まったり☆てぃ~たいむ

いくら寝ても眠いのは何故?(・ω・*)?

世界が終わる夜に奏でられる音楽 / 楡井亜木子

2009-09-04 23:08:56 | 小説・その他本

      

倉田莉絵は、「自分の人生は、自分でつくるものだ」と
東京に出てきた大学一年生。
その気の強さから、バイト先では頼りにされるものの、
恋人とは長続きしない。
そんな彼女の前に現れたのは、
背が高く綺麗な目をした無口な男の子、谷耕太。
中学2年生だった—。
大人気純愛小説『はじまりの空』に続いて発表され、
恋愛を超えた絆に読者の心がふるえた愛の物語が、
待望の文庫化。






莉絵は同じマンションに住む文子さんと親しくなり、

その文子さんの旦那さんが転勤することになってしまい、

文子さんの遠縁の耕太と一緒に暮らしてくれないかと頼まれる。



全くの他人の耕太と一緒に暮らすことにした莉絵。

耕太のこれまでの境遇は想像もつかないようなものだった。



中国人の母親は死に、父親は失踪。

一緒に住んでいた伯父さん夫婦は強制送還された。

親戚をたらい回しにされ、

今まで住んでた家では酷い扱いを受け、

耕太は人に対して怯え、いらなくなったら売られると思ってる。



そんな耕太を莉絵は守っていこうと決める。

耕太が少しずつ心を開き、お互いの理解を深めて行く。

でも耕太は、今までの経験から、

結局は莉絵もいつか目の前から

いなくなってしまうんじゃないかという思いが・・・



そんな時、ある事件が起こり、

これまでの2人の関係が変化して行く。



お互いを必要とする存在。

お互いを守ろうとする存在。

莉絵と耕太はかけがえのない人に出会ったんじゃないかと、

そんな風に思える作品です。



莉絵と暮らすようになってから、

耕太の周りに、いい大人たちがいて本当に良かったと思います。


それ以前の耕太のことを思うと・・・

切ないというか、いたたまれないというか・・・

悲しいですね。


耕太が会ったお兄さんの言葉が印象的でした。


「人生は存外帳尻が合って行くものなのだよ。」


帳尻か。

耕太には本当に幸せになってもらいたい。


莉絵のバイト先の人たちもみんないい人でした。

理解のある大人がいるって大きいなと。



それにしても莉絵はスゴイと思った。

耕太と一緒に暮らすと決めた莉絵は19歳。

19歳でそんな決断が出来るのか?

兄弟でも親戚でもない他人の子を引き取って暮らすなんて・・・

あたしだった出来ないな、きっと。



この2人にはずっと一緒にいてもらいたい気がします。


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