アメリカスカップ⇔カタマラン⇔太平洋の伝統航海文化

2010年10月16日 | 風の旅人日乗
イギリスのチームオリジンが、第34回アメリカスカップに挑戦しないことを決定したことは、少なからずの驚きで関係者に受け入れられた。

一方、チームニュージーランドが、次回アメリカスカップに向けて、具体的な活動を始めた。
ディーン・バーカーと一部クルーが、南スペインのアルメリアで開催されている40フィート・カタマランExtreme40のレースに参加し、カタマランでのセーリング練習を始めた。


[James Boyd photo]

カタマランでのアメリカスカップに、イギリスが嫌悪感を示すのはよく理解できる。
彼らの伝統船文化の中に、カタマランはない。
カタマランは太平洋オリジナルの船だから。


[Herb Kane "The Canoe of Tehani's Family"
Collection of Mr. and Mrs. Alfred Kwiecinski.
This picture is available as a stock image. Phone: +1-808-935-3082]

ポリネシアのダブルハル・カヌー、沖縄のサバニの組舟(2隻を繋いでデッキを渡し、物や家畜を運ぶ)、筑後川上流の屋形船(2隻の細い川舟を繋いでその上にデッキを渡して宴会場にし、鵜飼を見物する)、etc.
日本人を含む太平洋民族にとって、カタマランは古くから親しみのある船だ。

だから、ヨーロッパからの移民が主ではあるがマオリの伝統ダブルハルカヌーを身近に見慣れているチームニュージーランドが、違和感なくカタマランのアメリカスカップに移行できるのも、よく分かる。

なのに、カタマランに親しんできた祖先を持つ日本からは、なぜ無理なのかな。

来月号のKAZI誌にAmerica's Cupに関するページをいただき、日本人セーラーの間でアメリカスカップ挑戦への気運を盛り上げるきっかけ作りを始めたいのだけど、締め切りも近づいているというのに、どんなページにしたらいいのか、アイディアがまとまらない。
ご意見コメントお待ちしています。