「自分」を伝えるってどういうこと？

人間関係は、
必ずコミュニケーションの
伝え手と受け手で成り立っています。

一対一ではない一対多数といった場面もありますが、
そこでも伝える相手はそこにいる一人ひとりであって、
人間関係やコミュニケーションの厳密な単位は
「自分」と「相手」です。

今、私(著者)は伝える人であり、
これを読んでいるみなさんは相手です。
私は文字の配列によって伝えたいことを表現しています。

もし私とあなたが対面できれば、
そのほかに身ぶりや表情、
声や言葉の調子などが加わります。

心理学ではそれらまとめて「刺激」と言うようです。
その刺激が、
あなたの目や耳、皮膚などを通して伝わり、
脳にインプットされます。

そして脳のなかでは、
感情・思考などのさまざまな働きが起こり、
刺激が受けとられ、
理解されるということです。

もちろんその間に、
他からの刺激のものもたくさん伝わっているでしょう。

たとえば、
文字の大きさとか、
画面の大きさ・明るさ、
部屋の温度、
あなたの座っているところの座り心地、
体の痛み、
周囲の音など
さまざまな刺激があなたの脳で受けとられています。

ですから、文字の上の情報だけでは
伝え手と受け手が完全に同じになれないのです。

日ごろ、きちんと伝達したことも
（自分がそう思っているだけですが・・）
後で振り返ってみると
伝わっていなかったということも
そんなところからきます。