猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

シチリア・サマー

2024-08-11 21:43:55 | 日記
2022年のイタリア映画「シチリア・サマー」。

1982年、初夏のイタリア・シチリア島。バイク同士で衝突し、気を
失った17歳のジャンニ(サムエーレ・セグレート)に、16歳のニーノ
(ガブリエーレ・ピッツーロ)が駆け寄る。生い立ちも性格も異なる
2人は惹かれ合い、芽生えた友情は激しい恋へと変化していく。一緒
に花火を打ち上げたり、秘密の約束を交わしたりするなど、2人で過
ごすかけがえのないひとときは、しかし、ある日突然終わりを迎える。

実話を基に、少年たちの初恋を描くラブストーリー。舞台は1982年
初夏、16歳のニーノはバイク同士でぶつかり、気絶して息もできな
くなった17歳のジャンニに駆け寄り、人工呼吸を施し命を救う。2
人は育ちも性格もまるで違うが、この運命的な出会いをきっかけに、
友情が芽生え瞬く間に激しい恋へと変化していく。ニーノの家族は両
親と姉、姉の幼い息子。家族は庭で昼食を摂るが、ニーノの両親はニ
ーノに卒業祝いのプレゼント、オートバイを用意していた。
両親や親戚からたくさんの愛情を注がれ、明るく素直に成長したニー
ノはさっそくバイクの試運転に出かける。一方別の町で整備工場に勤
めるジャンニは、ゲイであることをからかわれていた。その頃、ジャ
ンニは町から遠く離れた客の家に、バイクを納車しに行くよう指示さ
れる。ジャンニは出かけようとするが、知り合いの男から体の関係を
迫られ、激しく抵抗したジャンニは納車するバイクで走り出す。激怒
した男はバイクで追いかけ、しつこく絡んでくる。そこへ帰宅途中の
ニーノと出くわし、道に倒れ込む。男は逃げるが、呼吸が苦しそうな
ジャンニにニーノは人工呼吸を施す。
そして自分の不注意だったからと、何かあったらすぐに連絡するよう
にと、連絡先を書いたメモをニーノはジャンニに手渡す。ジャンニも
得意先へ無事バイクを納車し、帰宅する。ジャンニはまた問題を起こ
したら矯正院へ送り返すと、整備工場の経営者から言われていた。ジ
ャンニはバスに乗ってニーノの家へ行き、花火師であるニーノの父親
にここで働かせて欲しいと頼む。父親は花火師の仕事は間に合ってい
るが、別の仕事を紹介すると約束する。そしてニーノの家族と昼食を
食べ、ニーノに「いい家族だね」と言う。
ニーノの父親は自分の兄が責任者をしている採石場で働くよう勧める。
ニーノはジャンニの仕事が終わる頃やってきて、ニーノが独り占めし
て泳いでいる川の入り江に連れて行く。そこで泳いだり、ニーノは自
分の夢は花火師の父親の跡を継ぐことだと話したりする。2人の友情
が恋に変わるのに時間はかからなかった。2人はかけがえのない時間
を共にするが、彼らがゲイだという噂が流れる。40年前のイタリア
は保守的だったのだろうか。宗教的なものもあったのかもしれないが、
同性愛者は嫌悪されていたようだ。シチリアの青い空と海、新緑、美
しい風景がたくさん見られるからこそ、ラストシーンは悲惨だ。これ
が実話だと思うと尚更かわいそうである。何故2人の少年はあんな目
に遭わなければならなかったのだろう。重たい映画だった。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (クリン)
2024-08-12 08:30:24
モニカベルッチの映画「マレーナ」とかの印象と重なりました~シチリアって特別保守的(っていうか昔ながら)なかんじがします💡カトリックがちゃんと守られている的な・・
重たいラストでしたか・・🐻⤵⤵
返信する
Unknown (杏子)
2024-08-12 17:47:23
>クリンさん
コメントありがとうございます。私は「マレーナ」を観ていないのでよくわかりませんが、
イタリアはカトリック教国ですからね。
シチリアは特に保守的なのでしょうか…
ラストは重たくて、それはそれは悲惨です。これが実話だと思うと…😢
返信する
40年前と今の差… (ウラジーミル・アスポン)
2024-08-13 00:07:38
今からじゃ信じられないほど同性愛への風当たりは強かったんですね。
日本じゃこの頃よりもう少し前の70年代後半から同性愛のマンガ流行った時期です。
1982年は、日本では、なめ猫とか流行った時期で、不良ブームでした。

シチリアは未だかなり遅れていたのかもしれません。

バイク事故を切っ掛けに急接近するんですね。
バイク事故で気絶していて、人工呼吸という発想はいったい…(^^;。
バイク事故で気絶なら、人工呼吸よりまず、医院に連れていきます。
人工呼吸という発想になるのは、水辺での事故ですね…。

ジャンニは最初からゲイで、ニーノはジャンニの影響でゲイになった感じはしますね。
ニーノの家族は両親も揃っているし、姉や姉の幼い息子もいて、明るい家庭のようですね。
一方、ジャンニは、家庭環境がよくないでしょう。だからゲイになりやすい感じはします。
整備工場で働くジャンニは、ゲイである事をからかれたり、知り合いの男からしつこく身体の関係を迫られてますね。ニーノと会う前からゲイですね。
納車するバイクで迫ってくるしつこい男から逃げ、ホモ男もバイクで追いかけてくる時、事故になったんですね。

ジャンニは、当初は、ニーノの家族にも普通に迎えられてますね。
別に普通の友人関係だと思ったので、息子の友人として歓迎したんでしょうね。
ニーノの父親に花火師の仕事は駄目でも、採石場で働くよう勧められているんですね。

ジャンニはニーノは川で泳いだりして、ニーノが花火師になる夢を語るなどするうちに
打ちとけて、だんだん同性愛の感情にかわっていくんですね。
でも当時のシチリアでは同性愛を許さない空気なんですね。
それがバレて、2人は、徹底的に責められるわけですね。

これが実話だったそうですね。調べたところ、未解決事件だそうですね。
いくらなんでも、こんな目に遭うのは酷いですね。
ばかにされるぐらいならまだ…((+_+))。
返信する
Unknown (杏子)
2024-08-13 03:04:33
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。70年代はBLものの漫画がはやりましたね。
時代のせいなのか、シチリアという土地柄のせいなのか、同性愛は嫌悪されたようですね。

ジャンニの呼吸が苦しそうだったので、ニーノは人工呼吸をしたんですよ。
そんなに変ですか?ウラジーミルさんは細かいことが気になるタイプみたいですね。

ジャンニは元々ゲイですね。以前にも男の子と問題を起こしたことがあって、
母親はそのことでジャンニを非難します。
母親はニーノの母親に「あなたの息子さんはまだ引き返せる」と
電話をします。悪いことみたいですよね…

2人は川で泳いだり、ニーノの父親がぜんそくなので代わりにお祭りで
花火を打ち上げたりして親睦を深めます。
でもこの2人は同性愛になるべくしてなったという感じがします。
バイク事故が運命的な出会いだったのだと思います。

でもそんな日々は突然終わりを迎えるんですね…
未解決事件だそうです。ひどいですよね。
こんな目に遭うことはなかったのに。かわいそうでなりません。
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