ボツ原稿 『頑張れ、日本』

2010年12月11日 | 風の旅人日乗
中間依頼者の勝手極まりない都合によりボツになった紙&ウエブ経済誌用原稿800字を、
このブログに来てくださる皆さんにだけは読んでいただきたくて、未練たらしくここに掲載。

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頑張れ、日本

企業研修などの場で、私が仕事としてセーリングや航海で体験してきたことのお話をする機会を時々いただきます。

四国の、あるトップ企業の、幹部候補として選出されている若い社員の皆さんが対象になっている定例研修では、
太平洋横断セーリングスピード記録に挑戦したときの経験と、
日本からアメリカスカップに挑戦した組織での経験の、二つのお話をさせていただきました。



太平洋横断記録では、まずサンフランシスコからハワイまでのセーリングスピード記録を塗り替え、
そのままハワイに寄らずに、連続してサンフランシスコ~日本間の記録更新をも狙いました。



順調なペースでセーリングを続けて日本に接近したのですが、大幅な記録更新が目の前に迫った八丈島沖で、
丸二日間の無風に見舞われました。



艇は進まないどころか、黒潮に押されて後戻り。
乗組員の誰もが記録更新に不安を覚え始めたとき、指揮官がどのようにして乗組員たちの心を束ね、
艇全体をマネージメントし、最後まで諦めず、ついには太平洋横断最短スピード記録(当時)を達成したか、
の部分では、幹部候補の皆さんが特に身を乗り出して聞き入ってくださいました。




アメリカスカップ挑戦では私は下部組織員でしたので、
組織のマネージメントがうまくいっているか否かは下から見上げたときに意外とよく見える、という体験をしました。



この話にも、皆さんとても興味を持っていただきました。

そのときに強調させていただいたことは、敗因を正確に分析できさえすれば、負けた経験は必ず勝利につながる、ということです。

日本のアメリカスカップ挑戦はその後資金調達の目処が立たず、途絶えたままです。失敗は生かされないままでいるのです。
お隣の国が、皆さんご存知の二大企業と政府が手を携えて次回のアメリカスカップ挑戦を真剣に検討中、という噂が漏れ聞こえています。



アメリカスカップはその国の技術力と国としての民度を競う場でもあります。
それに再挑戦しようと考える熱い日本企業は、ないのでしょうか?

12月10日(金)のつぶやき

2010年12月11日 | 風の旅人日乗
03:59 from web
浜まで出て、雲ひとつない空を見上げる。南への航海をイメージする。あと2時間弱でオリオン座のミンタカが真の西に沈む。それ以外は、これから数時間で仕上げなければいけない仕事頭を離れず、架空航海できず。こんなことで、日曜日ホクレアのことをちゃんと人に話せるか。不安だじょ。
06:48 from web
あかつき君、まだ元気か? 金星周回軌道突入失敗、さぞ無念だと思うぞ。削減され続ける予算の中での開発、そこから派生する理学系と工学系の軋轢もあるそうだな。でも、失敗を生かして次の成功に繋げてほしいぞ。
14:16 from web
コンピュータの高度専門技術者であるヨットのオーナー氏に瀕死のパソコンを救っていたきお昼を共にする。その最中にこちらの好意を踏みにじる失礼極まりないヨットのオーナー氏から不愉快な電話。どんな世界にも、いい人もいれば悪い人もいる、ってことだけど、楽しかった昼飯の時間を返して欲しいよ。