シェイクダウンが終わったAC45の0号艇は、本日予定通りアメリカスカップレースマネージメント(ACRM)に引き渡される。
[ photo copy by the 34th America's Cup ]
ACRMは、この0号艇を、正式にエントリーしている各チームの練習にも貸し出す。
例えばスウェーデンのアルテミスは、CEOのポール・ケアードのツイッターによれば、
2週間後にこの艇でのトレーニングを計画している。
[ photo copy by the 34th America's Cup ]
マルチハルとハードウイングという新しいディバイスの投入で、
昔の重厚なヨットでのアメリカスカップを好むオールドファンからはそっぽを向かれ、
参加するセーラーだけでなく、観るだけのファン層をも世代交代させつつ、
アメリカスカップは未来の姿を模索し、それに向かって間違いなく歩き始めている。
[ photo copy by the 34th America's Cup ]
もし、この先もアメリカスカップへの夢を見続けていたいのなら、
好きか嫌いかの議論に巻き込まれることなく、現実を見なければいけないと思うよ。
一応レーシングマルチハルで、タイムレコードとのレースで太平洋を渡った経験者として言わせていただければ、
マルチハルのセーリングは、アメリカスカップがこういうことにならなかったとしても、経験しておいて損はないと思う。
俺はマルチハルは嫌いだから乗らない、と言う人がよくいるけど、あれは変だと思う。
モノハルでのレースに忙しくて活動の重点を置くことはできないかもしれないけど、だからと言って、未来を目指す、才能ある日本人セーラーがマルチハル・セーリングを経験しないままでいるのはもったいないと思う。
レーシングマルチハルでのセーリングはすごく楽しいし、いくつかの項目ではモノハルでは見過ごしてきたスキルを要求される。挑戦し甲斐のある艇だと思うよ。