寝ていて外で物音がしたような気がした

寝ていて外で物音がしたような気がした

時計を見ると午前3時ちょっと前だった

起きてカーテンの隙間から外を見てみた

次に隣の部屋へ行って静かに障子を開けて見た

あの大地震があってから枕元には懐中電灯を置くようにしているが

夜目でも何となく見える

今夜は半月だ

今のところ異常はないようだ

もしいきなり明かりをつけて不審者でもいたらどうなるかわからない

とにかくそっと暗闇の中を移動する

反対側の部屋にも行って外を覗いてみた

こちらも特に異常はない

最後にトイレの窓から懐中電灯で照らし

家のまわり全方向に異常のないことを確認した

それでは一体なんだったのだろう

近くを通るバイパスを大型のトラックでも通り

荷台の何かが大きな音をたてたというのが現実的のような気がする

可能性は低いが冷蔵庫の製氷機がカラカラ音をたてたのを

夢うつつで勘違いしたのかもしれない

大きなカブトムシが窓にぶつかった可能性もある

あるいは

まったくの気のせいだったということも考えられる

そんな事をして寝床に戻ったけれど

今度はすぐに寝られない

今回は何事もなくて良かったけれど

もし万一不審者が来たらどう対応したらよいのだろう

懐中電灯の他に木刀でも用意しておくべきか？

しかしながら不審者が何人もいたらどうする？

剣道初段ではあるが、何十年も竹刀を握っていない名前だけのぎっくり腰おじさんなのである

なんの役にもたたないだろう

今の時代

監視カメラや全方向を照らすライトなど設備するほうが余程役に立つかもしれない

もし不審者が地球外生命体のようなものだったりすると

これはもうお手上げで密かにベッドの下に隠れているよりしょうがないかもしれない

などと考えているうち

いつの間にか朝になっていた

ああ良かった

何事もなく無事朝を迎えられた

当たり前のように一日が始まり

そして時が流れていく

しかし

いつ何が起きるか解らないのも事実

殆どの心配事は起こらないも知っている

気にしすぎるのも困るが

ほんの少しだけ心の隅っこに備えをしておきたいものだと思った