今日は久々のお休み。久々なのでグズグズで終わりという事のないように映画を観に行く事にしました。
オリバー・ストーン監督の新作「ワールド・トレード・センター」です。9.11のワールド・トレード・センターで救助活動に向かった消防士の活躍を描いた映画・・・では無くて、救助に向かったけども一人も救助することなくビルが崩壊してしまい瓦礫の下に閉じ込められてしまった消防士が生還するまでの実話を淡々と描いた映画でした。スケールのデカすぎる被害の背景にしては題材は地味ですが、実にじっくりと描かれていて見応えがありました。テロとかそういうテーマではなく日常の人々の繋がりや絆を描いた作品。何度か見てる側にもキツいと思わせるような閉鎖感とか恐怖も味あわせてくれて、人物に感情移入も出来て各人物それぞれの気持ちや想いが伝わり、後半では何度か涙が溢れました。色んな事を考えさせられる映画で見終わってからも、しばらく色んな想いが頭の中で渦巻きました。でも、見終わって重たい気分になる映画じゃなくて、どこか癒しじゃないけどもそんな感じの残る映画でした。映画の中ではあのニュースで何度も見た衝撃的な映像等はあまり直接的には使われず描かれません。色々な配慮等もあってそうしたのでしょうが、そこは、やっぱりちゃんと見せた方が僕は良かったと思う。ずっと瓦礫の中という設定で見せ切った所は見事でしたが、外の状況がどの段階のものなのか?やもう一度、テロについて(何故テロが起きたのか?何の為にテロをしているのか)についても考えさせる為にも飛行機が突っ込む映像。崩れるビルの映像は見せた方がいいとは感じたな。
映画としては実に素晴らしい出来で良かったので文句は無いのですが、オリバー・ストーンが監督しているという事なのでJ.F.K.の映画のように大きな問題定義なんかも投げかけて欲しかったという欲求も残る。
やっぱり、そこら辺はアメリカ人としては触れてはいけないものがあって避けているような感じはした。実に潔く奇跡の救出劇の物語になってました。素直に遺族の方等、事件に関わった人々へ捧げた映画だったと思う。映画としてはそれでいいとは思います。
そこで、話変わって、今後描いて欲しい別の現実について。救出に向かった消防士他、警察官等、ヒーローと呼ばれている人たちへの国の現在の扱いについてはオリバー・ストーンに是非、描いてもらいたい。あのビルの瓦礫の塵を吸って救助活動をした多くの人が現在、肺の病気やガンに侵されているという現実を見過ごしているという事。彼らをヒーロー扱いして賞賛する一方で、その病気に対しての国や市の保証が全く無いと聞く。(ようやく一件は国も病気の原因をビルの塵のせいだと認めたようだが)やはり全ての人の保証を行なうには金額的に凄い事になるので因果関係もはっきりしている事が分かっていても、ある意味、見捨てているという現実。過去にもベトナム帰りの軍人に対して国がしたような冷たい対応を繰り返しているように思います。
それから、飛行機がビルに突っ込む、ビルが崩れるという映像が規制されているのか分かりませんが、しっかりとあの後、テレビ等でじっくりとは検証されてない気がします。っていうか何か隠してるような気さえします。改めてYouTUBEで当時の映像を冷静に見直してみたのですが、なんか当時から気になっていた色んな矛盾点、疑問点が蘇ってきました。それにしてもビルの崩壊は見事過ぎる。飛行機が突っ込んだだけでビル全てが跡形もなくなるまで崩れるっていうのは不思議。崩れ方がプロの爆破班がやったかのように見事。そして、犯人のパスポートが見つかったとか、当初、混乱からかもっと多くの飛行機がハイジャックされてると報道のあった他の飛行機のその後の情報はあやふやで修正の報告は聞いていない。等、どうも何かJ.F.K.の暗殺の時のように何か大きな嘘で固められているような見えないアメリカの暗部が潜んでいるような気がしてしょうがないのは僕だけの妄想なのでしょうか?分かりませんが気になります。
映画の話に戻って・・この映画のプロデューサーはデボラ・ヒルさんでした。僕の中ではホラー・SF映画の名プロデューサーでどちらかというと低予算ながらアイデアで面白い映画を作ってくれるという人だったので、その人がまだ活躍していて、こんな大きな予算のっていうかテーマの映画を作った事に対して驚きと何か大きな事をやってくれたという嬉しさみたいなものを感じましたが、パンフを読むとデボラ・ヒルさんの遺作となったとの事。1年以上前にガンで亡くなっていたようです。これには、かなりショックを受けました。
今まで多くの僕を楽しませてくれる映画を作ってくれてありがとうございました。映画は善し悪し色々ありましたが今でも心に残る作品が結構あります。合掌。
