ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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ソウルで買い込んだ本[その3 チュ・ホミン「神と一緒に」] えっ、人気ウェブ漫画が有料化!?

2013-01-19 17:02:44 | 韓国の漫画
 3つ前の記事<ソウルで買い込んだ本[その2 なぞなぞのポケット版]>の続きです。

 12冊買い、2冊もらった本計14冊のうち漫画が5冊。それも全3巻揃いを買うと重いしかさばるので最初の1冊だけにしたのが2作品あるからなー。
 映画や小説もそうですが、韓国優先であれこれ見たり読んだりしていると、日本の最近の注目作については疎くなったり、知っていてもつい後回しになってしまうのが当然のなりゆきとはいえ残念なところ。分身の術が使えたらいいのに・・・。

 その漫画5冊のうち2冊は上下2巻本なので作品数は4つ。一挙に全部紹介するつもりが、最初のだけで「特殊事情」があって長くなりそうなので、今回はその1つだけにしておきます。

漫画①チュ・ホミン「神と一緒に 神話編(上)」

      
 1月14日の記事<2012年に読んだ「圧倒的!」な本5冊>で紹介した本です。詳しい内容はソチラをご覧ください。
 そこでも書いたように、元はウェブトゥーン(ネット漫画)です。「あの世編(全3巻)」「この世編(全2巻)」「神話編(全3巻)」に分かれていて、それぞれ独立のものとしても読むことができます。昨年9月に完結し、その間韓国のファンの間でも大きな人気をよび起こしました。
 私ヌルボ、「神話編」の最後を方は未読だったのと、他の人にも薦めようと思って本を買っておくことにしたのですが、3冊だとかさばるので上巻だけとりあえず購入しました。
 ところが、14日の記事で「<NAVER漫画>で、予告編から読むことができます。→コチラ」と書いてリンクを張っておいたところ、一昨日その目録を確認してみると、各編の最初の数話しか見ることができなくなっていることに気づきました。

 その理由を探ると、なんとごく最近(2012年12月)<Press by PLE>に「NAVERウェブトゥーン無料民営化?」という記事(→コチラ(韓国語)があって、「NAVERがウェプトゥーン作家の安定収益のために人気ウェプトゥン "神と一緒に"を有料に変える予定だ」と書かれているではありませんか。(これが上記の「特殊事情」です。)
 その作者のチュ・ホミンは、自分のブログで「収益を生まない産業は存在しえない。・・・より良い創作環境と質の良い漫画のための投資だと思ってください」と書いたそうです。
 DAUMも「純情漫画」等カンプル作品10編を含めて10人余りの作家の完結ウェブトゥーン25作品を再び見る場合には料金を受け取るそうです。
 チュ・ホミンは「ほとんどの作家は、ポータル原稿料外収益がなくて、次の作品を準備する余力がなく、結局、毎日高強度創作労働をすることになり、才能と情熱が擦り減ってしまう」と訴えているとか・・・。
 そして完結作品については<NAVERbook>を通して電子書籍で購入してください、とのことです。
※1巻あたりの購読料は500ウォンです。・・・え、3日以内に読まなくてはならないのか!? (永久貯蔵だと10倍の値段。)

 そういえば、私ヌルボの「お気に入り」の中にチュ・ホミンのブログを置いていたことを思い出し、久しぶりに見てみると、12月13日に<完結作品有料化案内>と題した記事がありました。(→自動翻訳。)
 そこに上述のような理由とともに、この措置は「"完結されたウェブトゥーン"の有料化で、その時点では連載終了後3〜4ヵ月後」であること、連載中の作品についてはこれまで同様無料で見られること等が記されています。

 私ヌルボの感想としては、まあ致し方ないかな、といったところです。以前何かで見たら、以前大ヒットした映画の「猟奇的な彼女」の場合でも、原作(ネット小説)の作者は500万ウォン(?)もらったくらいだったとか・・・。チュ・ホミンにしてもカンプルにしても、人気漫画家の収入をたとえば日本と比べると天地ほどの差があるのではないでしょうか?

※2012年8月の「中央日報」(日本語版)に記事には<韓国ポータル人気連載漫画を無断掲載する中国サイト>という見出しで、中国のウェブサイトが「神と一緒に」等の韓国の人気ネット漫画30作品を違法掲載中であると報じています。そして「ネイバー側は「作家と相談して対策を考える」とも書かれています。このことも、有料化と関係があるかもしれません。また、別のサイトでは、児童・生徒に「有害」と思われる作品も見ることができてしまうという問題も指摘されていました。
コメント (2)
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