昨年2024年にその活躍が顕著だった選手を、独断と偏見で5名選出。今回は海外の選手5名を紹介していきます。順番は、昨年(2023年のまとめ)が重い階級からだったので、今年(2024年分)は軽量級からとなります。
WBA/WBOミニマム級王者オスカル コラーゾ(プエルトリコ)/ 2023年の年間成績 世界戦3勝(2KO)
(最軽量級の主役の座に就いたコラーゾ)/ Photo: El Nuevo Dia
*次々と王座から転落した重岡兄弟と代わるように、あっという間に最軽量級の主役の座を手にしたコラーゾ。長期政権を築いていたノックアウト CP フレッシュマート(タイ)に引導を渡した事は大きいです。
すでにIBF王者との統一戦に向け動き出しているようですが、その後は日本上陸の可能性もあるでしょう。最軽量級にも関わらず、僅か11戦で大舞台のリングに登場出来るのは幸運児と言って過言ではありません。リング外での実力(運)も備えているようです。
WBCスーパーフライ級王者ジェシー ロドリゲス(米)/ 世界戦2勝(2KO)
(勢いがとまらないロドリゲス)/ Photo: DAZN
*2022年からの勢いを継続し続けるロドリゲス。不思議なことに日本人選手との対戦経験がありません。今年もまだまだ白星を伸ばしていくことでしょう。
4団体統一ライトヘビー級王者アルツロ ベテルビエフ(露/カナダ)/ 世界戦2勝(1KO)
(4団体統一王者となるも、連続KO記録が途切れてしまったベテルビエフ)/ Photo: NY Fights
*10月にドミトリー ビボル(キルギスタン/露)に僅差の判定勝利を収め、4つの王座の統一に成功したベテルビエフ。ライトヘビー級のすべてのベルトを腰に巻くことに成功はしたものの、デビューから積み重ねてきた連続KO/TKO記録は20でストップしてしまいました。
来月22日にビボルとの再戦が予定されていますが、その後はどんな路線を歩むことを想定しているのでしょうか。
WBA/WBOクルーザー級王者ヒルベルト ラミレス(メキシコ)/ 世界戦2勝(ゼロKO)
(クルーザー級の主役の座に就いたラミレス)/ Photo: ProBoxTV
*減量苦からスーパーミドル級王座を返上してから5年。2度目の挑戦(1度目はライトヘビー級)でようやく2階級制覇に成功したラミレス。瞬く間に2冠王に輝いてしまいました。今後は4団体王座の統一を目指していくことになるでしょうが、同時に万年不毛のクルーザー級を活発化するために定期的に試合を行っていって貰いたいものです。
クルーザー級でも全く体負けをしないラミレス。今考えてみると、よくもまあ15キロ近くも軽いクラスであるスーパーミドル級で戦っていたものです。
IBF/WBA/WBCヘビー級王者オレクサンデル ウシク(ウクライナ)/ 世界戦2勝(ゼロKO)
(フューリーをも飲み込んでしまったウシク)/ Photo: Cleto Reyes
*自身より二回り大きなタイソン ヒューリー(英)に堂々と打ち勝り僅差の判定ながらも2連勝。現役はおろか、歴代ヘビー級の偉大なる選手たちと比較されるべき存在まで成長しました。すでに最重量級のトップ戦線で活躍する選手たちを打破しているウシク。今後は何を目標にリング生活を過ごしていくのでしょうか。
フューリーとの再戦の前に、「クルーザー級に再降格する」というコメントも残していますが果たして。
昨年、2023年編で選出した選手は、ロドリゲス、WBAライト級王者ジャルボンテ デービス(米)、WBCスーパーライト級王者デビン ヘイニー(米)、前WBOスーパーライト級王者ティム チュー(豪)、そして元WBO暫定ヘビー級王者張 志磊(中国)でした。
今回選出したコラーゾとロドリゲスは、今後のボクシング界を牽引していく存在と言っても過言ではないでしょう。ウシクとベテルビエフは年齢的にそれほど上積みが期待できませんが、まだまだそれぞれの階級のナンバーワンであり続ける事でしょう。