6月10日 VOR Team Russia

2008年06月11日 | 風の旅人日乗
今年10月スペインのアリカンテをスタートする
ボルボオーシャンレース2008-2009に、
5月27日にも書いたが、チームロシアがとてもラディカルな艇を開発してきた。
設計はイギリスのロブ・ハンフリー、建造は同じくイギリスのグリーンマリンだ。

(写真はすべてデイリーセイルから転載しました)


船首部に2段ある段差は、『スプレイ・レール』と呼ばれるもので、
微風、軽風時の風圧抵抗と引きずり抵抗を除けば、
後はすべてヨットのスピード性能にプラスに働くのだという。



この発想は、高速パワーボートのボトムにある数段のレールからきたもので、
水槽実験で、その高い効用が確認されているらしい。
ただしこの構造は、船体がくぼんだ『ホロー』であるわけで、
ホローは、外洋ヨットの多くのクラスやレーティングルールで禁止されているのだが、
ボルボオープン70クラスでは、
船首から7メーターまでの部分のホローは許されている。


オープン60クラスにも、このアイディアを採用している艇がある。
ボルボオーシャンレースは、チームの総合力が試されるレースで、
いくら船だけが速くても、それだけでこのレースに勝てるわけではないが、
艇の高いポテンシャルは、非常に大きな武器の一つであることは間違いない。


明日から17日まで、アメリカのニューポートに行ってきます。
プーマ・オーシャンレーシングのケン・リードも、このロシア艇を気にしているだろうから、
ケンの意見も聞いてこようと思います。