韓国の気概

2008年06月04日 | 風の旅人日乗
お隣の韓国では、来週から始まるコリアン・マッチレースのために、
オリジナルの36ftワンデザイン・レースヨットの設計を
ニュージーランドのデザイナー、ブレット・ベイクウェル-ホワイトに発注し、
ニュージーランド人ビルダーの監督の下、その8隻を韓国国内で建造した。

ブレットから、その新艇のテストセーリングの様子の写真が送られてきた。


出来合いの艇を買ってくるのではなく、オリジナルを造るところに、
韓国の意気込みが伝わってくる。
日本のヨットを率いているリーダーたちに、そんな意気込みはあるのか。


韓国は艇だけではなく、このレースのために新しくハーバーまで作った。
日本のリーダーたちにその気概はあるか。
韓国はこのあと、女子マッチレース用に新しく32フィート艇も造るらしい。
日本のリーダーたちにその気合はあるか。





マリンジャーナリストの高槻氏は、
ヨット専門誌K誌上で、日本のキールヨットのガラパゴス化を説いておられた。
大変面白く、ほとんどの部分で同意しました。
しかし、ガラパゴスは様々な種を、独自の方向に見事に進化させた。
そこがガラパゴスのすごいところで、だから世界に認められているのだ。
では、日本は何か固有のものを進化させてきたか。
あ、そうだ。
出艇していく選手を後輩たちが大声で歌って送り出す、
あのインカレとインターハイでの光景は、
確かに世界の他の地域では決して見ることができない、
唯我独尊ガラパゴス的進化ではあるね。

いや、そんな話ではないのだ。
日本のキールヨット界の現場にいる人間たち、リーダーには恵まれないけど、がんばろうぜ、って話さ。


Audi Med Cup マルセイユ

2008年06月04日 | 風の旅人日乗
日本では外洋ヨットレースが廃れてしまい、
日本人セーラーたちが思いっきり力を発揮する場所がなくて
困っているというのに、
ヨーロッパ、アメリカでは、企業が環境に優しいこのスポーツを積極的に応援し、
レースからレースを渡り歩くセーラーたちは休日さえ取れない忙しさだ。

写真は、地中海で爆発的な人気を得ているTP52によるサーキット、
アウディー・メッドカップ、マルセイユシリーズでの、6月3日のひとこま。
TP52の新艇〈USA17〉の舵を持つBMWオラクルレーシングのオーナー、
ラリー・エリソンと、その後ろで戦術を耳打ちするラッセル・クーツ。
マルチハルによるアメリカズカップの艇の、アメリカ国内での建造を進めつつ、
ヨーロッパの海の上では、自分たちのセーリング技術を研鑽している。

phote Ian Roman/AUDI MEDCUP

6月2日 那覇 → 葉山

2008年06月03日 | 風の旅人日乗
朝10時、那覇・牧志の公設市場に行き、
ソーキそばをかき込んでから、ゆいれーるに乗って空港へ。
公設市場の魚の展示方法は、
写真のようにちょっと変わっている。
値札を見ると、かなりな高級魚だと分かる。
肉屋に並ぶ、サングラスをかけさせられたブタちゃんの顔の写真も撮ろうとしたが、
鼻からリアルに血が流れ出ていて、
シャレにならないと思い止めた。



那覇空港で、
サバニレースのコースとなる
前島や渡嘉敷島方向の海を一人で睨みつけて
今月末のレース必勝を誓っていたら、
若い2カップルに
ラブラブピース写真のシャッターを押すよう
なんのためらいもなく要請された。
周囲数人の中から敢えて選ばれたように思う。
ただの時間つぶし中の男に思われたか。
必勝を祈念している男に、近寄り難さはなかったのか。
祈念の迫力が足りなかったというのか。
無念。


羽田に到着後、横浜で仕事の打ち合わせをしてから、
葉山へ帰る。





5月30日~6月1日 サバニまいふな座間味2008年度第2回合宿写真日記

2008年06月02日 | 風の旅人日乗
5月30日から6月1日まで、沖縄慶良間諸島座間味島にて
サバニのまいふなチーム合宿に参加。

5月29日の午後那覇空港に到着して、
オオシロサトシ氏が経営する漕店で一休みした後、
泊港北岸の座間味行き高速船乗り場へ。
ここは、沖縄を琉球政府が治めていた時代に
黒船ペリーが上陸した場所であるらしい。


そうして泊から1時間で座間味島に着くのだけれど、
そこは、第2次世界大戦で、米軍が一番最初に上陸した地点でもある。

那覇から見ると、座間味島は渡嘉敷島に隠されて全く見えず、
ために、沖縄本島上陸作戦を前にした米軍にとっては、
前進基地として座間味島は大変好都合だったのだ。
米軍上陸を受けて、ほとんどの座間味島民が自決した。

この、辛く悲惨な歴史をきちんと知り、
その当時の人たちの無念さと苦しさを弔う気持ちを持った上でなければ、
我々は、今も、これからも、
この美しい座間味島の海で遊ぶとこはできない。








5月29日から6月1日までの練習で『まいふな』が走った距離は40海里。
今回の合宿では、交代要員も無駄なく練習できるよう、
姉妹艇の『たうてぃー』も出したから、
チームメンバー個々がほとんど無駄なく海上でサバニを練習できた。
自画自賛になってしまうけど、
今回の『まいふな』チームの総合力はかなり高いと思われる。

下が今回の合宿でのまいふなの航跡です。
低気圧の影響で外海が大荒れだったため、
慶良間諸島内の海面での練習になった。

夜は夜で、泡盛の消費量は半端ではなかった。
山城オーナーが禁酒を突然止めてしまったことも、
まいふなチームの泡盛消費に拍車をかけた。

海にもサバニにも酒にも強い、とてもいいチームがです。




ここが、ぼくが座らせていただいている『まいふな』の運転席。
『まいふな』の一番後ろの部分です。
ここに膝で立ち(時には正座し)、
艇の左右バランスの崩れを体重で修正しながら、
風下側の手でエークを操って舵を取り、
風上側の手でセールをコントロールする紐を風に合わせ、
また同時に艇の左右の傾きと進行方向もセールでコントロールしています。


今月末、6月29日は、いよいよ第9回サバニ帆漕レース。
チーム一丸となって悔いのないレースをして、
自慢の『まいふな』の魅力的なこのお尻を、
できればレースに参加する皆さん全員に見てもらいたいな。