ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[4月9日(金)~11日(日)]

2010-04-13 23:31:22 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 私ヌルボ、先週は「海角七号 君想う、国境の南」「泣きながら生きて」を観ました。どちらも横浜のシネマ・ベティです。前者は台湾で歴代観客動員数が「タイタニック」に次ぐ2位という大ヒット作品とのこと。テーマは日本の敗戦前後の日本の青年教師と台湾人女性との淡いロマンスと別れ、それと現代の台湾と日本の音楽交流とかをからめています。植民地時代の日韓の男女のロマンスもいろいろあったでしょうが、この台湾映画のような設定の映画はかの国では作られることはないでしょう、今のところは・・・。
 「泣きながら生きて」は、日本で働く父親を中心に、何年もかけて中国人家族を追ったドキュメンタリー。文革当時の下放政策で教育を受けられなかった父親が、日本で必死に働いて、上海で母と暮らす娘の教育費を稼ぐのです。タイトルから、悲惨な物語かと思ったら、娘は両親の愛と期待に応えて、勉強を積んで望みをかなえるんですねー。大いなる家族愛と、家族3人の強靭な意志に脱帽しました。
 予告編で、韓国映画「クロッシング」の予告編を観ました。これについては別記事にします。

   ★★★ Daumの人気順位(4月13日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①境界都市2(韓国)  9.3(54)
②義兄弟(韓国)  9.2(1903)
③ハーモニー(韓国)  9.2(1372)
④ONE PIECE -FILM-  9.1(139)
    STRONG WORLD(日本)
⑤ミルク  9.1(50)
⑥アバター  9.1(4754)
⑦インビクタス/負けざる者たち  9.0(110)
⑧回復  (韓国)  8.9(99)
⑨キサラギ(日本)  8.8(48)
⑩恋するベーカリー  8.7(97)

 トップが「ミルク」から「境界都市2」に代わるなど順位変動はありましたが、10作品の入れ替わりはなく、とりたててコメントすることもありません。

【専門家による順位】

①アバター  9.3(8)
②預言者(A Prophet)   8.3(9)
③境界都市2(韓国)  8.2(8)
④シリアス・マン  8.0(6)
④パリ20区、僕たちのクラス  8.0(6)
⑥(500日)のサマー  7.7 (7)
⑦マイレージ、マイライフ  7.7 (4)
⑧ミルク  7.5(4)
⑨愛のうた、パリ  7.5 (2)
⑨大いなる静寂(スイス・独・仏)  7.5 (2)

 唯一の初登場、⑨「愛のうた、パリ」(韓国題「ラブソング」)は2007年カンヌ映画祭にも出品されたフランスのミュージカル。日本では2008年に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映しただけ。観た人の感想(かえるぴょこぴょこさんという人のすごいブログ)を読むと「ジャック・ドゥミの系譜にあるのミュージカル」というのもあって、ちょっと気を引かれます。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[4月9日(金)~11日(日)] ★★★
         「タイタンの戦い」が今週もぶっちぎり!

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・タイタンの戦い・・・・・・・・・・・・04/01・・・・・・・・554,174・・・・・・・・・・・・・・1,911,396・・・・・・・642
2・・ありがたい殺人者(韓)・・・・・04/08・・・・・・・・186,956・・・・・・・・・・・・・・・・223,350・・・・・・・295
3・・六連発銃強盗団(韓)・・・・・・・03/18・・・・・・・・・93,486・・・・・・・・・・・・・・1,068,421・・・・・・・303
4・・ザ・クレイジーズ・・・・・・・・・・・04/08・・・・・・・・・73,883・・・・・・・・・・・・・・・・・85,631・・・・・・・224
5・・プロポーズ・デイ・・・・・・・・・・・04/08・・・・・・・・・50,909・・・・・・・・・・・・・・・・・57,959・・・・・・・178
6・・グリーン・ゾーン ・・・・・・・・・・・03/25・・・・・・・・・43,320・・・・・・・・・・・・・・・・573,120・・・・・・・294
7・・シャッターアイランド・・・・・・・・03/18・・・・・・・・・38,918・・・・・・・・・・・・・・・・970,500・・・・・・・218
8・・不思議の国のアリス・・・・・・・03/04・・・・・・・・・19,937・・・・・・・・・・・・・・2,143,182・・・・・・・113
9・・家を出た男たち(韓)・・・・・・・・04/08・・・・・・・・・14,477・・・・・・・・・・・・・・・・・17,575・・・・・・・134
10・・アバター・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・5,365・・・・・・・・・・・・・13,330,694・・・・・・・・11

 先週に続き1位は「タイタン」の独走。2・4・5・9位が新登場です。
2位、原題は「반가운 살인자」。連続殺人、というから「チェイサー」のように怖い映画かなと思ったらコメディー。ホームズのような推理力をもつ失業者ヨンソク(ユ・オソン)に、刑事チョンミン(キム・ドンウク)は手柄を持っていかれそうで・・・という話のようです。
 4位、アメリカ・アイオワ州の田舎町で、善良な市民が、何かに感染したように、1人、また1人と、人間性を失って殺人鬼と化してゆく、というホラー映画だそうですが、1973年の同名映画のリメイク版。日本では未公開。1973年版は今年1~2月にシアター渋谷でレイトショー上映されたようです。
 5位は韓国題。原題は「Leap Year」で、ダブリンが舞台の米・アイルランド合作のロマンス&コメディ。、アイルランドでは「うるう年の2月29日には、女性からプロポーズしても良い」のだそうで・・・。(いつでもいいのに・・・。) これまた日本公開は未定。
 9位。原題「집 나온 남자들」は韓国語初級者でもすぐ訳せます。家出した妻を探すために夫(チ・ジニ)と彼の後輩(ヤン・イクチュン)、妻の兄(イ・ムンシク)が共に家を出てくりひろげるハプニングを描く。あの「息もできない」で監督及び主演(チンピラそのものだった!)で注目されたヤン・イクチュン、この作品では「コミカルなキャラクターを演じた」Innolifeの記事に出てました。
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韓国ドラマ「英雄時代」を読み解く[4] ミカ3型機関車のこと

2010-04-10 15:43:10 | 韓国ドラマ
 延々と続くドラマ「英雄時代」の第2部の読み解き。
 このペースだと全70話完結までに本何冊分になることか、との懸念もありますが、そのうち走り出します、たぶん。

⑤テソンは友人たちと家を出て汽車で元山に向かいます。その機関車のプレートにあるのが미카(ミカ)という字。
 ある鉄道ファンのサイトに、「「ミカ3型」とは、朝鮮総督府鉄道の旧「ミカ-サ」型、つまり「ミカド型の3番目」の形式の車両です」とあります。
 何度も思うことですが、どんな分野にも、すごく詳しい人がいるものです。
 しかし、このドラマ撮影のためにわざわざこのSLを走らせたんですかねー。「1981年から1983年に、慶州-釜山間で観光列車を牽引したこともある」と鉄道博物館の説明(ウィキ)にはありましたが・・・。

   
      【臨津閣に保存されているミカ3型蒸気機関車

 なお、現代韓国の代表的詩人の1人で、ロングセラーの「鮭(연어.ヨノ)」(邦題「幸せのねむる川」)の作家としても知られるアン・ドヒョン(安度眩)が、「鮭」同様<大人のための童話>として「蒸気機関車 ミカ」という本を出しています。物語の大略は次のとおりです。
 かつては韓半島の南側の海岸から大雪の降る満洲の野までひた走っていた蒸気機関車ミカですが、今は上記のサイトの写真にあるように、京畿道義王市にある鉄道博物館に置かれています。そこに昔の機関士が訪ねてきます。
 「消滅に向かってゆくミカと機関士は、たがいの傷と夢をいたわりながら存在に対し、生に対し、そして何かに向かって走る道と速度に対して、私たちにゆっくり語りかける」
 ・・・と、ある韓国サイトの説明文に記されていました。
 日本の鉄チャン同様、韓国の鉄道ファンも蒸気機関車には特別の思い入れがあるんでしょうねー・・・。(私ヌルボも、中学生時代SLに乗って通学したこともありました。)
 
     
   【アン・ドヒョン「蒸気機関車 ミカ」の表紙
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韓国ドラマ「英雄時代」を読み解く[3] ヴ・ナロードとハングル普及運動

2010-04-10 15:08:41 | 韓国ドラマ
 ドラマ「英雄時代」の読み解き、まだ第2話です。遅々たるあゆみですねー。(笑)

④テソンは夜間学校の若い先生から感化を受けます。
 この頃「東亜日報」によってヴ・ナロード運動が始められた、ということです。
 ヴ・ナロードとは19世紀社会変革をめざすロシアの学生たちが唱えたスローガンで、「民衆の中へ」という意味。つまり農村に入って社会主義の宣伝をしようというものです。高校の世界史の教科書にありましたね。

 朝鮮では、具体的にはハングル普及運動が進められましたが、総督府は1934年運動を中止させました。
 「東亜日報」では、今年の2010年2月8日から<「東亜日報」の中の近代100景>という連載を始めましたが、その第1回として、<文盲(非識字者)退治(문맹퇴치)運動>と題して1920年代後半~30年代前半に展開されたハングル普及運動をとりあげています。


当時80%近くもいたという非識字者をなくすため、学生に브나로드(ヴ・ナロード)をよびかけた。】

 また、10年以上(?)前に私ヌルボも観た映画「常緑樹」も、まさにその時代のこの運動を描いた作品でした。申相玉監督によるこの映画は、1962年の 第1回大鐘賞受賞作でもあります。<輝国山人>のHPにくわしい内容と写真があります。

  
【「東亜日報」が1931~34年<ハングル普及運動>の教材として作った「한글공부(ハングルの勉強)」

 次のネタも続けて書こうと思ったのですが、いつも記事の分量が多すぎる(約1000~2000字)という反省もあるので、いったん区切りをつけておきます。


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韓国ドラマ「英雄時代」を読み解く[2] 書堂、北間道など

2010-04-09 23:39:57 | 韓国ドラマ
 ドラマ「英雄時代」、ようやく第2話後半から時代が1930年にさかのほります。

 舞台は江原道の通川。鄭周永の経歴そのままです。
 江原道といっても現韓国領ではなく北朝鮮領。鄭周永のウィキによると通川郡松田面峨山里とあります。
 鄭周永の号の峨山(アサン)や、現代峨山という社名はこの地名からきているんですね。

 以下、ドラマ中で私ヌルボの目にとまった点を列挙します。

①主人公テサンの祖父は書堂(ソダン.서당.少年対象の学塾)の先生で、父は農夫だったとか。
 書堂は民間の庶民教育機関。とくに開設に許可は不要で、日本の寺子屋同様、今でいえば学校というより塾に近いですね。生徒は7~16歳の少年が中心ですが、20~25歳くらいの成人もいました。「千字文」や、「論語」等をテキストに、基本的に儒学を教えたといってよいでしょう。ハングルは蔑視されていたので、教わった文字は漢字のみ。
 韓国の時代劇等で、たまに子どもが書堂で「千字文」で漢字を勉強している場面があります。その最初が「天地玄黄」の4文字ですが、これを「ハヌル(하늘)天(チョン)、タン(땅)地(ジ)、コムル(검을)玄(ヒョン)、ヌルル (누를)黄(ファン)」というように音読して覚えていくわけです。
 韓国のウィキでは、書堂は高麗時代に始まって朝鮮時代まで続いたとありますが、日本の植民地時代にも、このドラマに描かれたり、下の写真に写っているように存続していました。今も年配の人の中には、学校に行かず書堂に通った人もいるようです。

  【慶尚北道星州郡:道山書堂の建物は道指定文化財

  【往時の書堂のようす

②「粥も食べられず北間島(プッカンド.북간도)に行く人もいるんだ」という言葉が村人の会話中にありました。
 北間島とは、豆満江以北の旧<満洲>、現在の中国吉林省東部の延辺朝鮮族自治州一帯をさします。詩人尹東柱もこの地(現在の龍井市)出身です。
 日本の植民地時代は、抗日運動の拠点ともなった所です。ちょうどこのドラマの時代にあたる1932年、日本のプロレタリア詩人槇村浩が反戦詩「間島パルチザンの歌」を発表しています。
 現在も多くの朝鮮族が居住していますが、「日帝の圧政から逃れて来た」というよりも、歴史的にはもっと古くから、飢饉等で食料事情が厳しくなると豆満江を越えてやってきたということのようです。
 私ヌルボが2004年延辺方面を訪れた時も、現地のガイド氏は「以前こちら(中国側)が苦しい時は朝鮮半島に行った人たちがいたものですが、この頃は北朝鮮から来る人が多くなっています」と語っていました。昔から、豆満江は(政治状況にもよるでしょうが)そんなに命がけで越えるような国境というものでもなかったと思われます。

※北間島の<島>とは、本来的には豆満江の中洲島をさしていたようです。

※北間島一帯は、歴史的にみて中国のナワバリなのか、それとも朝鮮のナワバリなのか、という問題は今も中韓両国の間でくすぶり続けています。この件については、ウィキの間島の項目中の間島問題、あるいはウィキの東北工程の説明を参照されたし。このブログでもそのうち取り上げます。

③テソンは病気の妹に「町に行けば日本人の医者がいる」と言います。
 日本人の医者は夜でも急遽駆けつけてくれたり、貧しいようすを見て診察料はいらないと言ったりします。「英雄時代」についてのウィキの説明文中に、「感情的な反日描写ではなく日本統治下の社会的な構造、人々の暮らしを素朴に表現するに留めている」とあるのはこの辺の描写のこともそしているのかも・・・。

※6月20日の追記
 6月20日の記事で、書堂について再びとりあげました。
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韓国ドラマ「英雄時代」を読み解く[1]

2010-04-08 23:48:41 | 韓国ドラマ
 ドラマ「英雄時代」は、韓国を代表する企業グループの<現代><サムスン>の創業者=鄭周永(チョン・ジュヨン)李秉(イ・ビョンチョル)の一代記というべき大河ドラマです。

 1915年生まれの鄭周永(ドラマではチョン・テサン)が満15歳だった1930年から、現代に至るまでのさまざまな歴史・文化の勉強になります。
 今後、時々その中からテーマを拾って記事にしていきます。
 日本放映が2007年ということで、すでに多くのブログでこのドラマを取り上げていますが、本ブログではあまりフツーの人が注目しない細部にこだわる等、独自の視点で書くことを心がけます。

 さて、ドラマの始まりは1930年からではなく、現代。
 第1話でまず驚いたのは、世紀グループ(現代グループのドラマでの名称)の会長チョン・サグクの自社社屋からの飛び降り自殺からこのドラマが始まっていることです。
 役名チョン・サグク、実は鄭周永の5男・現代峨山(アサン)会長の鄭夢憲(チョン・モンホン)が現代峨山のオフィスから飛び降り自殺したのが2003年8月4日。彼は金剛山観光事業推進の中心人物だったのですが、2003年2月5億ドルの対北朝鮮秘密支援が明らかになり、検察から厳しく追及されていたということです。

 このドラマが韓国MBCで放映されたのは2004年7月5日~2005年3月1日。自殺事件から約1年後に、出来事も登場人物もほとんど現実とそのまんまのドラマを作っちゃったんですねー。
「驚いた」というのはそういうことです。

 第1話の冒頭は、大雨の中、車に乗っているチョン・サグク会長が兄のチョン・イグク世紀自動車会長と日本(新宿)に出張中のパク・テチョル国会議員に無言電話をする場面です。
 チョン・イグク世紀自動車会長は鄭夢九(チョン・モング)現代自動車会長、そしてパク・テチョル議員は李明博現大統領(2008~)のことで、ますますもって日本ではありえない内容です。
※実際は2003年当時李明博はソウル市長だった。

 2001年に世を去った老チョン・テサン(=鄭周永)会長が、チョン・オグク(=鄭夢準.チョン・モンジュン)世紀重工業社長、パク・テチョル議員と話す場面(回想シーン)もありました。
ますますもって日本ではありえない内容です。また、現代グループとしても創始者の一代記はいいとして、2代目会長の自殺から始まるというのは見過ごせないと思うのですが・・・。

※ドラマ中のチョン・テサンの息子たちの名前を漢字で書いて実在のモデルと対照させると、
 グク(二国) =次男:鄭夢九
 グク(四国) =五男:鄭夢憲
 グク(五国) =六男:鄭夢準
 ・・・と、下の2人の数字がずれています。三男の現代百貨店会長鄭夢根がなぜかドラマではとばされているようです。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[4月2日(金)~4日(日)]

2010-04-06 19:36:59 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 結局、先月私ヌルボが観たは10本。このペースを維持すると年間100本を超えますが、プロ野球も始まったし、読みかけの本、読む予定の本もたくさんあるし、旅行もしたいし、まあ80本観られればいいかな、ってとこですねー。ちなみに、過去最多は年間104本でした。かなり昔ですが・・・。(100%毎日遊び暮らしてるわけでもないんですよ。念のため・・・。)
 4月4日の記事で<韓国映画ベスト20>というリストを載せましたので、まだの方、ぜひ見てみてください。

   ★★★ Daumの人気順位(4月6日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①ミルク  9.3(43)
②義兄弟(韓国)  9.2(1869)
③境界都市2(韓国)  9.2(43)
④ONE PIECE -FILM-  9.2(126)
    STRONG WORLD(日本)
⑤ハーモニー(韓国)  9.2(1346)
⑥アバター  9.1(4707)
⑦インビクタス/負けざる者たち  9.0(103)
⑧回復  (韓国)  8.9(97)
⑨キサラギ(日本)  8.8(44)
⑩恋するベーカリー  8.7(89)

 初顔は⑨「キサラギ」だけですね。韓国題は「キサラギ・ミキちゃん(키사라기 미키짱)」。単館系上映で、観てない人が多いと思いますが、良くできた脚本で、ホントにおもしろいです。オススメ!

【専門家による順位】

①アバター  9.3(8)
②預言者(A Prophet)   8.3(9)
③境界都市2(韓国)  8.2(8)
④パリ20区、僕たちのクラス  8.0(6)
⑤シリアス・マン  8.0(6)
⑥(500日)のサマー  7.7 (7)
⑦マイレージ、マイライフ  7.7 (4)
⑧ミルク  7.5(4)
⑨大いなる静寂(スイス・独・仏)  7.5 (2)
⑩クレイジー・ハート  7.2 (4)

 唯一の初登場は④は、2008年カンヌ映画祭パルム・ドール受賞のフランス映画。パリ20区にある中学校の1クラス、アフリカ・アラブ・中国等々、母語も出身国も異なる24人の生徒たちの1年間。国語教師と生徒たちとのスリリングなやりとり等を描く。日本公開は岩波ホールで6月12日。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[4月2日(金)~4日(日)] ★★★
         「タイタンの戦い」がダントツのトップ

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・タイタンの戦い ・・・・・・・・・・・・04/01・・・・・・・・929,997・・・・・・・・・・・・・・1,079,125・・・・・・・723
2・・六連発銃強盗団(韓)・・・・・・・03/18・・・・・・・・140,890・・・・・・・・・・・・・・・・909,740・・・・・・・342
3・・グリーン・ゾーン ・・・・・・・・・・・03/25・・・・・・・・103,817・・・・・・・・・・・・・・・・492,103・・・・・・・301
4・・シャッターアイランド・・・・・・・・03/18・・・・・・・・・89,325・・・・・・・・・・・・・・・・898,764・・・・・・・258
5・・不思議の国のアリス・・・・・・・03/04・・・・・・・・・46,959 ・・・・・・・・・・・・・・2,113,540・・・・・・・224
6・・暴風前夜(韓)・・・・・・・・・・・・・・04/01・・・・・・・・・27,542・・・・・・・・・・・・・・・・・34,404・・・・・・・158
7・・秘密愛(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・03/25・・・・・・・・・17,986・・・・・・・・・・・・・・・・151,716・・・・・・・288
8・・義兄弟(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・02/04・・・・・・・・・13,135・・・・・・・・・・・・・・5,442,964・・・・・・・140
9・・アマゾンの涙(韓) ・・・・・・・・・・03/25・・・・・・・・・・9,193・・・・・・・・・・・・・・・・・52,859・・・・・・・・59
10・・ソロモン・ケイン・・・・・・・・・・・03/25・・・・・・・・・・8,288・・・・・・・・・・・・・・・・122,081・・・・・・・215

 1位と6位が新登場です。
 1位、ギリシア神話の物語を3Gで、というファンタジー&アクション。第1週での100万人超えは、「アバター」の166万人には及ばないものの、独走のトップ。日本では4月23日公開。
 6位は、秘密を隠し持つ脱獄囚が、過酷な愛の傷で心を閉ざしてレストランを経営している女性に出会って繰り広げる特別なラブストーリー、なんだそうです。
 8位「義兄弟」はベストテン内8週目。(「アバター」は12週連続だった。)
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[韓国]4月5日は「植樹の日」だって・・・・

2010-04-05 23:53:13 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 「えっ、それも知らないのか?」(에이,그것도 몰라?)
 辛淑玉が4月5日が植林の日ということを知らないで、韓国の役人に馬鹿にされた、と「愛と悲しみの韓国語」(文春新書.絶版?)で書いています。

 いつの話だかはわかりませんが、韓国人が在日に厳しい状況は多少は変わってきてるのでしょうか?

 さて植林の日、韓国語では<식목일(植木日.シンモギル)>です。

 1949年から公休日に指定されたとのことです。なぜ4月5日なのかというと、韓国ウィキによれば、677年新羅が唐の勢力を追い払った陰暦2月25日を陽暦に直したとか(←植樹と関係ないじゃん)、朝鮮時代成宗が、東大門の外にあった先農壇で祭祀を行った日ともいうとか・・・。

 まあそんなわけで、戦後長く韓国では祝祭日として続いてきた日なんですね。
 あっ、韓国語では一般に祝祭日を<赤い日(パルガンナル.빨간날)>というようですよ。

 ところが、わりと最近の2006年から、植樹の日は公休日から除外されました。同じく、公休日だった制憲節(7月17日)も2008年から公休日ではなくなりました。

 背景はというと、盧武鉉政権の時の2005年、週休2日制(韓国語では週5日制)が導入された際、財界側の要求も容れて、公休日を減らしたということです。

 公休日の減少は韓国の庶民の不満のタネにもなっているようですが、それというのも週休2日が必ずしも実現していないからです。
 今日のプレシアンの記事によると、週休2日制の適用範囲は従業員300人以上の事業所と公共機関や学校に拡大されたものの、ただでさえ厳しい経済状況下、中小企業で働く大多数の労働者はいつ首を切られるかもしれない戦々恐々とした中で、土曜日でも休みをとったりできない状態にあるとのことです。

 日本人は働きすぎといわれてきていますが、韓国はさらに厳しいようですね。

※韓国について書かれた本で、ハングルの日(10月9日)というのも出ていますが、この日も1990年、平日の数を増やそうとする韓国財閥の圧力で国軍の日(10月1日)とともに公休日から外されました。

※関連で、日本の全国植樹祭というのも私ヌルボ、ボンヤリとしか知らなかったのでちょっとウィキ等で見てみましたよ。
 今年の第61回全国植樹祭は、5月23日(日)神奈川県秦野市で開かれるそうで・・・。そいつぁ知らなかった。神奈川県民の何%が知ってるんでしょうね?
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150本の中から選んだ・・・ ★韓国映画ベスト20★

2010-04-04 11:10:50 | 韓国映画(&その他の映画)
 昨年8月16日に[ヌルボの韓国映画の思い出 & ★韓国映画ベスト12]と題した記事をupしました。12という中途半端な数になっているのは、[ベスト10]のつもりで並べていったのですが、「オールドボーイ」「ほえる犬は噛まない」も未見のひとにはぜひ観てほしい秀作だし、リストから外せないという思いからワクを拡げた結果です。

 その後観た映画の中で良いのもあり、また過去の映画を<シネマコリア><輝国山人>のサイト中のデータベースを基に確認して、今回改訂版として[ベスト20]を作成しました。
 以下の通りです。

[ヌルボの韓国映画ベスト20]
順位・・・ 「 作品 」(監督.公開年)
1位・・・・ 「神様こんにちは」(ペ・チャンホ.1987)
2位・・・・ 「風の丘を越えて ~西便制」(イム・クォンテク.1993)
3位・・・・ 「息もできない」(ヤン・イクチュン.2008)
4位・・・・ 「猟奇的な彼女」(クァク・チェヨン.2001)
5位・・・・ 「僕が9歳だったころ」(ユン・イノ.2004)
6位・・・・ 「ペパーミント・キャンディー」(イ・チャンドン.1999)
7位・・・・ 「八月のクリスマス」(ホ・ジノ.1998)
8位・・・・ 「われらの歪んだ英雄」(パク・チョンウォン.1992)
9位・・・・ 「グエムル 漢江の怪物」(ポン・ジュノ.2006)
10位・・・・「殺人の追憶」(ポン・ジュノ.2003)
11位・・・・「過速スキャンダル」(カン・ヒョンチョル.2008)
12位・・・・「灼熱の屋上」(イ・ミニョン.1995)
13位・・・・「おばあちゃんの家」(イ・ジョンヒャン.2002)
14位・・・・「オールドボーイ」(パク・チャヌク.2003)
15位・・・・「ほえる犬は噛まない」(ポン・ジュノ.2000)
16位・・・・「妻が結婚した」(チョン・ユンス.2008)
17位・・・・「母なる証明」(ポン・ジュノ.2009)
18位・・・・「シークレット・サンシャイン」(イ・チャンドン.2007)
19位・・・・「子猫をお願い」(チョン・ジェウン.2001)
20位・・・・「馬鹿たちの行進」(ハ・ギルチョン.1975)

 今回は、20位に何を入れるかおおいに迷いました。
 「鯨とり コレサニャン」「ディープ・ブルー・ナイト」の1984年ペ・チャンホ監督の2作品や「霧の村」(イム・クォンテク.1983)も捨てがたいし、「春の日は過ぎゆく」(ホ・ジノ.2001)も良かったなあと考えてみたり・・・。

 これまで観た映画の本数を数えなおしたら、若干の誤差はありますが、ちょうど150本。北朝鮮のもの10数本は含みません。

 このリスト、次の改訂版はずーっと先になるでしょう。それより先に、心に残る男優・女優というのを考えています。日本の俳優ならすんなり出てくるんですが・・・。山田五十鈴、久我美子、左幸子・・・、古~い、ですか? やっぱり。
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寸感:北朝鮮の公開処刑報道

2010-04-03 23:56:05 | 北朝鮮のもろもろ
 「FLASH」なんて見たのは何年ぶりかなあ?
 4月13号。表紙の「袋とじベスト10年史」とか、誰だかの「Hカップこぼれた!」に惹かれたわけではなく、もっと大きい字で「私は見た! 北朝鮮「恐怖の公開処刑!」とあるのが目に入ったから・・・。

 しかし、北朝鮮の公開処刑など、これまでTVでも放映されたし、各メディアでさまざまに伝えられていて、それほど衝撃的とも思われず、いまさら、といった感じではないでしょうか? まあ「袋とじ」だの「Hカップこぼれた!」も同様でしょうけど・・・。写真週刊誌の苦しい現状が察せられます。

 さて、その記事内容はと一応見てみると、最初のネタが、デノミ政策の失敗のため担当者だった朴南基(パクナムギ)党計画財政部長が処刑された可能性が高い、ということ。しかし、このネタはすでに各メディアで報じられています。ただ、これまで何十回も公開処刑を見たという脱北者・李相峯(イサンボン)氏(58)によれば、朴南基の処刑が事実だとしたら、民衆の前ではなく、党幹部だけを集めて処刑されたはずとのこと。

 また李相峯氏は、公開処刑とその前後のようすを具体的に語っています。

 公開処刑で悲惨なのは、「罪人のすぐ前には家族や親族が座らされ」ること。
 これについては、昨年10月26日の記事で紹介した「収容所で生まれた僕は愛を知らない」にも記されていました。シン・ドンヒョクの母と兄はその地域から脱出を試みて失敗し、 彼の目の前で公開処刑されました。

 現在世界で200ばかりある主権国家で、公開処刑がふつうに行われている国がどれほどあるのでしょうか?
 同じ21世紀初頭に存在する国にも、今日びあまり使われなくなっている<発展段階>論的観点からみて、かりに下記の4つの類型に分けて考えてみましょう。

①近代以前の段階にとどまっている国
②<国民国家(近代国家)>の形成に向けて内部対立・抗争の状態にある国
③機構・制度も国民の意識も<国民国家(近代国家)>の真っ只中にある国
④<国民国家(近代国家)>の力が弱まり、<国>に対して<個人>や<世界>、<地域社会>等が力をもちつつある国

 日本やEUは④です。韓国は④のちょい前の③です。中国は③です。
 で、北朝鮮は①。決定的な指標としては、近代国家の前提の、政治的権利を有する自由な市民が創出されていない、ということ。

 そして、この公開処刑自体北朝鮮が近代以前の国家であることのあらわれ。
 江戸時代、一揆の要求事項が認められた場合でも、一揆の指導者ははりつけに処せられ、またその処刑場には村人皆が行って刑の執行を見とどけなければならなかったそうです。
今の北朝鮮も同じだそうです。

 ニュースとしての衝撃はなくても、重い事実が現在も厳然としてあるということです。「Hカップこぼれた!」とかと一緒にポイ捨てしてはならない記事だと、マジで思います。
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「にあんちゃん」が角川文庫に・・・

2010-04-02 23:46:02 | 韓国・朝鮮に関係のある本
 昨日発売の「週刊文春」(4月8日号)はいろいろ興味深い記事がそろってました。
 シネマチャートでは、なんと前週の「息もできない」に続いて「第9地区」が合計★24の高ポイント。おすぎは「早々ですが”今年ナンバー1”の映画です」とまで書いてます。そういえばこの映画も、3月21日の記事で紹介したニッポン放送の映検1級の放送作家松崎氏が推薦してましたねー。

 興味深い記事その2は堀井憲一郎のずんずん調査。今号ではサリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」の野崎孝・訳と村上春樹・訳の比較。この件については今までもいろんな所で取り上げられていますが、具体的な比較を見たのは初めて。違いがよくわかります。
 野崎・訳「たまったもんじゃないよ」⇔村上・訳「めげるしかないじゃないか」とか、野崎・訳「やぼくさい冗談」⇔村上・訳「気の抜けたジョーク」等々、村上・訳の方が当世風(現代的とすべき?)でしょうが、昭和人の私ヌルボとしては野崎・訳に親しみを覚えます。ただ、野崎・訳「よた者」(⇔村上・訳「やくざっぽい連中」)でさえ死語になりつつある今、野崎・訳「一席、よたをとばしてやった」なんて「意味わかんなーい」という日本人は多くなっているでしょう。(⇔村上・訳「ひとしきりまくしたてた」)

 その3。これが本題です。
 林真理子の「夜ふけのなわとび」。概して「そいつぁけっこうなことで・・・」という内容で、小林信彦の「本音を申せば」ほど気を入れて読んではいないのですが、今号は安本末子「にあんちゃん」(角川文庫)についていろいろ書かれているので精読しました。

      

 「にあんちゃん」という本は、半世紀も前のベストセラー。安本末子さんという佐賀県の炭坑町で暮らす在日朝鮮人4人兄妹の末っ子の日記なのですが、母は彼女が3歳の時に死別。そして9歳で父も亡くなるのですが、日記はその49日後から始まります。20歳の長兄を筆頭に、困難な境遇の中で健気に生きる姿が綴られた内容に多くの人が感動したのです。

 林真理子の一文を読むまで、この本が最近文庫になってるとは知りませんでしたよ。昔の本が文庫化されるというと、ドラマ化・映画化等と連動してということが多いようですが、これはそうでもなさそう。さっそく最寄りの書店で買ったら、帯に「私の座右の書だ。斎藤孝先生大絶賛!」とありました。さらに、「座右の書だ」の上は「この日記を読むと、真人間になる。何かがしゃんとする。」ですよ。私ヌルボなんか、読んでなくても真人間なんですけど・・・。斎藤先生推薦だけでってことはないでしょうが、角川書店ではなんでだか売れると判断したんでしょうね。

 しかし、今「にあんちゃん」と聞いて「ああ、あの・・・」となにかしら思い浮かぶ人は何歳以上になるんでしょうか? 最初に光文社のカッパブックスとして刊行されたのが1958年、映画化されたのが翌59年。1954年生まれの林真理子が「小学生の私の愛読書だった」ということは、50歳以下の人は知らなくて当たり前ってことですかねー・・・。

 私ヌルボは、小学校だかで映画は観たような気もしますが、本は読んでいません。しかしおよそどんな内容だったかは記憶に残っていました。
 数年前、特別上映だかで「にあんちゃん」の映画を観る機会があって、その時炭坑があった場所が佐賀県入野村の大鶴だったこと等を知りました。(半世紀どころか数年前の記憶も定かではないとはナサケナイ。) 今観ても、とても感動的な映画でした。(陳腐な表現で、これまたナサケナイですが・・・)

 今日の記事では、「にあんちゃん」の内容自体についてはふれません。じっくり読み通し、もう少し関連事項を調べた上で続きの記事にまとめます。

 韓国ドラマや北朝鮮の拉致や核問題等の情報は各メディアに溢れていますが、在日に対する関心は薄くなっているようです。このような本を通じて、今一度見つめなおす意義もあると思います。
 ただ、今の若い世代の人たちが読んで、半世紀前の日本人と同じように感動するかどうか? ヌルボは予測がつきませんです。

※あれっ? アマゾンを見たら、この本「一時的に在庫切れ」だって。もしかして「週刊文春」効果?
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映画「息もできない」に頻出する韓国語のスラング等

2010-04-01 20:00:22 | 韓国語あれこれ
 映画「息もできない」で女子高生役を好演した女優がキム・コッピ。韓国最高の映画賞・大鐘賞で新人女優賞を受賞しました。大鐘賞と並んで権威のある青龍映画賞の新人女優賞は、彼女と「過速スキャンダル」のパク・ポヨンの2人が受賞しました。この2人は、他の映画賞もいろいろ受賞しています。

 ところで、映画館で開場を待つ間、何となくポスターを見ていて目に入ったのがそのキム・コッピという名前。なんともヘンな名前だなあと思いました。
 「コーヒーは口を開き気味にした<コッピ(커피)>で、口を丸めて突き出し気味に<コッピ(코피)>と発音すると鼻血になるから要注意!」とは、韓国語学習者なら誰もが初級の頃に教わったりテキストで読んだりすることでしょうが、<鼻血>はもちろん、<コーヒー>なんて名前もまさかないよなー、と思いつつ、あとで確認してみると<꽃비>とありました。<花>(꽃.ッコッ)の<雨(비)>という意味なんですねー。たしかにカタカナだとコッピと書くしかないです。

 本題に入ります。
 「息もできない」のセリフ(韓国語でテサ.대사.台詞)の多く、とくに主人公のチンピラ、サンフンが発する言葉はボキャブラリーが貧困な上、そのほとんどが卑語です。

 その中に、<(ニョン)>という言葉がありました。私ヌルボは最近読んだ小説(パク・ミンギュ「朝の門」)で初めて知った単語ですが、実際に耳で聴き取ったのもこの映画が最初。女性に対する蔑称で、<アマ>と訳されることが多いようです。
 「이 년」(このアマ)、「악독한 년」(あくどい女め)のような用例が辞書にあります。

 映画中の屋台=<포장마차(ポジャンマチャ)>の場面で、サンフンが女子高生の名前ハン・ヨニ(한연희)に引っかけた言葉遊びめいた冗句を口にします。

 「한 년이 두 년이 세 년이 네 년이 이 썅년아
 ハンニョニ、トゥニョニ、セニョニ、イ シャンニョナ
 (1人のアマ、2人のアマ、3人のアマ、4人のアマ、このアマめ)

 ハン・ヨニ(한연희)は、漢字だと姓が韓で、名はヨン=娟・姸・延などと、ヒ=姫・喜・煕などの組み合わせで、区切って読むとハン・ヨン・ヒですが、名前はふつうに続けて発音してヨニ、姓から続けるとハニョニになって、上記の<한 년이(ハンニョニ)>=<1人のアマ>と同じになってしまうんですね。

 韓国のポータルサイト<NATE>中のヤン・イクチュン監督についてのページに、ネチズンが記憶に残った名セリフをあげていて、その中で전상규(チョン・サンギュ)氏もこのセリフがありました。

 そのサンギュ氏、(포차에서 ㅋㅋㅋㅋㅋㅋㅋㅋㅋㅋㅋ씨발 존나 웃기네)と感想を記してますが、これも俗語のオンパレード。
 「屋台で。ハハハハハ、コイツすごい笑わせるぜ」とでも訳すしかないですかねー。
 <포차(ポチャ)>は<포장마차(ポジャンマチャ)>の略語。<ㅋㅋㅋㅋ>はネットでおなじみの笑い声。

 <씨발(シバル)>(この野郎)は<씨팔>、<씨빨>等とも綴られ、韓国の代表的な罵倒語としておなじみ(?)。韓国語を知らない人でも、この映画を観れば記憶に残るくらいの頻出度です。
 四方田犬彦・金光英美「ためぐち韓国語」(平凡社新書)をみると、数の18=십팔(シッパル)と発音が紛らわしいので要注意と親切に書いてくれています。
 なお、この言葉、韓国のネット上では<ㅅㅂ>と子音だけの略語(준말)でよく使用されています。ついでに、<>と逆にすると、これも<병신(ピョンシン.病身)>という罵倒語になります。

 シバルの延長で<씨발라마.シバルラマ>というのも出てきます。先のNATEのページ中のネチズン이항준(イ・ハンジュン)氏は「セリフの80%」と書いてます。まさかそこまではいきませんが、何度も出てきます。私ヌルボは、もしかして「シバル+アマ(日本語)」かな、とも思ったのですが、韓国サイトで探ってみると、<씨발놈아.シバルロマ>(=シバルの奴め)がなまったものらしいです。

 スラングとなると、ふつうの電子辞書にも載ってないのが多くて、なかなかわかりにくいですね。先に出てきた<썅년>も女性への罵倒語だと思われますが、少し調べてみても語源等はよくわかりませんでした。

 上記のネチズン、サンギュ氏の感想中の(・・・존나 웃기네)の<존나(チョンナ)>にもてこずりましたが、YAHOO知恵袋の中にまさにピッタンコのQ&Aがありました。<めっちゃ>というような意味ですが、英語のfucking~よりもひどい感じの卑猥語で、イ・ヒョリが使って批判を受けたそうです。

 韓国語スラングの世界、めっちゃ奥が深いですね。まあ、実際に使うことはないと99.9%断言します。私ヌルボが品がいいから、ということもありますが、それ以上に語学学習上レベルが高すぎるので・・・。

[2013年5月20日の追記]
 上記<썅년>の語源がわかりました。昔両班以外の庶民の常民(상민)の女性を軽蔑的に상년(サンニョン)と言ったのが今でも女性への罵倒語になり、それが強く発音されて쌍년、さらに썅년になった、というものです。詳しくは→コチラ参照。
コメント (4)
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