「少年は残酷な弓を射る」というイギリス映画を観にいった。
旅行作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)は、恋人のフランクリン(ジョン・C・
ライリー)との間に子供が出来、結婚する。フランクリンは普通の家庭を持ちたかったの
だが、家庭に入ったことでエヴァは物足りなさを感じていた。
やがて産まれた男の子はケヴィンと名付けられた。ケヴィンは、とても手のかかる
子供だった。とにかく泣き続け、エヴァは参ってしまうが、夫が帰宅して抱っこを
すると、すぐに泣き止むのだった。
6歳になってもおむつが取れない。エヴァには反抗ばかりする。だが父親には可愛い
笑顔を見せる。とにかく母親とはコミュニケーションを取ろうとしないのだ。
エヴァはケヴィンの悪意を感じるのだが、夫は「男の子はあんなものだよ」と言って、
まるで心配していない。
やがて女の子が産まれ、天使のように可愛い娘はエヴァの救いだった。
ケヴィン(エズラ・ミラー)は母親に反抗し、嫌みを言い続けながら、15歳の賢い美少年に
成長する。だが、家の中で起きる不幸な出来事を、エヴァはケヴィンの仕業だと確信するが、
夫に言っても「カウンセリングに行け」と異常扱いされる。
そしてあと3日で16歳になろうとするケヴィンは、ある行動に出るのだった。
冒頭で、エヴァの家に嫌がらせで赤いペンキがぶちまけられてたり、町を歩いていると
知り合いの女性にひっぱたかれたり、車椅子の少年が「歩けるようになるかもしれないと、
医者に言われました」とにこやかに話しかけてきたりする場面があって、最初はそれらの
意味がわからないのだが、後半で深い意味を帯びてくる。
なんというか、時間の流れの表現がとてもスリリングで、うまく作られた映画だなあ、と
思った。現在と過去が交錯する表現に、惹き込まれて見入ってしまう。
すごく私好みの映画だった。
妊娠中から、母になる喜びをあまり感じることが出来ない母親。それを感じ取り、反抗
し続ける息子。その態度がほんとに憎らしく、悪魔の子のように感じてしまう母親、
そして見ている私たち。
「あの子は反抗期なんだよ」と言って、いやな物は見ようとしない夫に、私はイライラした。
育児を妻に背負わせ過ぎている、よくいるタイプの父親。
この映画は、歯車のかみ合わない家族を描いた、怖い怖い映画だと思った。
胎児が母親の感情を理解しているというのは、なんと恐ろしいことか。
陰惨なこの映画の原題は「WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN」というのだが、こっちの
方が合ってると思う。観てください。おすすめです。
旅行作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)は、恋人のフランクリン(ジョン・C・
ライリー)との間に子供が出来、結婚する。フランクリンは普通の家庭を持ちたかったの
だが、家庭に入ったことでエヴァは物足りなさを感じていた。
やがて産まれた男の子はケヴィンと名付けられた。ケヴィンは、とても手のかかる
子供だった。とにかく泣き続け、エヴァは参ってしまうが、夫が帰宅して抱っこを
すると、すぐに泣き止むのだった。
6歳になってもおむつが取れない。エヴァには反抗ばかりする。だが父親には可愛い
笑顔を見せる。とにかく母親とはコミュニケーションを取ろうとしないのだ。
エヴァはケヴィンの悪意を感じるのだが、夫は「男の子はあんなものだよ」と言って、
まるで心配していない。
やがて女の子が産まれ、天使のように可愛い娘はエヴァの救いだった。
ケヴィン(エズラ・ミラー)は母親に反抗し、嫌みを言い続けながら、15歳の賢い美少年に
成長する。だが、家の中で起きる不幸な出来事を、エヴァはケヴィンの仕業だと確信するが、
夫に言っても「カウンセリングに行け」と異常扱いされる。
そしてあと3日で16歳になろうとするケヴィンは、ある行動に出るのだった。
冒頭で、エヴァの家に嫌がらせで赤いペンキがぶちまけられてたり、町を歩いていると
知り合いの女性にひっぱたかれたり、車椅子の少年が「歩けるようになるかもしれないと、
医者に言われました」とにこやかに話しかけてきたりする場面があって、最初はそれらの
意味がわからないのだが、後半で深い意味を帯びてくる。
なんというか、時間の流れの表現がとてもスリリングで、うまく作られた映画だなあ、と
思った。現在と過去が交錯する表現に、惹き込まれて見入ってしまう。
すごく私好みの映画だった。
妊娠中から、母になる喜びをあまり感じることが出来ない母親。それを感じ取り、反抗
し続ける息子。その態度がほんとに憎らしく、悪魔の子のように感じてしまう母親、
そして見ている私たち。
「あの子は反抗期なんだよ」と言って、いやな物は見ようとしない夫に、私はイライラした。
育児を妻に背負わせ過ぎている、よくいるタイプの父親。
この映画は、歯車のかみ合わない家族を描いた、怖い怖い映画だと思った。
胎児が母親の感情を理解しているというのは、なんと恐ろしいことか。
陰惨なこの映画の原題は「WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN」というのだが、こっちの
方が合ってると思う。観てください。おすすめです。