第1話
『完全復活・古美門研介!
すべては依頼人のために無敗の弁護士が
非道の悪人に立ち向かう!』
安藤貴和と面会する磯貝弁護士。
磯貝は一度も負けたことがない弁護士として
古美門のことを教える。
「あの男の手にかかれば、たとえ殺人犯だろうと無罪になる。」
法廷で歌う古美門は、
恋愛問題が発覚したアイドルに騙されたと訴えたファンの弁護。
騙してCDを売っていると詰め寄る。
「虚偽の情報によって不正に商品を販売したことは明らかです。
CD、写真集、コンサートチケット、その他原告団一同が
これまであなたに騙し取られた総額及び
精神的苦痛に対する慰謝料合わせて
5,800万円を支払うのは当然であります。」
「るんるんは、めろんこ愛を届けていたつもりです。」
「涙が出ていないようですので目薬をお貸ししましょうか?
そうやって安っぽい演技をしていれば
いい年こいてアイドルに入れ揚げているキモオタ共なんて
簡単に騙せると思ってるんでしょ!
バカにするのもいい加減にしたまえ!!」
そして古美門は優秀なるパートナー弁護士に
質問を代わってもらうと言い、
黛が質問しようとすると「君じゃない!」と止められる。
出て来たのは羽生。
羽生は人情に訴え、アイドルに全額支払うと言わせた。
「彼は、あれ計算でやってるんでしょうか?」
「いや、天然の人たらしだ。」
帰って祝勝会をする古美門たち。
羽生は写真を撮りまくり。
その羽生は今日で弁護士職務経験を終え、
検察へ戻るとのこと。
「じゃあ、いつかまた。 みなさん、ありがとうございました。
古美門先生、最後に1つ質問してもいいですか?」
「ああ。」
「何故そこまで勝利に拘るんですか?」
「勝たなければ意味がないからだ。
あらゆる手を使い、容赦なく相手を叩きのめし勝つ。
それが全てだ。」
「もし負けたら?」
「私が負ける日など来ない。」
「万が一。」
「当然弁護士を辞めるだろうね。
負け犬に存在価値はないのだから。
人間もやめちゃうかもしれないね。」
「ありがとうございました。」
三木の事務所では、磯貝が降りたいと申し出ていた。
クライアントからクビと言われたと。
その頃、黛が「来た~!!」と古美門の元へ駆け込む。
「面倒臭いが一応 聞こう。 何が来た?」
「滅茶苦茶骨のある案件ですよ。」
東京拘置所の面会室にいる古美門と黛。
「2年前、運輸会社社長・徳永光一郎とその娘が
自宅で倒れているのが発見される。
光一郎は死亡。
当時、小学5年生の娘・さつきは一命を取り留めたものの重体。
現在も事件のショックで心を閉ざしている。
その後、警察の捜査で夕食のスープに
青酸化合物が混入していたことが判明。
4ヶ月後、光一郎の交際相手元事務員の安藤貴和が逮捕される。
光一郎の保険金5,000万円の受取人であった。
貴和には二度の結婚歴があるが最初の夫は不審死。
二度目の夫は自殺を遂げており、
共に高額な保険金を受け取っている。
光一郎の妻が病死した直後に交際を始め、
これまでに現金、車、マンション、
その他総額1億円以上を貢がせていたことが判明。
世紀の悪女としてマスコミを賑わす。
貴和は一貫して犯行を否認するも、事件当夜、
徳永家の勝手口付近における貴和の目撃証言が多数。
また貴和の自宅から犯行に使われた
青酸化合物と同一の物が発見される。
一審判決死刑。」
「日本中が万歳三唱した。 出るべくして出た判決だな。」
「現在二審の最中ですが
一審を維持する判決が出るのは間違いないでしょう。」
「妥当だね。」
「そうでしょうか? 過去の疑惑や世論に煽られて
不当に重い判決が出ているのでは。」
そこへ貴和がやって来た。
「ホントにやってないんです。
誰も私を信じてくれない。」
「そうでしょうね。
安い小芝居しとけば同情が買えると思っているアバズレでは。」
「無罪にしてよ。」
「動機、状況証拠、物的証拠全てが揃ってる。
どこからどう見てもあなたは真っ黒だ。」
「でも死刑判決は私も行き過ぎだと思います。
量刑を減刑する方向で―」
「あなたバカ? 無罪にしてと言ってんの。」
「安藤さん。 反省すべきは反省し
更生の可能性を示して極刑を回避するというのが―」
「この幼稚園児黙らして。」
「お口にチャック。」
「私はね ホントに やってないのよ。」
「問題はやっているかいないかではない。
私に幾ら払えるかです。 全ては金だ。」
古美門は2億円を要求。
勿論、貴和はそんなお金ある訳ないと言うが、
またカモを見つけて貢がせればいいと古美門。
すると貴和は自分のカモになってみないかと
色仕掛けで値切り始めた。
「私、精一杯のご奉仕をするわ。」
「やめたまえ。」
「ずっと牢屋の中で私もたまってんのよ。
我慢出来ない。」
「引き受けましょう!!
困ってる人を見過ごせない自分の性格が恨めしい。
待ってろ。 すぐに出してやる。」
週刊誌の袋とじ『超絶テク48手』を切っている古美門。
「先生は人命を金儲けの道具にしています。」
「何がいけない?」
「『命が惜しければ金を払え』
こんなの脅迫じゃないですか。
確かに今回は証拠が揃ってます。
彼女の有罪は間違いないでしょう。
でも死刑が妥当だとは私には思えません。
私たちの仕事は適正な量刑に導くことです。」
「違う。 依頼人のオーダーが無罪ならクロでもシロにする。
それが我々の仕事だ。」
「真実を捻じ曲げることは出来ません。」
「このやり取りもう飽きた!
今時朝ドラの主人公でももっと成長するぞ。
これ程変わらないのは君と磯野家くらいのものだ。
タマに餌をやって中島くんと宿題でもしていたまえ。
提灯パンツのワカメちゃん。」
言い合いをする古美門と黛。
その時、服部がいつも行く八百屋のご主人が
おじさんだと思ってたらおばさんだったと言い出だした。
「なんの話ですか?」
「思い込みというのは怖いもんだと思いまして。」
「安藤貴和がクロだというのも思い込みかもしれないということだよ。
ご挨拶に行ってみるか。」
検察庁へ行く古美門と黛。
そこへ羽生が現れた。
羽生は安藤貴和の担当になったようで、
羽生のコネで主任検事に会わせてもらえるよう。
案内され主任検事の醍醐と会う古美門と黛。
死刑求刑の根拠が曖昧なのではと古美門。
「被告人は所謂結婚詐欺の常習犯と考えられます。
本件についても充分な証拠があるにも関わらず
本人に反省の色はありません。
残念ながら極刑しかないものと思われます。」
「そういうことです。」
「充分な証拠と仰いますが決め手はただ一つ。
毒物だけですよね。」
「犯行に使われた物が被告人の自宅から出てきました。
都合よく。」
「ああ、ラッキーでした。」
「ええ。 犯罪の証拠をすぐに処分せず
いつまでも自宅に保管していたなんて本当にラッキーです。」
「何が仰りたいのかな?」
「検察のやり口はよく存じ上げているということです。」
「ああ、お名前はなんと仰ったかな?」
「古美門です。 この業界にいて私を知らないとは珍しい。」
「地方が長かったもんですから。
古美門先生、私はね、この国を少しでも良くしたいと思っている。
未来に生きる子供たちの平和と幸せのために。 それだけです。」
「もう行こう!」
三木の事務所では、
三木が貴和の弁護士に古美門がなったことを知った。
磯貝は三木に今までの恨み言を言い、
事務所を辞めて行く。
控訴審、第1回公判が始まる。
「被告人の自宅から押収されたという毒物ですが、
犯罪の証拠をいつまでも自宅に保管しておくのは
不自然ではないでしょうか。
第三者が被告人の自宅に持ち込んだという可能性はありませんか?
彼女に罪を着せるために。」
「羽生くん、答えてあげなさい。」
「被告人の自宅は厳重なオートロックであり
セキュリティーは万全ですので
第三者の侵入は困難かと思われます。」
「次に毒物の容器から検出されたという被告人の指紋ですが―」
「すいませんが全て一審で済んでることです。」
「だからなんですか?」
「控訴審において一審で審理された内容を
いちいち審理し直すことは通常 行う―」
本田の声が小さすぎて古美門が側に行く。
「通常なんて知ったこっちゃありません!
一審の審理 内容が不十分であり重大な問題があります。
異例であろうがなかろうがこの場で十分な審理をしていただきたい。
何か不都合でも?」
「いいえ。」
三木が醍醐を訪ねていた。
古美門を倒すために協力を申し出たが断られる。
羽生がいるフットサルの練習場に行く黛。
黛と話したかったから呼び出したと。
そして死刑制度についてどう考えるかと羽生。
自分は反対派だから今の立場が結構きついと言う。
「僕の立場でこんなこと言っちゃいけないのは分かってます。
でも無罪なんて無茶です。
情状酌量に訴えて死刑だけは回避させるべきだ。」
「私もそう考えてた。
でも本人が無実を主張する以上それを信じなきゃ。
私たちは弁護士だから。」
「勝つ望みが殆どなくても?」
「そういう裁判を彼はこれまで何度もひっくり返してきた。
人間性は軽蔑しかしてないけど能力は尊敬してる。
きっと今この時も何か手を打ってるはず。」
手を打っていた古美門。
宅配業者に化けた蘭丸がマンション内で
ピッキングをして部屋へ侵入。
裁判。
「被告人の自宅から押収された毒物が
本当に 被告人の所有物であったのかどうか
持ち込まれた可能性はないのか。
検察はこう主張しました。
『セキュリティーが厳重なので有り得ない』
果たしてそうでしょうか? 証人お願い致します。」
そして貴和と同じマンションに住む住人たちが、
自宅に見慣れない物があったら持って来て欲しいと
古美門に言われていて持って来た物は、
毒物の入っていたビンと同じ物だった。
「一体どこの誰がこのような悪戯を したんでしょう?
いやしかし今問題なのはそこではありません。
かのマンションのセキュリティーは決して厳重なものではなく、
いとも簡単に持ち込むことが出来てしまうということです。」
「一審でも説明しましたがこれが被告人の指紋。
そしてこちらが毒物の容器から採取した指紋です。
検査結果は完全に一致。
被告人の指紋に間違いないそうです。 以上。 」
指紋の写真に近づく古美門と黛。
指紋の人差し指に線みたいなものがあると。
「ちょっとした切り傷か何かでしょう。
検査結果の信頼性になんら影響はありません。」
「そうですか。 被告人に話を聞いたところ
警察の取り調べの中で毒物を見せられ
半ば強引に容器を持たされたそうです。
その時に付着した指紋かもしれません。」
そんな事実はないと醍醐。
序でにずっと気になっていたことを聞いてもいいかと古美門。
そして供述調書の汚れている部分を指す。
コピー機のインクの汚れだと言われた。
「気になったので原本を調べてもらったところ血でした。」
「血?」
「被告人に聞いたところ調書にサインをしようとして触れた時、
紙の端で人差し指を切ってしまったそうです。
その時に軽く出血したと。 私も時々やります。
紙の予想外の鋭利な切れ味に驚いたりしますよね。
あれ? あれあれあれ?
この人差し指の傷は調書の端で切った時に出来たものだ。
調書は取調室で書く訳ですから
それ以降に付着した血液ということになります。
つまりこの指紋は取り調べで容器を強引に握らされた時に
付着したものにほかならない。
元々この容器に彼女の指紋はなかったんです。
これは紛れもなく警察による証拠の捏造ではありませんか。
それを黙認した検察も同罪ですよ。
この毒物は本件の最重要証拠であり唯一の物的証拠です。
これによって被告人は死刑判決を受けたんだ。
しかし今証明されたことは容器に彼女の指紋はなく、
しかも彼女の自宅には簡単に持ち込むことが出来るということです。
では一体何を以って毒物が彼女の物だと言うのでしょうか。
何を以って彼女が殺人犯だと言うのでしょう。
何を以って彼女を世紀の悪女と言うんでしょう。
何もない。 何もないんです。
警察もマスコミも日本中誰もが彼女が犯人だと決めつけていました。
初めから用意された結論に向けて証拠が積み上げられていたんです!
こんなに恐ろしいことがあるでしょうか。
安藤貴和が犯した罪が仮にあるとするならばただ一つ。
それは世間に嫌われたことです。
この国では世間様に嫌われたら有罪なんです。
法治国家でもなければ先進国でもない。
魔女を火あぶりにして喜んでいる中世の暗黒時代そのものだ!
よく考えて下さい。
我々は何度冤罪の悲劇を生んできたのか。
何度同じ間違いを繰り返せば気が済むのか。
今ならまだ 引き返せます! 以上。」
古美門の演説にガッツポーズする黛。
貴和に面会に行き、状況を報告する古美門と黛。
形勢は逆転したと。
「あとは被告人質問を残すのみです。
あなたは殊勝な顔をして
悲劇のヒロインを気取っていればよろしい。
間もなく自由の身だ。」
「お約束通りお支払いはたっぷりするわ。」
「その件ですが、一部週刊誌に報道された
『高速回転三所攻め』というのはどのような?」
「ああ・・・試してみる?」
「イエス。」
浮かれてスキップして歩く古美門に、
いくつかメッキ工場を回ってみようと思うと言う黛。
毒物の出所を突き止めたいと。
そしてメッキ工場に行き、聞き込みをする黛。
ある工場で有力な情報を手に入れた。
以前いた土屋というのが、薬品をちょろまかして
他所へ流してるって噂があったとのこと。
黛はパチンコ屋にいる土屋の所へ。
守秘義務として情報源は守ると約束する。
土屋はネットの掲示板で一度だけ売ったと。
売った相手は安藤貴和だと聞き、黛はショックを受ける。
黛がショックな様子で戻って来た。
「毒物の出所が分かったか。
で、入手したのは安藤貴和だった。
そんなところか?」
「知ってたんですか?」
「いいや。 だがあの女はやってるよ。」
「このままいけば貴和さんは罰を逃れます。」
「だろうな。」
「私たちが殺人犯を野に放つんです。」
「素晴らしい。 誰にでも出来ることじゃない。」
「私は真実を知ってしまいました。」
「知ってるのは誰だ? 君とここにいる我々だけだ。
我々が他言しなければ誰も知り得ない。
誰も知らない真実は存在しないのと一緒だ。」
「握り潰せと?」
「じゃあ言い触らして安藤貴和を死刑台に送るのか?
我々の仕事は真実を追求することではない。
依頼人を守ることだ。 いい加減覚えろ、幼稚園児。」
「黛先生。
先生の矜持に従って行動なさればよいと存じます。」
羽生の所へ行った黛。
声をかけずに帰ろうとするが、羽生が気づき声をかけられた。
「裁判、やっぱりあれかな?
このままだと無罪になりそうかな?」
「そんなこと僕が言える訳ないじゃないですか。」
「そうよね。 そりゃそうよ。 今の忘れて。」
「似合わないな。」
「えっ?」
「黛先生に思い悩んでる顔。
僕は先生の真っ直ぐなところを尊敬してます。
信念をしっかり持ってて決してブレないところ。
どんな時も黛先生らしくあって欲しいな。
僕で良ければ打ち明けて。 僕、口は堅いよ。」
裁判では、急遽証人が現れる。
証人として土屋が出て来て、黛は驚いた。
醍醐は羽生に任せる。
「ここにメールのやり取りのコピーがあります。
あなたが書いた物に間違いありませんか?」
「はい。」
「ここに書かれている『ブツ』とはなんのことですか?」
「工場で使ってた青酸化合物です。」
そして売った相手は安藤貴和だと証言した。
弁護人の古美門が尋問。
間違いなく貴和だと言い切れるのかと聞かれ、
タイプだったので覚えていると土屋。
「売ったのはホントに一度だけですか?
メールの文面からは手慣れてる印象を受けました。
常習的に売っていたんじゃありませんか?」
「1人だけです!!」
「その点について、他に売った形跡は見られませんでした。」
「そういうことで手を打ったんですか。
今回の件を証言すれば他の余罪はなかったことにしてやると。」
「異議あり! 聞き捨てなりませんね古美門先生。
あなたは毒物は被告人の物ではない可能性を指摘した。
我々はあなたの立論が間違いであると指摘したまで。
根拠もなしに検察を貶めるような発言は、
日々懸命に職務に励んでいる
全国の検察官に対し無礼千万である!!」
「無礼千万だろうが質問する権利だってある!!」
「双方、静粛に!!」
裁判の後、古美門を追いかける黛。
「先生、待って下さい、先生。」
「消え失せろ!!」
「話を聞いて下さい。」
「たった今を以って安藤貴和の弁護人を解任し
我が事務所を解雇する。
君の所有物は全てまとめて郵送する。
二度と私の前に姿を見せるな!!
信念とやらが貫けて良かったな裏切り者。」
貴和に面会に行った古美門。
キレる貴和に落ち着けと。
「世界中の人間が私を殺そうとしてる。
私はどうせ死刑になる!」
「私がさせない!!
世界中の人間が君を憎もうと私だけは君の味方だ。
たとえ君が ビッチで鬼畜で殺人犯だろうが
私は君を無罪にする。 必ずだ。
次は君の出番だ。 いいか?
被告人質問では私の質問に全て『いいえ』と答えなさい。
それ以外は何も喋るな。
検察側の質問には黙秘を貫く。 それで勝ちだ。
君は自由の身となり私は1億と高速回転三所攻めを享受する。」
被告人質問のため貴和が出廷。
古美門の質問に「いいえ」と答えるはずが、
全て「はい」と答える貴和。
貴和の体調不良を理由に休廷を申し入れる古美門だったが、
体調はいいと貴和。
弁護人の質問がないなら検察官と裁判長。
検察官の質問に「はい」と答える貴和。
古美門は罠だと。
貴和は犯行を自供した形になった。
判決の日。
「被告人、前へ。 判決を言い渡します。
主文、本件控訴を棄却する。
判決の理由について述べます。
青酸化合物を被告人に売却したという土屋の証言は、
同人が工場から盗んだ青酸化合物と
本件犯行に使用された物との成分が
一致することなどからして充分信用―」
古美門は無表情。
脳内ではショックで倒れそうに!!
貴和の死刑は確定。
古美門が外へ出るとマスコミが詰め寄る。
何も答えず帰って行く古美門。
家に着くと声をあげて泣き出した。
そんな古美門を抱きしめる服部。
三木事務所では井手が乾杯とはしゃぐが、
三木は古美門が負けたことがショックのよう。
「何故負けた!」
醍醐たちも乾杯していた。
醍醐は羽生に検事を辞めて
町場の弁護士になるなど考え直したらどうだ?と。
これまで通り私と共に国家に仕えようと言うが、
やりたいことがあると羽生。
そしてなんと本田までも退官して羽生について行くと。
「ああ・・・人たらしだねぇ・・・」
「よく言われます。」
シュート練習をしていた羽生のところへやって来た黛。
土屋はどうやって見つけたのかと、
自分は誰にも喋ってないと言う黛に、
最初から持っていたと羽生。
「あのクラスの小物なんて検察はいくらでも握ってます。
泳がせといて使うべき時に使うんです。
だから言ったじゃないですか!!
情状酌量に変えるべきだって。
僕だって死刑判決は出て欲しくなかった!!
すいません。 やっぱ死刑ってきついっす。
いや黛先生の方がよっぽど辛いですよね。
弁護人だったんだから。
慰めてあげなきゃいけないのに。」
「こっちこそ押し掛けてごめんなさい。」
「事務所を立ち上げます。 今 仲間を集めてるんです。
もし古美門事務所に戻れないようなら来て欲しいです。」
「今そんなこと考えられないよ!!」
「今回はハッキリ言って古美門先生の失敗だと思う。
ただ勝つことだけを求めるやり方の限界だよ。
時代は変わろうとしている。 僕と一緒にやりましょう。」
「私は古美門 研介のパートナー弁護士よ。
私たちはまだ負けてない。 必ず安藤貴和を助ける。」
古美門を探す服は置き手紙を見つけた。
黛に電話。
メモには『人間やめます』と書いてあった。
蘭丸にも電話して3人で古美門を探すが見つからない。
三木は古美門事務所へ。
「古美門入るぞ。 誰もいないのか?」
すると古美門が中庭の隅っこで座っていた。
「何してる?」
「人間やめて植物になろうと思って・・・」
「なれそうか?」
「多分。」
「頑張れ。」
「ああ。」
「旅に出ることにした。
当分の間、仕事も世間の情報もシャットアウトだ。
だからお前に黒星がついたことなど俺は知らん。
俺にとってそんな事実はない。
さっさと上告しろ! 負けを帳消しにしろ!!
俺はその頃戻る。
そしてお前を地獄へ叩き落す! いいな!!」
そこへ黛たちが帰って来た。
「先生どこ行っちゃったんだろう。」
「お庭です。」
「沢地さん、三木先生。」
「植物になるそうだ。」
「えっ?」
「植物・・・」
みんなも古美門を発見。
黛がいきなり古美門を引っ叩く。
引っ叩かれた古美門は驚く。
が、更に膝蹴りを喰らいボコボコにされる古美門。
「何すんだ、もう!!」
「私を1人にする気ですか?
2人で戦わなきゃダメでしょ!
私は裏切ってませんから。
弁護士として依頼者が不利になるような情報を
売ったりはしません!!
私はあの証拠を握り潰したんです!
安藤貴和が犯人だとしても死刑はおかしい。
絶対に救わなきゃいけません。
勝負はこれからです。
植物になってる暇なんかないんですよ!!」
「偉そうに。
そういうことはな、もう少し戦力になるやつが言うことなんだよ。
なんだ? これは。」
「恐らくこれが安藤貴和が証言を翻した理由です。
多少は戦力になります。 やられたらやり返す。」
「甘~い! やられてなくてもやり返す。
見に覚えのないやつにもやり返す。
誰彼構わず八つ当たりだ!」
「それはただの迷惑なヤツです。」
新しい事務所に集まる羽生たち。
そこには磯貝も。
「理想の世界への第一歩だ。
この際だから僕の決意をみんなに伝えておく。
僕たちの目標は言うまでもなく世界から争いを失くすこと。
みんなが幸せになる世界を創ることだ。
ただそのためには乗り越えなくちゃならない大きな壁がある。」
「壁?」
「古美門研介。
彼を本当の意味で倒した時が時代が変わる時だ。」
古美門事務所で一緒に撮った写真を見て笑う羽生。
貴和に面会に来た古美門と黛。
「この人物は誰だ?」
「面会者記録を調べたんです。
被告人質問の前日にこの方と会ってますね。」
「吉永慶子だと? 『慶』の字が間違ってる。 偽名だ。」
「住所もデタラメでした。 どこの誰か分かりません。
あなたはこの方に会って
証言を翻すことにしたんじゃありませんか?」
「何者だ? この女に何を言われた?」
「教えてくれなければ最高裁を戦えませんよ。」
「吊るされたくないなら教えろ、安藤貴和。」
「最高裁なんてやらない。 裁判は終わりよ。
あなたたちはクビ。 さよなら。」
貴和は面会室を出て行く。
「安藤さ~ん! もう一度話し合いませんか~?
裁判やってくれないと私の黒星が取り戻せないんですよ!
安藤さ~ん!」
「今日はもう一旦帰りましょうって。」
「あとあの~、1億の方はどうなるんでしょうか?
高速回転三所攻めはどうなってしまうんでしょうか?
安藤さ~ん!」
面白すぎ!! ヾ(>ε<)
古美門はやっぱり最高だね。
三木も意外と古美門のこと好きなのね(笑)
新キャラの人たらし羽生くんもなかなかいいね。
それにしても安藤貴和事件は続くのね~(‐∀‐;)
終わるのかと思ってたのに・・・
最後まで引っ張っちゃうのかしら?
【リーガル・ハイ】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話
第8話 第9話 第10話 最終話
スペシャルドラマ リーガル・ハイ