2008年の台湾映画「九月に降る風」。
1996年の夏、台湾の新竹市。高校3年生のイェン(リディアン・ヴォーン)やタン
(チャン・チエ)ら7人は、ポケベルで連絡を取り合っていつもつるみながら、何か
騒動を起こしては教官室に呼び出される問題児グループだった。彼らの共通点は、
時報イーグルスのスター打者、リャオ・ミンシュンの熱狂的なファンであったこと。
不良グループ扱いをされる7人を心配するペイシン(チー・ペイホイ)や、イェンの
恋人であるユン(ジェニファー・チュウ)も入り乱れ、9人は複雑な人間関係へと突入
していく。その一方で、世間では野球賭博に絡んだ時報イーグルスの八百長疑惑で
激しく揺れていた。
すっごく良かった。7人の男子高校生と2人の女子高生の青春映画である。
7人の少年たちは少し素行が悪く、度々学校にいる教官から呼び出しをくらっている。
「またいつものメンバーね」と言われる。でもそんなに悪い子たちではなく、見て
いるとなんだか日本の高校生を連想する。誰かの家に夜遅くまでいておしゃべりを
したり、ゲームをしたり、ビールを飲んだり、バイクで出かけたり(台湾の高校生って
バイクに乗ってる人が多いんだなあ)、ナンパしたり、デートをしたり、プロ野球の
試合を見にいったり、勉強したり。
学校の雰囲気(校舎のデザインとか制服とか)も日本によく似ている。ついでに顔も
ほとんど日本人と同じなので、とても親近感が湧く。浮気症のイェンにやきもきする
ユンだが、本当はイェンはユンを愛している。そしてタンもユンにほのかな想いを
抱いている。ずっと続くかに思えた彼らの日常に、ある出来事が起き、彼らの心の
バランスが崩れていく。
この映画は2008年の作品なのだが、1996年が舞台になっている。その年、台湾で
プロ野球の八百長疑惑事件が起き、国民の大きな関心となったらしい。何度かその
ニュースの場面があるのだが、本当のニュース映像だと思う。イェンたちも、好きな
選手や球団に裏切られた思いで、野球から離れていく。それが物語の中で大きな軸に
なっていると思った。
ラストシーンがまた良かった。最後に野球選手が出て来るのだが、その人は本物の
リャオ・ミンシュン選手で、ゲスト出演をしている。その人に「ピッチャーできる?」
と聞かれたタンが、喜んでボールを投げるシーンで終わるのだが、それがすごく
良かった。映画の好きなラストシーンの上位に入るな、私の中で。
あ~この映画、映画館で観たかったなあ。すごく残念。私は華流マニアなので香港や
台湾の映画をよく観るのだが、その中でもとても好きな映画だ。切なくて、悲しくて、
それでいてキラキラして瑞々しい、そんな映画だった。
1996年の夏、台湾の新竹市。高校3年生のイェン(リディアン・ヴォーン)やタン
(チャン・チエ)ら7人は、ポケベルで連絡を取り合っていつもつるみながら、何か
騒動を起こしては教官室に呼び出される問題児グループだった。彼らの共通点は、
時報イーグルスのスター打者、リャオ・ミンシュンの熱狂的なファンであったこと。
不良グループ扱いをされる7人を心配するペイシン(チー・ペイホイ)や、イェンの
恋人であるユン(ジェニファー・チュウ)も入り乱れ、9人は複雑な人間関係へと突入
していく。その一方で、世間では野球賭博に絡んだ時報イーグルスの八百長疑惑で
激しく揺れていた。
すっごく良かった。7人の男子高校生と2人の女子高生の青春映画である。
7人の少年たちは少し素行が悪く、度々学校にいる教官から呼び出しをくらっている。
「またいつものメンバーね」と言われる。でもそんなに悪い子たちではなく、見て
いるとなんだか日本の高校生を連想する。誰かの家に夜遅くまでいておしゃべりを
したり、ゲームをしたり、ビールを飲んだり、バイクで出かけたり(台湾の高校生って
バイクに乗ってる人が多いんだなあ)、ナンパしたり、デートをしたり、プロ野球の
試合を見にいったり、勉強したり。
学校の雰囲気(校舎のデザインとか制服とか)も日本によく似ている。ついでに顔も
ほとんど日本人と同じなので、とても親近感が湧く。浮気症のイェンにやきもきする
ユンだが、本当はイェンはユンを愛している。そしてタンもユンにほのかな想いを
抱いている。ずっと続くかに思えた彼らの日常に、ある出来事が起き、彼らの心の
バランスが崩れていく。
この映画は2008年の作品なのだが、1996年が舞台になっている。その年、台湾で
プロ野球の八百長疑惑事件が起き、国民の大きな関心となったらしい。何度かその
ニュースの場面があるのだが、本当のニュース映像だと思う。イェンたちも、好きな
選手や球団に裏切られた思いで、野球から離れていく。それが物語の中で大きな軸に
なっていると思った。
ラストシーンがまた良かった。最後に野球選手が出て来るのだが、その人は本物の
リャオ・ミンシュン選手で、ゲスト出演をしている。その人に「ピッチャーできる?」
と聞かれたタンが、喜んでボールを投げるシーンで終わるのだが、それがすごく
良かった。映画の好きなラストシーンの上位に入るな、私の中で。
あ~この映画、映画館で観たかったなあ。すごく残念。私は華流マニアなので香港や
台湾の映画をよく観るのだが、その中でもとても好きな映画だ。切なくて、悲しくて、
それでいてキラキラして瑞々しい、そんな映画だった。