2005年のフランス・イタリア・ベルギー・日本合作映画「美しき運命の傷痕」。
夫の浮気に悩む長女ソフィ(エマニュエル・ベアール)。体が不自由で施設に
いる母親(キャロル・ブーケ)の面倒をみて、孤独な日々を送る次女セリーヌ
(カリン・ヴィアール)。年の離れた大学教授フレデリック(ジャック・ぺラン)
と不倫関係にある3女アンヌ(マリー・ジラン)。彼女たちは、22年前に起きた
悲劇によって父親を失った。そしてその悲劇は、彼女たちの人生に強い影響
を及ぼしていた。
ポーランドの名匠クシシュトフ・キェシロフスキの遺稿を映画化したものだ。
とても重い映画である。3姉妹の物語なのだが、彼女たちはそれぞれ問題を
抱えている。長女は夫の浮気に気づいていて、どうすればいいか悩み、次
女は男性不信のようなタイプで、友達もおらず、施設にいる母親の面倒を
みるだけの孤独な生活を送り、3女は妻子ある中年男性と不倫をしている
が、不倫相手から終わりにしようと言われて悩んでいる。母親役のキャロル・
ブーケの演技が圧巻。さすが大女優。この母親は口がきけず筆談をしてい
るのだが、いつも仏頂面でワガママで、次女を困らせる。その光景を見てい
ると、私だったらあんな母親の世話はできないなあ、と思う。絶対無理。会い
たくない。
3姉妹の母親は22年前に悲劇的な死に方をしていて、娘たちは未だその
トラウマから抜け出せない。この物語の中で1番かわいそうなのは父親かも
しれない。ラストで父親の死の真実がわかるのだが、それを知った母親の
返事(筆談の)は、フランス映画だなあ~、と思わせられる。アメリカ映画
ではこのラストは有り得ない。私は好きだけど。ラストシーンは強烈に心に
残った。エマニュエル・ベアールも相変わらず美しい。
この映画、原題は「地獄」である。ちっとも美しい運命じゃないのに、変な
邦題をつけるものだ。
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夫の浮気に悩む長女ソフィ(エマニュエル・ベアール)。体が不自由で施設に
いる母親(キャロル・ブーケ)の面倒をみて、孤独な日々を送る次女セリーヌ
(カリン・ヴィアール)。年の離れた大学教授フレデリック(ジャック・ぺラン)
と不倫関係にある3女アンヌ(マリー・ジラン)。彼女たちは、22年前に起きた
悲劇によって父親を失った。そしてその悲劇は、彼女たちの人生に強い影響
を及ぼしていた。
ポーランドの名匠クシシュトフ・キェシロフスキの遺稿を映画化したものだ。
とても重い映画である。3姉妹の物語なのだが、彼女たちはそれぞれ問題を
抱えている。長女は夫の浮気に気づいていて、どうすればいいか悩み、次
女は男性不信のようなタイプで、友達もおらず、施設にいる母親の面倒を
みるだけの孤独な生活を送り、3女は妻子ある中年男性と不倫をしている
が、不倫相手から終わりにしようと言われて悩んでいる。母親役のキャロル・
ブーケの演技が圧巻。さすが大女優。この母親は口がきけず筆談をしてい
るのだが、いつも仏頂面でワガママで、次女を困らせる。その光景を見てい
ると、私だったらあんな母親の世話はできないなあ、と思う。絶対無理。会い
たくない。
3姉妹の母親は22年前に悲劇的な死に方をしていて、娘たちは未だその
トラウマから抜け出せない。この物語の中で1番かわいそうなのは父親かも
しれない。ラストで父親の死の真実がわかるのだが、それを知った母親の
返事(筆談の)は、フランス映画だなあ~、と思わせられる。アメリカ映画
ではこのラストは有り得ない。私は好きだけど。ラストシーンは強烈に心に
残った。エマニュエル・ベアールも相変わらず美しい。
この映画、原題は「地獄」である。ちっとも美しい運命じゃないのに、変な
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