愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

これを奇蹟と呼ばずして

2012-01-22 23:55:12 | がんばれ、シェラ!

☆どっこい、まだまだ生きてやる! 
 シェラの生命力のすごさにはただただ驚くばかりである。
 この週末にシェラが急変してしまうのではないかというぼくの心配は杞憂に帰した。土曜日に会社の行事があって、日帰りとはいえ東京を離れるのでシェラのことを気にしながら毎日を送ってきた。だが、シェラはたいした変化も見せずにしっかり生きている。
 
 こんなうれしいことはないはずなのに、正直なところぼくは戸惑っている。ふと気がゆるんだ瞬間にシェラがあっけなく死んでしまうのではないかと恐れたのである。だから、戸惑っているというよりは油断すまいと気を引き締めているといったほうが妥当なのかもしれない。

 間違いなく首の癌病巣もしぼんでいる。癌のために呼吸が苦しくなるような兆しはない。食道を圧迫していると感じることもない。うしろ足――とりわけ左の足が弱っているのは否めない。あとは、その日にもよるが、朝のご飯が食べられなくなっている。食欲がないのだろう。

 だが、午後、あるいは夜になると食欲が戻ってくる。好きなものだと貪るように食べる。無味乾燥なドッグフードなど、どのように変化をつけてやってもおいしくなんかないのだろう。しょせんは生存のための食餌に過ぎない。シェラもすっかり口がおごってしまっているのだから……。


☆弱っているはずの足で傾斜地を登る 
 今朝、薬も切れてしまったことだしというので病院へ連れていった。体重は20.58キログラム。ほとんど減ってない。それでも多少痩せたのと季節が冬というのがシェラの生命力の復活にひと役買ってくれているのかもしれないと先生も肯定的に認めてくださった。 腎臓の機能が落ちていてもそれなりに順応しているのだろう。鶴間公園で出逢った方が教えてくださったとおりになっている。 


 これこそが奇蹟ではないだろうか。2012年という新しい年をともに迎えることができるだろうかとヤキモキしたけど、いまはともに桜の季節を迎えようと目標を先に置くことにした。きっと迎えることができると信じようと思う。

 今日はぼくのほうが昨日の小旅行の疲れがあったので、南町田へ出かけた。アウトレットモールに隣接するパン屋さんのテラス席でけっこう本格的な美味しいフレンチのランチをいただき、グランベリーモールの駐車場へクルマを入れてモール内だけ散歩するつもりだった。

 だが、シェラが承知しない。やっぱり隣の鶴間公園へ向かって歩き出した。気力は健在だし、もし、歩き通せれば体力だってそれほど落ちていないという証になる。公園を横切り、外れの水場で水を飲み、高台の芝生広場へ向かう。そこへいくには斜面を登らなくてはならない。シェラは途中で足を止めようともせず、けんめいに歩いて広場へ着いた。


 シェラを生き永らえさせてくれているこの冬が終わると、この公園にも桜の季節がやってくる。そのときは、平日、会社を休んでシェラとここへこようと思った。ゆっくりと静かに桜を堪能しよう。17年間のシェラとの思い出を噛みしめながら生命の季節を感じるのだ。シェラの身体に起こっているこの奇蹟に感謝をこめて……。