2020年のデンマーク・オランダ・スウェーデン合作映画「アナザーラウ
ンド」。
冴えない高校教師のマーティン(マッツ・ミケルセン)とその同僚のトミー
(トマス・ボー・ラーセン)、ニコライ(マグナス・ミラン)、ピーター(ラ
ース・ランゼ)の4人は、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコー
ル濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理
論を証明するため、実験をすることに。朝から酒を飲み続け、常に酔った
状態を保つと惰性で行っていた授業も楽しくなり、生き生きとするマーテ
ィンたち。生徒たちとの関係も良好になり、人生は良い方向へ向かってい
くと思われた。しかし、実験が進むにつれて次第に制御がきかなくなって
しまう。
「偽りなき者」のトマス・ヴィンターベア監督と主演のマッツ・ミケルセ
ンが再びタッグを組んだコメディあり、シリアスありの人間賛歌。第93
回アカデミー賞国際長編映画賞他多くの賞を受賞している。冴えない高校
の歴史教師マーティンたちは、生徒から「先生の授業は退屈」と言われて
しまう。悩んだマーティンたち4人の同僚は、ノルウェー人哲学者の提唱
した理論を試してみようと思い立つ。それは「人間の血中アルコール濃度
を常に0.05%に保つと仕事の効率が良くなり、自信とやる気がみなぎる」
というものだった。ヘミングウェイと同じように夜8時以降と週末は飲酒
禁止とした上で、彼らは学校でこっそりと酒を飲むようになる。すると彼
らは授業もうまくいくようになり、生徒たちも楽しく授業を受けるように
なる。
前半はコミカルに進んでいく。マーティンは夜勤ばかりの妻とすれ違いの
生活で、子供たちともあまり会話がなく悩んでいたが、次第に明るくなっ
てきて家族の絆も戻ってくる。他の3人もそれぞれ仕事だけでなく家庭で
も問題を抱えていたが、事態は好転していく。しかし実験がうまくいけば
欲が出るのが人間というもので、「もっと飲んだらどうなるか?」と考え
始める。そして少しずつ酒量を増やしていき、他の教師たちも彼らの様子
がおかしいことに気づき始める。マーティンは長男から「最近いつも酔っ
てるね」と言われる。
主要キャスト4人の演技がとてもいい。人生につまづいた中年男性の悲哀
がよく描写されている。それにしてもマーティンの妻、あっさり不倫する
ものだなあと思った。マーティンは妻が浮気していることに勘づき問い詰
めるが、妻は「淋しかったのよ」と答える。生活がすれ違っていて淋しい
と言ってもそれはマーティンの方も同じだし、妻が夜勤ばかりなのはマー
ティンのせいではないではないか。マーティンは激怒して妻子を追い出し
てしまう。
マーティンが生徒に1週間にどれくらいビールを飲むか聞き、生徒が答え
るシーンがあってびっくりしたのだが、デンマークは18歳から飲酒でき
るそうだ。高校生も普通に飲んでいるんだな。終盤は悲しい展開になる。
まさかトミーがあんなことなるなんて。学校は悲しみに包まれる。私はト
ミーの愛犬がどうなったのか気になった。最後の方でマーティンが踊るシ
ーンがとてもいい。ラストのストップモーションも。素敵な映画だった。
良かったらこちらもどうぞ。トマス・ヴィンターベア監督作品です。
「偽りなき者」
「光のほうへ」
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ンド」。
冴えない高校教師のマーティン(マッツ・ミケルセン)とその同僚のトミー
(トマス・ボー・ラーセン)、ニコライ(マグナス・ミラン)、ピーター(ラ
ース・ランゼ)の4人は、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコー
ル濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理
論を証明するため、実験をすることに。朝から酒を飲み続け、常に酔った
状態を保つと惰性で行っていた授業も楽しくなり、生き生きとするマーテ
ィンたち。生徒たちとの関係も良好になり、人生は良い方向へ向かってい
くと思われた。しかし、実験が進むにつれて次第に制御がきかなくなって
しまう。
「偽りなき者」のトマス・ヴィンターベア監督と主演のマッツ・ミケルセ
ンが再びタッグを組んだコメディあり、シリアスありの人間賛歌。第93
回アカデミー賞国際長編映画賞他多くの賞を受賞している。冴えない高校
の歴史教師マーティンたちは、生徒から「先生の授業は退屈」と言われて
しまう。悩んだマーティンたち4人の同僚は、ノルウェー人哲学者の提唱
した理論を試してみようと思い立つ。それは「人間の血中アルコール濃度
を常に0.05%に保つと仕事の効率が良くなり、自信とやる気がみなぎる」
というものだった。ヘミングウェイと同じように夜8時以降と週末は飲酒
禁止とした上で、彼らは学校でこっそりと酒を飲むようになる。すると彼
らは授業もうまくいくようになり、生徒たちも楽しく授業を受けるように
なる。
前半はコミカルに進んでいく。マーティンは夜勤ばかりの妻とすれ違いの
生活で、子供たちともあまり会話がなく悩んでいたが、次第に明るくなっ
てきて家族の絆も戻ってくる。他の3人もそれぞれ仕事だけでなく家庭で
も問題を抱えていたが、事態は好転していく。しかし実験がうまくいけば
欲が出るのが人間というもので、「もっと飲んだらどうなるか?」と考え
始める。そして少しずつ酒量を増やしていき、他の教師たちも彼らの様子
がおかしいことに気づき始める。マーティンは長男から「最近いつも酔っ
てるね」と言われる。
主要キャスト4人の演技がとてもいい。人生につまづいた中年男性の悲哀
がよく描写されている。それにしてもマーティンの妻、あっさり不倫する
ものだなあと思った。マーティンは妻が浮気していることに勘づき問い詰
めるが、妻は「淋しかったのよ」と答える。生活がすれ違っていて淋しい
と言ってもそれはマーティンの方も同じだし、妻が夜勤ばかりなのはマー
ティンのせいではないではないか。マーティンは激怒して妻子を追い出し
てしまう。
マーティンが生徒に1週間にどれくらいビールを飲むか聞き、生徒が答え
るシーンがあってびっくりしたのだが、デンマークは18歳から飲酒でき
るそうだ。高校生も普通に飲んでいるんだな。終盤は悲しい展開になる。
まさかトミーがあんなことなるなんて。学校は悲しみに包まれる。私はト
ミーの愛犬がどうなったのか気になった。最後の方でマーティンが踊るシ
ーンがとてもいい。ラストのストップモーションも。素敵な映画だった。
良かったらこちらもどうぞ。トマス・ヴィンターベア監督作品です。
「偽りなき者」
「光のほうへ」
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