九州北部と中国地方で梅雨が明けたという。午後、そのニュースを、遠くから雷鳴の響く灰色の雲に覆われた梅雨空を横目に見ながら聞いた。どうやら、東京の梅雨明けは週末近くになるらしい。
雨具が欠かせないのもあとわずか。雨が上がっていても、途中で降られはしないかと空を見上げながら出かけたり、きょうの夕方の散歩のように、実際に降られて逃げ帰ってくるなんていうのも、これからはそうたびたびあるわけじゃなくなる。
しかし、夏の暑さがワンコにとってはなんとも深刻なのはわかっている。朝の散歩は遅くも5時半、できたら5時には出たい。夕方の散歩は午後5時だってまだ暑い。日がかげってからも、熱さが残るアスファルトの路面に気をつけてやらなくてはならない。
とくにコーギーは四肢が短いから路面からの輻射熱によるダメージが大きい。
10年前の7月、同じコーギーのむぎが死んだ日も梅雨の中休みで暑い朝だった。散歩を早々に切り上げて帰ったが、すでに遅かった。むぎはぼくが死なせてしまったも同然だろう。
夏の暑さから逃れるすべなどない。都会の夏は、ワンコたちには地獄の責苦だ。いつだって、暑さに喘ぐワンコたちをハラハラしながら見守ってきた。いっとき、八ヶ岳のふもとに住もうかと本気で考えて行動したのだって、ひとつは愛する犬たちを夏の暑さからなんとかしてやりたかったからだ。
今年もまた暑い夏がもうすぐはじまる。齢(とし)をとった同士、なんとかこの無慈悲な季節と折り合って暑さをやりすごそう。