザヴィエの熱演が光る映画だった。
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マイケル(グザヴィエ・ドラン)は14歳の時オペラ歌手である母親が目の前で自殺
し、それ以来精神病院に入院している。病院で1番の問題児とされている彼は、ゾウ
にまつわるあらゆることに異常な執着を示した。ある日、担当医のローレンスが失踪
する。手掛かりを知るのはマイケルだけ。彼のことをよく知る看護婦長のピーターソン
(キャサリン・キーナー)は「マイケルは茶化すだけで真実を話さない」と助言するが、
院長のグリーン(ブルース・グリーンウッド)は事情聴取を試みる。マイケルは話す代
わりに"1. 僕のカルテを読まないこと。2. ご褒美にチョコレートをくれること。3. 看護婦
長をこの件から外すこと。"という条件を出してきた。条件を飲んだグリーンだが、マイ
ケルはゾウやオペラについての無駄話や、「母親を殺した」「ローレンス医師から性的
虐待を受けていた」など、嘘か本当かわからないような話でグリーンを翻弄する。
珍しくグザヴィエ・ドランが監督をせず俳優に徹している、ミステリー仕立ての人間ド
ラマである。どうでもいいがグザヴィエという字は1度で変換できないものか。2度も
書き直さないといけないので、イラッとする。とにかく精神病院の患者マイケルと院長
グリーンの心理戦なのである。若き天才グザヴィエ・ドランと、カナダの名優ブルース・
グリーンウッドの対決が見ものである。
突然失踪した、マイケルの担当医ローレンス。彼を最後に見たのはマイケルで、マイ
ケルは何らかの事情を知っている。グリーンにそれを話す代わりにマイケルは奇妙
な条件を3つ出してくる。しかしこの条件はラストに向けての重要な伏線になっている。
ピーターソンが言った通り、マイケルはふざけてばかりでまともに話をしようとしない。
それに忍耐強く対応するグリーン。この会話劇は人によっては退屈かもしれないが、
私にはとても興味深くおもしろかった。
マイケルが子供の時、父親が目の前でゾウを射殺するシーンがあるのだが、残酷
極まりなく、ショッキングだ。あれは密猟をしていたのだろうか。マイケルがゾウに
異常に執着するするようになったのはあれからなのだろう。私だってあんな光景を
見たらトラウマになる。
人に愛されなかったマイケルの心中を思うと、たまらない。子供の目の前でゾウを
虐殺した父親。目の前で自殺した母親。両親はマイケルを愛さなかったのだ。あま
りにも悲しいラスト。グザヴィエの熱演が光る映画だった。
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