2023年のイギリス映画「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」を
観に行った。
ロンドンに住むユダヤ系イギリス人のニコラス・ウィントン(ア
ンソニー・ホプキンス)は、アドルフ・ヒトラーが率いるナチス
の政策に疑問を抱いていた。チェコスロバキアを訪れたニコラス
は、支配を進めるナチスから逃れたユダヤ人を受け入れる難民施
設の過酷な状況を目にして、子供だけでも助けようと決意する。
チェコキンダートランスポートという組織を立ち上げ、ユダヤ人
の子供たちを次々と同国から脱出させるが、ドイツのポーランド
侵攻によって第2次世界大戦が勃発する。
ドイツの実業家、オスカー・シンドラーのように、日本の外交官
杉原千畝のように、多くのユダヤ人の命を救った人がイギリスに
もいた。地味だがとても感動的な映画だった。ロンドンで株の仲
買人として働き、充実した人生を送っていた青年、ニコラス・ウ
ィントン(青年期/ジョニー・フリン)は大勢のユダヤ人難民が、
プラハで住まいも食料もないに等しい生活を送っているのを目の
当たりにし、子供たちだけでもイギリスに避難させられないかと
考え、同じ志を持つ者たちとチームを組み、里親探しと資金集め
に奔走する。
ナチスの侵攻が迫る中、ニコラスと同志たちは次々と子供たちを
イギリス行きの列車に乗せる。だが、ついに開戦の日が訪れる。
ニコラスと同志たち、ニコラスの母親・バベット(ヘレナ・ボナ
ム=カーター)が協力して子供たちの里親を探すシーンは胸に迫
るものがある。「こちらの夫婦は女の子を希望している」「こち
らの夫婦は小さい男の子を希望している」とそれぞれの家庭の希
望に沿って子供たちを振り分け、条件が合った子供たちをイギリ
ス行きの列車に乗せる。どんなにか大変だっただろう。
そうしてニコラスたちは669人の子供たちをナチスから救った。
しかし、戦争が始まったために救えなかった子供たちもいた。ニ
コラスは50年間、その子供たちのことが忘れられず、自分を責め
続けていた。そんなニコラスに妻・グレーテ(レナ・オリン)は寄
り添い、「自分を許してあげて」と言うのだった。そんなニコラ
スの元に、BBCからテレビ番組「ザッツ・ライフ!」の収録に
参加して欲しいと連絡が入る。ニコラスがユダヤ人の子供たちを
救ったことに関するスクラップ・ブックがテレビ局の目にとまり、
出演して欲しいと言ってきたのだ。
終盤は本当に感動的。多くの人が座っているスタジオにニコラス
とグレーテも座っていたが、その人々の中にはニコラスに救出さ
れた人がたくさんいたのだ。もちろん皆もう年を取っている。ニ
コラスは驚く。そして翌週またテレビに出て欲しいと言われる。
今度は司会者が「この中でニコラス・ウィントンさんに助けられ
た人は起立してください」と言うと、スタジオにいる全員が立ち
上がったのだ。ニコラスはまた驚き、感動の涙を流す。彼らの子
孫たちは6000人にのぼるという。ニコラスは助けられなかった
子供たちを思い、「もっと何かできたはずだ」と苦悩し続けたが、
それだけの命を救っていたのだった。
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観に行った。
ロンドンに住むユダヤ系イギリス人のニコラス・ウィントン(ア
ンソニー・ホプキンス)は、アドルフ・ヒトラーが率いるナチス
の政策に疑問を抱いていた。チェコスロバキアを訪れたニコラス
は、支配を進めるナチスから逃れたユダヤ人を受け入れる難民施
設の過酷な状況を目にして、子供だけでも助けようと決意する。
チェコキンダートランスポートという組織を立ち上げ、ユダヤ人
の子供たちを次々と同国から脱出させるが、ドイツのポーランド
侵攻によって第2次世界大戦が勃発する。
ドイツの実業家、オスカー・シンドラーのように、日本の外交官
杉原千畝のように、多くのユダヤ人の命を救った人がイギリスに
もいた。地味だがとても感動的な映画だった。ロンドンで株の仲
買人として働き、充実した人生を送っていた青年、ニコラス・ウ
ィントン(青年期/ジョニー・フリン)は大勢のユダヤ人難民が、
プラハで住まいも食料もないに等しい生活を送っているのを目の
当たりにし、子供たちだけでもイギリスに避難させられないかと
考え、同じ志を持つ者たちとチームを組み、里親探しと資金集め
に奔走する。
ナチスの侵攻が迫る中、ニコラスと同志たちは次々と子供たちを
イギリス行きの列車に乗せる。だが、ついに開戦の日が訪れる。
ニコラスと同志たち、ニコラスの母親・バベット(ヘレナ・ボナ
ム=カーター)が協力して子供たちの里親を探すシーンは胸に迫
るものがある。「こちらの夫婦は女の子を希望している」「こち
らの夫婦は小さい男の子を希望している」とそれぞれの家庭の希
望に沿って子供たちを振り分け、条件が合った子供たちをイギリ
ス行きの列車に乗せる。どんなにか大変だっただろう。
そうしてニコラスたちは669人の子供たちをナチスから救った。
しかし、戦争が始まったために救えなかった子供たちもいた。ニ
コラスは50年間、その子供たちのことが忘れられず、自分を責め
続けていた。そんなニコラスに妻・グレーテ(レナ・オリン)は寄
り添い、「自分を許してあげて」と言うのだった。そんなニコラ
スの元に、BBCからテレビ番組「ザッツ・ライフ!」の収録に
参加して欲しいと連絡が入る。ニコラスがユダヤ人の子供たちを
救ったことに関するスクラップ・ブックがテレビ局の目にとまり、
出演して欲しいと言ってきたのだ。
終盤は本当に感動的。多くの人が座っているスタジオにニコラス
とグレーテも座っていたが、その人々の中にはニコラスに救出さ
れた人がたくさんいたのだ。もちろん皆もう年を取っている。ニ
コラスは驚く。そして翌週またテレビに出て欲しいと言われる。
今度は司会者が「この中でニコラス・ウィントンさんに助けられ
た人は起立してください」と言うと、スタジオにいる全員が立ち
上がったのだ。ニコラスはまた驚き、感動の涙を流す。彼らの子
孫たちは6000人にのぼるという。ニコラスは助けられなかった
子供たちを思い、「もっと何かできたはずだ」と苦悩し続けたが、
それだけの命を救っていたのだった。
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実話に基づいてるのかしら。
シンドラーの映画は今も忘れられない映画なので、この映画もきっとそういう映画なんでしょうね。
どこかで見れるのかしら。
良い映画を紹介していただきました。
コメントありがとうございます。本当にいい映画でした。
実話だそうです。シンドラーのリストも良かったですねえ。
私はホロコーストに関する映画に興味があり、つい観てしまいます。
いつか観れたら良いですね😊
ジョニー・フリンがニコラス・ウィントンの青年期を演じるんですね。
若い方の俳優は知りませんがアンソニーホプキンズは有名俳優です。
2023年の映画なら、85歳ぐらいですね。頑張ってますね。
多くのユダヤ人の命を救った人で有名なのは、『シンドラーのリスト』というタイトルで映画化されたオスカー・シンドラーが有名ですね。
日本では杉原千畝が有名で、映画『杉原千畝 スギハラチウネ』がありますね。
なお、イギリス人のニコラス・ウィントンの事は知らなかったです。
チェコスロバキアのプラハに訪れたニコラスは、大勢のユダヤ人難民が住まいも食料も無い貧乏生活を送っているのを知ったので、子供達だけでもイギリスに避難させようと思いついたんですね。
同じ志を持つ人達とチームを組み、里親探しと資金集めをするんですね。
今みたいにネットの無い時代に同じ志の人を探すのも、資金集めはクラウドファンディングも無いし大変ですね。
チェコスロバキアに訪れたのはユダヤ人難民の事が心配で訪れたのか、あるいは、それとは関係なくビジネスで訪れたのかどっちでしょう…。
たまたま、イヤな実情を目の当たりにし、正義に目覚めたのでしょうか…。
ニコラスと同志の他にニコラスの母親も仲間なんですね。
子供たちの里親を探すのに年代の違う母親も協力しているんですね。
669人の子供たちを開戦前にナチスから救ったのは凄いですね。
第2次世界大戦が始まったために救えなかった子供達もいたんですね。
戦争が開始時はチョコスロバキアでなく、ポーランドにドイツが侵攻しているのに、戦争が始まると何故、チェコスロバキアから救うのが困難なのでしょうかね。開戦はポーランドなのに…。
全体的に交通ルートが途絶えるんでしょうかね。
ニコラスは50年間、救いそびれた子供達の事を後悔しながら生きるんですね。
ニコラスの妻のグレーテはそんなニコラスを慰めていたんですね。
BBCのテレビ番組「ザッツ・ライフ!」の収録に参加して欲しいと連絡が入る時のニコラスは、もう老人ですね。
ニコラスに救出された人も50代60代になってますね。
過去に助けた子供が今も生きて、孫とかも居て、充実した人生を歩んでいる事が分かって良かったですね。救ったのは669人でも子孫もできて、多くの人の命と誕生に関わってますね。
なかなかいい話ですね…(*'ω'*)
コメントありがとうございます。アンソニー・ホプキンスは名優ですね。
いつまでも頑張って欲しいです。
多くのユダヤ人を救った人といえば、オスカー・シンドラーや杉原千畝が有名ですね。
私もこのニコラス・ウィントンという人は知りませんでした。
ニコラスがチェコスロバキアに行った理由は、見逃したのかもしれないけど、
わかりません。そこでユダヤ人たちの惨状を見て、ユダヤ人の血が流れているニコラスは
子供だけでも助けたいと思ったんですね。
子供たちがわっと寄ってきて、ポケットにあったチョコレートを割って
みんなに与えるシーンは印象的でした。
当然もらえない子もいて、「もう何もないんだ、ごめんね」と言って…
本当にあの時代に資金集めと里親探しをするのは大変だったと思います。
同志たちもニコラスの母親も、素晴らしいことをしたと思います。
それでも助けられなかった子供たちのことを50年思い続けていたんですね…
テレビ番組「ザッツ・ライフ!」のシーンは本当に感動的です。
あのシーンはアンソニー・ホプキンスも感動を抑えられなかったと言っていました。
ニコラスに助けられた子供たち(もう初老ですね)は自分たちのことを
ニッキーズ・チルドレンと呼び、ずっと交流があったそうです。
ニコラスも近年亡くなっていますが(かなり長生きしたようです)、
その人たちを家に招いたりして、交流を続けたようです。
本当に感動的な映画でした。