ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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「週刊文春 新年号」を読む(下) 北朝鮮女生徒へのロック指導記録、池上彰による朴槿恵の経歴など

2013-01-09 23:12:07 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 <「週刊文春 新年号」を読む(上) サムスン ヒュンダイは没落(?)>の続きです。

 韓国・北朝鮮ネタその② 「今週の必読」はファンキー末吉「平壌6月9日高等中学校・軽音楽部」

      

 書評ページの最初がこの本。著者ファンキー末吉は1980~90年代に爆風スランプにドラマーとして活躍・・・って、そうだったのか。彼の名は知りませんでしたが、爆風スランプは憶えてますがな。

 で、この本は、2006年7月以来12年2月まで5度にわたって訪朝して、平壌の高等中学校の女生徒たちにロックを教えてきた記録です。昨年11月26日集英社インターナショナルから発売されましたが、出版社の公式サイトを見ると担当編集者の鬼の編集「佐藤」さんが「編集者として担当した本は、どれも愛着があるのですが、正直、今回のこの作品には魂をゆさぶられましたと記しています。
アマゾンの読者レビューも、数は少ないですが好評で、私ヌルボもこれは読んでみようと強く思った次第です。
 あ、書名中の「6月9日」は「平壌6月9日」ではなく学校の名称が「6月9日高等中学校」ということ。金日成が「6月9日に建てろ」と指導したからとか。なぜ6月9日かはちょっと探してみたもののわからず。ファンキー末吉さん(と、ここから「さん」付け)は「6と9ならロックではないか」と燃えたそうです。

 関連で、ファンキー末吉さんのブログ<ファンキー末吉BLOG ~ファンキー末吉とその仲間たちのひとりごと~>のことを知ってちょっと見てみたら、これが北朝鮮関係だけでも興味深いネタの宝庫!
 2012年2月21日の「5回目の訪朝」と題した記事(→コチラ)だけとってみても「前回の訪朝の後にすぐ金正日が死去したので、奇しくもワシは体制が変わる最後の北朝鮮を見た日本人であり、そして今回の訪朝で恐らく新体制を見た最初の日本人となるであろう」とか、アジアブーム以前から中国に入れ込んでいた自身の過去のこととか、「北朝鮮はご存知の通り貧しい国である。しかし前回の渡航でワシは「平壌は中国マネーのバブルが始まっている」と書いた」以下の今の北朝鮮事情等々が詳しく記されています。
 これは今後時間をかけて読む必要あり、です。

 ところで、「週刊文春」でこの本を評している中森明夫は「それにしても本書の収録写真の少女らの、なんと美しいことだろう!」と「!」を付けた上「こんな美少女はもう日本にはいない」とまで書いちゃってます。その彼女たちの写真も上記ブログ内を探せば見つかります。

  韓国・北朝鮮ネタその③ 「東京「鍋」最前線」で新大久保の<コリア タッカンマリ>を紹介
 この巻末カラーページで紹介している5店中の1つが新大久保駅のすぐそばにある<コリア タッカンマリ>。
 料理名のタッカンマリ「タク」=鶏、「ハンマリ」は1羽の意味。これが韓国でブームになったのはわりと最近のことなのに、もうとっくにポピュラーなメニューになってる感があります。この店は行ったことありませんが、そのうちに・・・。店の公式サイトは→コチラ

  韓国・北朝鮮ネタその④ 「池上彰のそこからですか!?」は朴槿恵の経歴をてぎわよく紹介
 わずか2ページで韓国初の女性大統領となる朴槿恵の今に至る経歴を、彼女の自伝「絶望は私を鍛え、希望は私を動かす」を参考に要領よくまとめています。
 彼女の名前の中の「槿(ムクゲ)」が韓国の国花であること、西江(ソガン)大学校電子工学科を首席で卒業後フランスのグルノーブル大に留学したこと、1979年アメリカのカーター大統領が訪韓した際、米軍の韓国駐留の必要性を力説してカーター大統領に撤退計画を撤回させたこと等々が記されています。興味深いエピソードをピックアップしてよみやすく書いているところはさすがです。
※[ヌルボ註:西江大学校は日本の上智大学に比定されるミッション系大学です。

 私ヌルボが書く予定でいた朴槿恵の記事は、こんな政治とはぜ~んぜん関係ない方面のネタなんですけどね。朴槿恵のビキニ姿の写真とか・・・って、「見たくない」ですか。そーですか・・・。
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「週刊文春 新年号」を読む(上) 円安に脅えるサムスン ヒュンダイは没落する(?)

2013-01-09 23:07:40 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 ははは、今年も「今井舞の毒舌批評」の紅白歌合戦ブッタ斬りはおもいろいなー。(笑) たしかに、私ヌルボも最初の浜崎あゆみの音のはずっれっぷりには何事かと思って、思わず視線を読んでいた本からTV画面に移したんですよ。

 朴槿恵関係の記事を書こうかなと思いつつ、その前に今日(1月9日)発売の「週刊文春 新春特別号」を読み始めたら、上の記事等々おもしろい記事がいろいろあってついつい読みふけってしまい、急遽予定変更。

 韓国・北朝鮮ネタ以外では、町山智浩の「言霊USA」と宮崎哲弥の「時々砲弾」がともに先月14日のコネティカット州の小学校での銃乱射事件に関連してアメリカの銃規制問題を取り上げていて、興味深く読みました。「なんで即規制をせんのか!?」(怒)のような素人っぽい反応とは無縁の、癖のある人柄(?)を反映した内容です。
 たとえば町山は「アメリカの学校では1980年代からの22年間で137の銃撃事件が起こり、計297人が死んでいる」「ミズーリ州では酔っ払って銃を持ち歩いてもOK。酔っ払い運転は逮捕されるのに!」「筆者が住んでいるオークランドという地域では年間100人以上、つまり3日に1人ずつ銃で殺される等々の具体的事例をあげています。
 また宮崎は「個人の武装という理念は、自立した個人の自由、国家権力の制限、コミュニティの自治など、いずれも近代市民社会が正の価値としてきたものに起源を持っている」という小熊英二の指摘や、丸山眞男が「豊臣秀吉の有名な刀狩り以来、連綿として日本の人民ほど自己武装権を文字通り徹底的に剥奪されて来た国民も珍らしい」と評しつつ「全国の各世帯にせめてピストルを一挺配給して、世帯主の責任において管理すること」を提案していた」ことを紹介しています。

 外交や国際関係の記事に接してしばしば感じる自分の、あるいは日本人の反発や違和感の背景に、その外国の社会意識・価値観を育んだ歴史と現実のほとんど動かしがたい重みがあることを痛感します。もちろん日韓関係の諸問題にも相通ずることです。

 韓国・北朝鮮ネタその① 「円安に脅える韓国サムスン ヒュンダイは没落する」
 12月18日付「朝鮮日報」の記事(日本語)「アベノミックス」による円安、韓国に懸念」(→コチラ。登録会員のみ)等を紹介し、安倍政権誕生による円安で内需も輸出も厳しくなる、と緊張を強めている、とこれは当然の予測。この記事ではさらに、欧米では「現代自動車の購買層も「本当は日本車を買いたいけれど、日本車の中古の値段で新車が買えるから」という移民やヒスパニックが中心」とヒュンダイと移民やヒスパニックをまとめておとしめて(?)「所詮、韓国製は「安かろう悪かろう」の域を脱していないのである」とここにきてにわかに強気な書きっぷり。オマケに今韓国は日本酒ブームということで「見栄っ張りが大吟醸を飲んで自尊心を満足させている」とか「円高メリットを享受してきたKポップの日本進出は激減するでしょうという産経の黒田勝弘特別記者の記事の引用?(出典不明)まで載せて締めくくってます。
※日本酒ブームについての黒田記者の記事(→コチラ)には「見栄っ張りが・・・」等の表現はないんだけどなー・・・。
※こういう日本ファンには「気持ちのいい」記事に即座に反応して私ヌルボより14時間以上も早くブログ記事をupし、<【「アベノミクス」に賛成!】と思われる方はクリックを!>とよびかけている「良識の人」もいらっしゃいます。→コチラ。しかしこの方、アベノミクスに対して期待以上の何か確証があるのかなー?
※この記事とは無関係ですが、韓国語に最も近いカタカナ表記は「サムソン」、「ヒョンデ」です。

 あら、もうけっこう書いてしまいました。まだ半分もいってないのに・・・。
 ということで、以下は<「週刊文春 新年号」を読む(下) 北朝鮮女生徒へのロック指導記録、池上彰による朴槿恵の経歴など>に続きます。
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