2009年のアメリカ・ドイツ合作映画「狂気の行方」。
サンディエゴの閑静な住宅街で殺人事件が起きる。実母を殺した
ブラッド・マッカラム(マイケル・シャノン)は何者かを人質にと
って自宅に立てこもる。ヘイヴンハースト刑事(ウィレム・デフ
ォー)らはブラッドの説得にあたる一方で、現場に駆け付けたブ
ラッドの婚約者イングリッド(クロエ・セヴィニー)やブラッドを
よく知る舞台演出家のリー・マイヤーズ(ウド・キア)、そして事
件現場となった向かいの家の住人ロバーツ母娘から、事件に至る
経緯を聞く。
1979年にアメリカで実際に起きた実母殺害事件から着想を得た、
サイコ・サスペンス。監督はヴェルナー・ヘルツォーク、製作総
指揮にデヴィッド・リンチ。過干渉な母親と2人暮らしで極度な
マザコンだったブラッドは、ペルーに行ってから人が変わったよ
うになり、異常な言動を繰り返していた。また、舞台俳優だった
ブラッドはギリシア悲劇の主演俳優として稽古に参加していたが、
母殺しの役を演じる中で更に言動が異常なものとなっていき、遂
には役を下ろされてしまう。
ブラッドの異常さに恐怖を感じた母親は、ある朝、向かいのロバ
ーツ家にブラッドと共にやってくる。ところがロバーツ母娘と4
人でコーヒーを飲んでいる最中、ブラッドは舞台で使うつもりで
叔父からもらった剣で母親を殺してしまう。海外に旅行したのを
きっかけに人が変わったようになるというのはたまに聞く話だが、
そこまで影響を受けるともはや精神病なのではないかと思う。帰
国してからブラッドは自分が演じるギリシア悲劇の主人公と自分
を重ね合わせていたのではないかと思う。
主人公がどうして母親を殺すのかはわからないが、ブラッドは日
頃から過干渉な母親とマザコンである自分に嫌気がさしていたの
ではないだろうか。そして母親を殺し、自宅に人質をとって立て
こもってしまう。ヘイヴンハースト刑事は説得にあたるが、ブラ
ッドはピザを注文しろなどと言い、ヘイヴンハースト刑事は銃を
置いてブラッドにピザを渡す。ブラッドの目的が何なのかわから
ず、刑事たちは困惑する。ブラッドの婚約者のイングリッドや舞
台演出家たちがやってくるが、イングリッドは極度なマザコンの
ブラッドとよく婚約する気になったなあと思う。
私はヴェルナー・ヘルツォーク監督の映画を知らないので、この
映画がヘルツォーク監督らしい映画なのかわからない。私から見
ればデヴィッド・リンチ・ワールドだ。色使いなんかも、ブラッ
ドの異常な表情なんかも。ブラッドは間違いなく統合失調症だと
思う。実際の母殺し事件に着想を得ているそうだが、どこまで参
考にしているのだろう。オチまで一緒だったとしたら、その事件
の犯人は相当頭がおかしい。まさか一緒ではあるまい。デヴィッ
ド・リンチの妙な映画、という感じだったが、それほどおもしろ
くなかった。
映画評論・レビューランキング
人気ブログランキング
サンディエゴの閑静な住宅街で殺人事件が起きる。実母を殺した
ブラッド・マッカラム(マイケル・シャノン)は何者かを人質にと
って自宅に立てこもる。ヘイヴンハースト刑事(ウィレム・デフ
ォー)らはブラッドの説得にあたる一方で、現場に駆け付けたブ
ラッドの婚約者イングリッド(クロエ・セヴィニー)やブラッドを
よく知る舞台演出家のリー・マイヤーズ(ウド・キア)、そして事
件現場となった向かいの家の住人ロバーツ母娘から、事件に至る
経緯を聞く。
1979年にアメリカで実際に起きた実母殺害事件から着想を得た、
サイコ・サスペンス。監督はヴェルナー・ヘルツォーク、製作総
指揮にデヴィッド・リンチ。過干渉な母親と2人暮らしで極度な
マザコンだったブラッドは、ペルーに行ってから人が変わったよ
うになり、異常な言動を繰り返していた。また、舞台俳優だった
ブラッドはギリシア悲劇の主演俳優として稽古に参加していたが、
母殺しの役を演じる中で更に言動が異常なものとなっていき、遂
には役を下ろされてしまう。
ブラッドの異常さに恐怖を感じた母親は、ある朝、向かいのロバ
ーツ家にブラッドと共にやってくる。ところがロバーツ母娘と4
人でコーヒーを飲んでいる最中、ブラッドは舞台で使うつもりで
叔父からもらった剣で母親を殺してしまう。海外に旅行したのを
きっかけに人が変わったようになるというのはたまに聞く話だが、
そこまで影響を受けるともはや精神病なのではないかと思う。帰
国してからブラッドは自分が演じるギリシア悲劇の主人公と自分
を重ね合わせていたのではないかと思う。
主人公がどうして母親を殺すのかはわからないが、ブラッドは日
頃から過干渉な母親とマザコンである自分に嫌気がさしていたの
ではないだろうか。そして母親を殺し、自宅に人質をとって立て
こもってしまう。ヘイヴンハースト刑事は説得にあたるが、ブラ
ッドはピザを注文しろなどと言い、ヘイヴンハースト刑事は銃を
置いてブラッドにピザを渡す。ブラッドの目的が何なのかわから
ず、刑事たちは困惑する。ブラッドの婚約者のイングリッドや舞
台演出家たちがやってくるが、イングリッドは極度なマザコンの
ブラッドとよく婚約する気になったなあと思う。
私はヴェルナー・ヘルツォーク監督の映画を知らないので、この
映画がヘルツォーク監督らしい映画なのかわからない。私から見
ればデヴィッド・リンチ・ワールドだ。色使いなんかも、ブラッ
ドの異常な表情なんかも。ブラッドは間違いなく統合失調症だと
思う。実際の母殺し事件に着想を得ているそうだが、どこまで参
考にしているのだろう。オチまで一緒だったとしたら、その事件
の犯人は相当頭がおかしい。まさか一緒ではあるまい。デヴィッ
ド・リンチの妙な映画、という感じだったが、それほどおもしろ
くなかった。
映画評論・レビューランキング
人気ブログランキング
コメントありがとうございます。すっかりお返事が遅くなってすみません。
ブラッドのような変な人によく婚約者がいたものだと、私も思います。
マザコンはご免こうむりたいですね。
三島由紀夫のその話は聞いたことがあります。
ブラッドも演じている役にのめり込んでいったのでしょうね。
またペルーで何があったのでしょうね…元々感化されやすい人なのかもしれませんね。
母親を殺した後に人質をとって自宅に立てこもりますが、その人質は実はロバーツ母娘ではないんです。
人質の正体はラストまでわからないのですが、とても意外な者です。
ここでもブラッドの異常性がわかります。
ブラッドは精神病だと思います。
ラストはとてもあっけないです。
こんな変な人によく婚約者がいましたね。
マザコンは女性が一番嫌うタイプじゃないでしょうか…。
ギリシア悲劇の主演俳優として役の中で母親を殺すうちに、
自分の母親にウンザリ感を覚えている主人公ブラッドは、本当に殺したくなったんですね。
役でやるうちに願望が増幅されるケースは実際にあるといいます。
三島由紀夫は自衛隊の中で切腹して自殺しました。
そんな三島由紀夫は役者としても活躍していました。
三島由紀夫の自作小説「憂国」を映画化した映画「憂国」で見事に切腹シーンを演じています。
自身の作品の主人公にのめりこんでしまったとも言われてます。
この話の主人公も演じているうちにおかしくなっていたんでしょうね。
演じている役にのめりこんでしまったんでしょう。
ペルーに行った事もおかしくなった要因のようですが、ペルーでいったい何があったのか気になります。
チベットなら鳥葬という鳥に死骸を始末させる衝撃的な葬式が存在しますが、
ペルーで精神に影響を与えそうな衝撃に関してはピンと来ないです。
向いのロバーツ母娘と4人でコーヒーを飲んでいる最中
ブラッドは母親を舞台で使うつもりの剣で刺し殺したという事は、
ローバツ母娘の目の前で、殺したのですよね?
全然、犯行を隠す気もないんですね。
又、自宅に人質をとって立てこもりしたそうですが、その人質はローバツ母娘なんですよね。
刑事たちがブラッドに応対している際に婚約者とかも来るんですね。
ブラッドに婚約者がいるのは不思議ですね。
確かにブラッドは、精神病かもしれませんね。
ペルーに行ったり、舞台で母親殺しをやる役でも影響受けすぎです。