DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBAジュニアフェザー級:1995年1月7日・その1)

2025年01月07日 05時08分05秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前となる1995年1月7日、米国テキサス州で行われた試合結果です。
WBAジュニアフェザー級戦(スーパーバンタム級):
王者ウィルフレド バスケス(プエルトリコ)判定2対0(116-115、115-113、113-117)挑戦者/IBFバンタム級王者オーランド カニザレス(米)

*バンタム級に続いてジュニアフェザー級を制したバスケス。日本でもお馴染みのスラッガーが9度目の防衛戦に迎えたのは、バンタム級王座の16連続に成功した万能型のカニザレス。ボクシングファン待望の一戦が、30年前にテキサス州のリングで実現しました。

(新年早々、注目のカードが実現)/ Photo: Youtube

地元の声援を受けるカニザレスでしたが、バスケスの強打を警戒するあまり、3回までは動きは良いもののパンチが少なくポイントを失っていくことに。逆にバスケスは、敵地のど真ん中での試合にもかかわらず、堂々としたボクシングを展開していきます。

バスケスの強打は「恐れるに足らず」と感じ取ったカニザレスは4回から徐々にペースアップ。接近戦から有効打を次々に決めていきます。6回にはアッパーでバスケスの動きを止め、ボディーにも好パンチを連発してポイントを奪回。経験豊富な選手同士の一戦は、まさに一進一退の攻防が繰り広げられていきます。

この試合で意外に思ったのが、アジア圏の選手を圧倒的な強打で葬ってきたバスケスが距離を保ち、パンチ力、体全体のパワーで劣るカニザレスが接近戦を支配したということです。バスケスの予想外の柔軟性、試合巧者ぶりには驚かされました。しかしそれ以上に、プエルトリカンの強打を物ともせずに堂々と打ち合ったカニザレスの精神面の強さにはさらに驚かされました。しかもカニザレスはバスケスのほとんどのパンチを事前見切わめ、スリッピングアウェー(相手の放ったパンチを顔を振って貰わない高度な防御技術)で外していく。そしてタフネスも備えていたため、バスケスのパンチの餌食にはなりませんでした。

両者が明確なリードをしないまま、試合は後半戦に突入。11回そして12回とバスケスは完全に逃げモードに入ります。それを追うカニザレスが強打を当てきれないまま試合終了。どちらが勝者の名乗りを受けてもおかしく無い内容でしたが、僅差ながらもバスケスに勝利の女神が微笑むことに。

実力者相手に意外な試合巧者ぶりを発揮したバスケス。二桁防衛達成にリーチをかけています。序盤戦の出遅れがつけとなってしまったカニザレス。バンタム級でも小柄なカニザレスにとり、ジュニアフェザー級は体格的にかなりのハンディがあるように見受けられました。この試合後、数年に渡り活躍し続けるバスケスとカニザレス。しかしこの試合を観る限り、両者のピークは徐々に過ぎ去っていたように感じました。

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