1月11日に「キネマ旬報」のベスト10及び各賞が発表されました。詳細は→コチラで見ることができます。作品賞は次のとおりです。
[日本映画] ①かぞくのくに ②桐島、部活やめるってよ ③アウトレイジ ビヨンド ④終の信託 ⑤苦役列車 ⑥わが母の記 ⑦ふがいない僕は空を見た ⑧鍵泥棒のメソッド ⑨希望の国 ⑩夢売るふたり
[外国映画] ①ニーチェの馬 ②別離 ③ヒューゴの不思議な発明 ④ル・アーヴルの靴みがき ⑤ミッドナイト・イン・パリ ⑥アルゴ ⑦戦火の馬 ⑧ドライヴ ⑨J・エドガー ⑩裏切りのサーカス
<ヌルボの個人的映画ベスト10>でも1位「ニーチェの馬」 3位「ヒューゴの不思議な発明」で、またベスト10に3つ入れた日本映画中2つが7位「桐島、部活やめるってよ」と9位「かぞくのくに」でした。つまり少なくともトップあたりは重なっているということです。また、「かぞくのくに」についてのコメントで「安藤サクラが良かった」と書いたら、彼女が主演賞と助演賞をダブル受賞。外国映画部門であのすごくタイクツな「ニーチェの馬」が票を集めたこととともに、私ヌルボ、自分の鑑賞眼に今回ばかりはちょっとばかり自信を持ったという次第でありました。ただ、残念なことは、韓国映画ファンということと関係なく2012年は韓国映画で優れた作品がたくさんありながら1つもランクインしなかったこと。「高地戦」「哀しき獣」「サニー 永遠の仲間たち」「プンサンケ」等どれをとってもベスト10クラスに十分値するのに・・・。評論家等諸氏がどんな点をつけたか早く見てみたいものです。
映画賞といえば、アカデミー賞の話題。<OSCAR PLANET>というサイトの中に各賞の予想や、作品賞ノミネート作品等があげられています。
TBSラジオのトーク番組「たまむすび」(月~金13:00~15:30)の、毎週火曜15:00~15:20は映画評論家・町山智浩氏の話なのですが、今日はそのアカデミー賞ノミネート作品についていろいろ語っていました。彼の「2012年映画ベスト10」を見てもわかるように、彼の好みは相当にユニークで、ふつうの映画ファンには「??」という傾向がありますが、そんなヘンなところがおもしろいといえばおもしろい、かな? 先週は、韓国ではとっくに公開されて高評価を得たインド映画「3 idiots」が「きっと、うまくいく」という邦題で日本公開されるとのことで詳しく紹介していました。
※参考→<ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記>※期待のインド映画では「スタンリーのお弁当箱」も今春シネスイッチ銀座等で公開だそうです。
「レ・ミゼラブル」は韓国でもすでに観客動員が約500万人に達しているようですが、映画の他にミュージカル、レコードから小説までヒットしているとか。「ハンギョレ」の記事(→コチラ.日本語)によると、韓国社会は「レ・ミゼラブル熱病に罹っている」のだそうです。ソウル大のチェ・カプスという教授の指摘では、大革命以後にも貧困と不平等が広がり、1871年のパリ・コンミューン崩壊後は極めて保守化されたフランスと、李承晩政権を倒した4.19革命以降80年代の民主化闘争等を通して一定程度民主化されたものの社会的不平等はかえって悪化してきた現在の韓国を人々が重ね合わせて見るから、とのことです。・・・が、こういう解釈を記事として載せるのは「ハンギョレ」だから、ということがすぐ読み取れます。
全然カンケーないですけど、2つ前の記事で紹介した韓国のなぞなぞ本に「世界でいちばん髪の長い人は?」というのがありました。正解は「ジャン・バルジャン」。韓国語学習者の皆さんはたぶんわかるでしょう。(「長髪」という漢字の音読みは「ジャンバル」です。)
★★★ Daumの人気順位(1月15日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①不思議の国のガーディアン 9.1(416)
②SEARCHING FOR SUGAR MAN 9.1(90)
③ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 9.1(27)
④ディア・ブラザー 9.0(122)
⑤ニコ:サンタ飛行団の冒険 9.0(55)
⑥おおかみこどもの雨と雪(日本) 9.0(270)
⑦桃さんのしあわせ 9.0(64)
⑧ばんそうこう(韓国) 8.9(1089)
⑨パイの物語:悪党サメの掃討作戦(アメリカ・韓国) 8.8(35)
⑩家族シネマ 8.8(36)
新登場の作品は⑨「パイの物語:悪党サメの掃討作戦」だけです。最近「パイのための子守歌」や「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」が韓国で公開されているのでとても紛らわしいですが、これは魚たちが登場する家族アニメ。パイは平和なサンゴ村を守るスーパーヒーローの名前で、悪党サメと対決するのですが、パイは何の魚かと思って画像を見たところ、ナポレオン・フィッシュではないかな、と・・・。韓国題の「파이스토리:악당상어 소탕작전」をそのまま訳して仮題としました。
⑩「家族シネマ」は11月20日の記事の専門家の評点ランクで紹介済み。柳美里原作のものではなく、妊娠・出産を主なテーマとした4作構成のオムニバス映画です。
【専門家による順位】
①愛、アムール 8.6(6)
②あなたはまだ何も見ていない 8.6(3)
③ファウスト 8.4(5)
④ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 8.3(9)
⑤おおかみこどもの雨と雪(日本) 8.1(6)
⑥世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶 8.0(2)
⑦劇場版ポケットモンスター
ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士 ケルディオ(日本) 8.0(1)
⑦赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道(日本) 8.0(1)
⑦養子たち 8.0(1)
⑩シュガーマン 奇跡に愛された男 7.7(4)
⑩汚れなき祈り 7.7(4)
⑥と、⑦「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」が新登場です。
⑥「世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶」は、1994年南フランスで発見された世界最古というショーベ洞窟の壁画を撮影したドキュメンタリーで、日本では2012年3月公開されています。韓国題は「잊혀진 꿈의 동굴(失われた夢の洞窟)」。
⑦「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」は2010年公開の高畑勲監督のアニメ。韓国題は「빨간머리 앤 : 그린게이블로 가는 길」です。(「太陽の王子 ホルスの大冒険」に感動したのは何年前のことだったか・・・。)
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月11日(金)~13日(日)] ★★★
韓国映画「霊媒ヤクザ」が「タワー」「レ・ミゼラブル」を抑えて1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・霊媒ヤクザ(韓国) ・・・・・・・・・・・・1/09 ・・・・・・・・・・・・・・・796,771・・・・・・・・・1,029,695 ・・・・・・・・7,609・・・・・・・599
2(1)・・タワー(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・12/25・・・・・・・・・・・・・・・・512,578・・・・・・・・4,454,937 ・・・・・・・32,498・・・・・・・481
3(2)・・レ・ミゼラブル・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・・351,261・・・・・・・・4,825,558 ・・・・・・・35,292・・・・・・・410
4(3)・・ライフ・オブ・パイ ・・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・・・・・・246,799・・・・・・・・1,019,893 ・・・・・・・・9,779・・・・・・・312
トラと漂流した227日
5(22)・・クラウド アトラス・・・・・・・・・・・・・1/09 ・・・・・・・・・・・・・・・・213,584・・・・・・・・・・299,650 ・・・・・・・・2,275・・・・・・・382
6(38)・・パイの物語:・・・・・・・・・・・・・・・・1/10 ・・・・・・・・・・・・・・・・130,001・・・・・・・・・・151,238 ・・・・・・・・1,049・・・・・・・298
悪党サメの掃討作戦(アメリカ・韓国)
7(18)・・マイ・リトル・ヒーロー(韓国)・・・・1/09・・・・・・・・・・・・・・・・・85,624 ・・・・・・・・・・・13,372 ・・・・・・・・・・863・・・・・・・324
8(4)・・ばんそうこう(韓国) ・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・・・・・84,310・・・・・・・・・2,414,205 ・・・・・・・17,478・・・・・・・257
9(5)・・シュガー・ラッシュ・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・・・48,509 ・・・・・・・・・・893,339 ・・・・・・・・6,426・・・・・・・220
10(7)・・ザンベジア: ・・・・・・・・・・・・・・・・12/25・・・・・・・・・・・・・・・・・31,011 ・・・・・・・・・・454,902 ・・・・・・・・3,219・・・・・・・141
神秘の木の島の秘密
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は1・5・6・7位の4作品です。
1位「霊媒ヤクザ」はヤクザ物のコメディ。原題の「박수건달」(パクスコンダル)をどう訳すべきか首をひねりました。「박수」は男のムーダンで、女性なら巫女なんですが・・・。いくつか日本語サイトを見た中で、この「霊媒ヤクザ」が一番わかりやすそうです。もしかして「백수건달」(ペクスコンダル.白手乾達)=プータローも関係あるかな? お話はというと、ヤクザ間の抗争でナイフを素手で受け止めて傷を負ったヤクザ(パク・シニャン)が、生命線が変わってしまったそのために運命が変わってしまい、霊媒師にならないと死んでしまうというはめに・・・。無視していると生命の危険に次々と襲われ、やむなく昼は霊媒師、夜はヤクザという2重生活に・・・、というもので、笑っちゃう場面がいっぱいあるみたいですよ。
5位「クラウド アトラス」はデイヴィッド・ミッチェルの同名小説が原作のSF。19世紀から未来の文明崩壊後までの6つの異なる時代が同時進行するという構成。トム・ハンクス、ハル・ベリー、スーザン・サランドン、ヒュー・グラント等とともにペ・ドゥナも出演して注目されています。輪廻転生がテーマで、過去に存在した人が全く別人となって現代や未来にも登場します。
→コチラのブログ記事では「最後のクレジットに製作者や映画関係者の名前がいっぱい出てきてもまだ席を立ってはいけません(笑)! 最後に、どの俳優が一体どの役を演じたか全て再映像が映るので面白いですよ~」と書いてくれてますが、エンドクレジットが始まると観客が席を立ち、場内も明るくなってしまう韓国の映画館の状況はこの映画でも同じなのかな? 韓国題は「클라우드 아틀라스」です。日本公開は2013年3月15日で、もう予告編(→コチラ)
が公開されています。
6位「パイの物語:悪党サメの掃討作戦」については上述しました。
7位「マイ・リトル・ヒーロー」は、金と地位にしか関心のない音楽監督(キム・レウォン)が主人公。かつては将来を期待された彼でしたが、大型作品が大失敗に終わると見放され、その後は児童ミュージカルを転々としながら再起を期していました。そんな彼にチャンスをもちらしたのが天上のボイスを持つ韓国人とフィリピンのハーフの少年(チ・デハン)。ミュージカルのオーデション番組でペアを組むことになったその少年に猛烈なトレーニングを開始するのですが、はたして彼ら2人は夢の舞台のブロードウェイ進出を果たすことができるのでしょうか? 私ヌルボが信頼を寄せている→コチラのブログ
ではとても高く評価しているようですが、はたして日本公開はあるかどうか? 原題は「마이 리틀 히어로」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・愛、アムール・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・5,258 ・・・・・・・・・・・・・・43,352 ・・・・・・・・334・・・・・・・・・・25
2(2)・・ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮・・12/27 ・・・・・・・・・・2,396 ・・・・・・・・・・・・・・13,660 ・・・・・・・・108・・・・・・・・・・19
3(3)・・レンタネコ(日本) ・・・・・・・・・・・・・・12/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・800 ・・・・・・・・・・・・・・12,820 ・・・・・・・・・98・・・・・・・・・・・8
4(9)・・シュガーマン ・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・・670 ・・・・・・・・・・・・・・24,946 ・・・・・・・・180・・・・・・・・・・・4
奇跡に愛された男
5(8)・・おおかみこどもの雨と雪(日本) ・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・670 ・・・・・・・・・・・・・334,337 ・・・・・・2,303・・・・・・・・・・・2
順位の移動はありましたが、新登場はありません。しかし「おおかみこどもの雨と雪」は公開4ヵ月、息が長いですね。
[日本映画] ①かぞくのくに ②桐島、部活やめるってよ ③アウトレイジ ビヨンド ④終の信託 ⑤苦役列車 ⑥わが母の記 ⑦ふがいない僕は空を見た ⑧鍵泥棒のメソッド ⑨希望の国 ⑩夢売るふたり
[外国映画] ①ニーチェの馬 ②別離 ③ヒューゴの不思議な発明 ④ル・アーヴルの靴みがき ⑤ミッドナイト・イン・パリ ⑥アルゴ ⑦戦火の馬 ⑧ドライヴ ⑨J・エドガー ⑩裏切りのサーカス
<ヌルボの個人的映画ベスト10>でも1位「ニーチェの馬」 3位「ヒューゴの不思議な発明」で、またベスト10に3つ入れた日本映画中2つが7位「桐島、部活やめるってよ」と9位「かぞくのくに」でした。つまり少なくともトップあたりは重なっているということです。また、「かぞくのくに」についてのコメントで「安藤サクラが良かった」と書いたら、彼女が主演賞と助演賞をダブル受賞。外国映画部門であのすごくタイクツな「ニーチェの馬」が票を集めたこととともに、私ヌルボ、自分の鑑賞眼に今回ばかりはちょっとばかり自信を持ったという次第でありました。ただ、残念なことは、韓国映画ファンということと関係なく2012年は韓国映画で優れた作品がたくさんありながら1つもランクインしなかったこと。「高地戦」「哀しき獣」「サニー 永遠の仲間たち」「プンサンケ」等どれをとってもベスト10クラスに十分値するのに・・・。評論家等諸氏がどんな点をつけたか早く見てみたいものです。
映画賞といえば、アカデミー賞の話題。<OSCAR PLANET>というサイトの中に各賞の予想や、作品賞ノミネート作品等があげられています。
TBSラジオのトーク番組「たまむすび」(月~金13:00~15:30)の、毎週火曜15:00~15:20は映画評論家・町山智浩氏の話なのですが、今日はそのアカデミー賞ノミネート作品についていろいろ語っていました。彼の「2012年映画ベスト10」を見てもわかるように、彼の好みは相当にユニークで、ふつうの映画ファンには「??」という傾向がありますが、そんなヘンなところがおもしろいといえばおもしろい、かな? 先週は、韓国ではとっくに公開されて高評価を得たインド映画「3 idiots」が「きっと、うまくいく」という邦題で日本公開されるとのことで詳しく紹介していました。
※参考→<ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記>※期待のインド映画では「スタンリーのお弁当箱」も今春シネスイッチ銀座等で公開だそうです。
「レ・ミゼラブル」は韓国でもすでに観客動員が約500万人に達しているようですが、映画の他にミュージカル、レコードから小説までヒットしているとか。「ハンギョレ」の記事(→コチラ.日本語)によると、韓国社会は「レ・ミゼラブル熱病に罹っている」のだそうです。ソウル大のチェ・カプスという教授の指摘では、大革命以後にも貧困と不平等が広がり、1871年のパリ・コンミューン崩壊後は極めて保守化されたフランスと、李承晩政権を倒した4.19革命以降80年代の民主化闘争等を通して一定程度民主化されたものの社会的不平等はかえって悪化してきた現在の韓国を人々が重ね合わせて見るから、とのことです。・・・が、こういう解釈を記事として載せるのは「ハンギョレ」だから、ということがすぐ読み取れます。
全然カンケーないですけど、2つ前の記事で紹介した韓国のなぞなぞ本に「世界でいちばん髪の長い人は?」というのがありました。正解は「ジャン・バルジャン」。韓国語学習者の皆さんはたぶんわかるでしょう。(「長髪」という漢字の音読みは「ジャンバル」です。)
★★★ Daumの人気順位(1月15日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①不思議の国のガーディアン 9.1(416)
②SEARCHING FOR SUGAR MAN 9.1(90)
③ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 9.1(27)
④ディア・ブラザー 9.0(122)
⑤ニコ:サンタ飛行団の冒険 9.0(55)
⑥おおかみこどもの雨と雪(日本) 9.0(270)
⑦桃さんのしあわせ 9.0(64)
⑧ばんそうこう(韓国) 8.9(1089)
⑨パイの物語:悪党サメの掃討作戦(アメリカ・韓国) 8.8(35)
⑩家族シネマ 8.8(36)
新登場の作品は⑨「パイの物語:悪党サメの掃討作戦」だけです。最近「パイのための子守歌」や「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」が韓国で公開されているのでとても紛らわしいですが、これは魚たちが登場する家族アニメ。パイは平和なサンゴ村を守るスーパーヒーローの名前で、悪党サメと対決するのですが、パイは何の魚かと思って画像を見たところ、ナポレオン・フィッシュではないかな、と・・・。韓国題の「파이스토리:악당상어 소탕작전」をそのまま訳して仮題としました。
⑩「家族シネマ」は11月20日の記事の専門家の評点ランクで紹介済み。柳美里原作のものではなく、妊娠・出産を主なテーマとした4作構成のオムニバス映画です。
【専門家による順位】
①愛、アムール 8.6(6)
②あなたはまだ何も見ていない 8.6(3)
③ファウスト 8.4(5)
④ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 8.3(9)
⑤おおかみこどもの雨と雪(日本) 8.1(6)
⑥世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶 8.0(2)
⑦劇場版ポケットモンスター
ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士 ケルディオ(日本) 8.0(1)
⑦赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道(日本) 8.0(1)
⑦養子たち 8.0(1)
⑩シュガーマン 奇跡に愛された男 7.7(4)
⑩汚れなき祈り 7.7(4)
⑥と、⑦「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」が新登場です。
⑥「世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶」は、1994年南フランスで発見された世界最古というショーベ洞窟の壁画を撮影したドキュメンタリーで、日本では2012年3月公開されています。韓国題は「잊혀진 꿈의 동굴(失われた夢の洞窟)」。
⑦「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」は2010年公開の高畑勲監督のアニメ。韓国題は「빨간머리 앤 : 그린게이블로 가는 길」です。(「太陽の王子 ホルスの大冒険」に感動したのは何年前のことだったか・・・。)
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月11日(金)~13日(日)] ★★★
韓国映画「霊媒ヤクザ」が「タワー」「レ・ミゼラブル」を抑えて1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・霊媒ヤクザ(韓国) ・・・・・・・・・・・・1/09 ・・・・・・・・・・・・・・・796,771・・・・・・・・・1,029,695 ・・・・・・・・7,609・・・・・・・599
2(1)・・タワー(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・12/25・・・・・・・・・・・・・・・・512,578・・・・・・・・4,454,937 ・・・・・・・32,498・・・・・・・481
3(2)・・レ・ミゼラブル・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・・351,261・・・・・・・・4,825,558 ・・・・・・・35,292・・・・・・・410
4(3)・・ライフ・オブ・パイ ・・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・・・・・・246,799・・・・・・・・1,019,893 ・・・・・・・・9,779・・・・・・・312
トラと漂流した227日
5(22)・・クラウド アトラス・・・・・・・・・・・・・1/09 ・・・・・・・・・・・・・・・・213,584・・・・・・・・・・299,650 ・・・・・・・・2,275・・・・・・・382
6(38)・・パイの物語:・・・・・・・・・・・・・・・・1/10 ・・・・・・・・・・・・・・・・130,001・・・・・・・・・・151,238 ・・・・・・・・1,049・・・・・・・298
悪党サメの掃討作戦(アメリカ・韓国)
7(18)・・マイ・リトル・ヒーロー(韓国)・・・・1/09・・・・・・・・・・・・・・・・・85,624 ・・・・・・・・・・・13,372 ・・・・・・・・・・863・・・・・・・324
8(4)・・ばんそうこう(韓国) ・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・・・・・84,310・・・・・・・・・2,414,205 ・・・・・・・17,478・・・・・・・257
9(5)・・シュガー・ラッシュ・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・・・48,509 ・・・・・・・・・・893,339 ・・・・・・・・6,426・・・・・・・220
10(7)・・ザンベジア: ・・・・・・・・・・・・・・・・12/25・・・・・・・・・・・・・・・・・31,011 ・・・・・・・・・・454,902 ・・・・・・・・3,219・・・・・・・141
神秘の木の島の秘密
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は1・5・6・7位の4作品です。
1位「霊媒ヤクザ」はヤクザ物のコメディ。原題の「박수건달」(パクスコンダル)をどう訳すべきか首をひねりました。「박수」は男のムーダンで、女性なら巫女なんですが・・・。いくつか日本語サイトを見た中で、この「霊媒ヤクザ」が一番わかりやすそうです。もしかして「백수건달」(ペクスコンダル.白手乾達)=プータローも関係あるかな? お話はというと、ヤクザ間の抗争でナイフを素手で受け止めて傷を負ったヤクザ(パク・シニャン)が、生命線が変わってしまったそのために運命が変わってしまい、霊媒師にならないと死んでしまうというはめに・・・。無視していると生命の危険に次々と襲われ、やむなく昼は霊媒師、夜はヤクザという2重生活に・・・、というもので、笑っちゃう場面がいっぱいあるみたいですよ。
5位「クラウド アトラス」はデイヴィッド・ミッチェルの同名小説が原作のSF。19世紀から未来の文明崩壊後までの6つの異なる時代が同時進行するという構成。トム・ハンクス、ハル・ベリー、スーザン・サランドン、ヒュー・グラント等とともにペ・ドゥナも出演して注目されています。輪廻転生がテーマで、過去に存在した人が全く別人となって現代や未来にも登場します。
→コチラのブログ記事では「最後のクレジットに製作者や映画関係者の名前がいっぱい出てきてもまだ席を立ってはいけません(笑)! 最後に、どの俳優が一体どの役を演じたか全て再映像が映るので面白いですよ~」と書いてくれてますが、エンドクレジットが始まると観客が席を立ち、場内も明るくなってしまう韓国の映画館の状況はこの映画でも同じなのかな? 韓国題は「클라우드 아틀라스」です。日本公開は2013年3月15日で、もう予告編(→コチラ)
が公開されています。
6位「パイの物語:悪党サメの掃討作戦」については上述しました。
7位「マイ・リトル・ヒーロー」は、金と地位にしか関心のない音楽監督(キム・レウォン)が主人公。かつては将来を期待された彼でしたが、大型作品が大失敗に終わると見放され、その後は児童ミュージカルを転々としながら再起を期していました。そんな彼にチャンスをもちらしたのが天上のボイスを持つ韓国人とフィリピンのハーフの少年(チ・デハン)。ミュージカルのオーデション番組でペアを組むことになったその少年に猛烈なトレーニングを開始するのですが、はたして彼ら2人は夢の舞台のブロードウェイ進出を果たすことができるのでしょうか? 私ヌルボが信頼を寄せている→コチラのブログ
ではとても高く評価しているようですが、はたして日本公開はあるかどうか? 原題は「마이 리틀 히어로」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・愛、アムール・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・5,258 ・・・・・・・・・・・・・・43,352 ・・・・・・・・334・・・・・・・・・・25
2(2)・・ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮・・12/27 ・・・・・・・・・・2,396 ・・・・・・・・・・・・・・13,660 ・・・・・・・・108・・・・・・・・・・19
3(3)・・レンタネコ(日本) ・・・・・・・・・・・・・・12/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・800 ・・・・・・・・・・・・・・12,820 ・・・・・・・・・98・・・・・・・・・・・8
4(9)・・シュガーマン ・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・・670 ・・・・・・・・・・・・・・24,946 ・・・・・・・・180・・・・・・・・・・・4
奇跡に愛された男
5(8)・・おおかみこどもの雨と雪(日本) ・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・670 ・・・・・・・・・・・・・334,337 ・・・・・・2,303・・・・・・・・・・・2
順位の移動はありましたが、新登場はありません。しかし「おおかみこどもの雨と雪」は公開4ヵ月、息が長いですね。