栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

たそがれの3歳児~その5

2012-12-23 19:28:41 | 作り話
たそがれの3歳児その1

たそがれの3歳児その2

たそがれの3歳児その3

たそがれの3歳児その4



そういうわけで

たそがれの3歳児と御一行様は

敵の妨害に会うわけでもなく

雨や嵐に襲われるわけでもなく

あるいは宇宙人の襲撃を受けるという

波瀾万丈ハラハラドキドキというドラマもなく

キラキラ輝く星空の下をクリスマスツリーの飾りのように

ホタルがいっぱいくっついた木の横を通りぬけ

呑気に楽しく

オオクヌギの木のところまでたどり着いたのであった

「なんだ?これは」

オオクヌギの木には

「Welcome!オオクワガタツリーへようこそ!」なんて札がぶら下がっている

「なになに?・・・入場料大人1000ゼニー・子供500ゼニー・・・ってなんだこりゃ。」

オオクワガタ饅頭なんて看板もある

時間犬が構わずズンズン入っていってドンドンと戸を叩いた

「おれだ!おれだよ。」と言うと

中から

「オレオレ詐欺にはダマされないよ!」と言う声が返ってきた

こんどは送り狼が

ドンドン「オオクワガタさんいてまっか?」と言うと

「何だい?お客さんかい?ちょっと待ってておくれよ」

そう言って出てきたのは金色のオオクワガタ?

みたいだけど

何かおかしい?

おねえの兵隊アリが

「あんた本当に金色のオオクワガタ?なんか変ねえ。」と言うと

「どこが変なんだい?」と言いながら妙にソワソワしている

「隠れ婆さんの所にいた金色のオオクワガタと声も違うしねえ?」

たそがれの3歳児が

「オオクワガタの臭いじゃない。」と言った

たそがれの3歳児は臭いや、音には敏感なのであった

そう言えば後に見えているそのシッポはなんじゃ?

オオクワガタにシッポなんかあったかしら?

「オオクワガタさん。そのシッポはなんですか?」

「え!こ・これは・・・今流行ってるんだよ。付けシッポが。この辺ではねえ。ホーホ・ホ・ホ♪」

「ほほう~つけシッポですか~。」と言って時間犬がそのシッポを踏んづけると

「イタタタ!何をするんだい。」

「つけシッポでも痛いんですか?」

「う!・・・そ・それは・・・。それより何か用かい?」

おねえの兵隊アリがニヤリとして

「今日は素敵な物をお持ちしましたのよ~。この宝石をオオクワガタさんの金色の羽に飾ったらとても素敵ですわよ~。」

どこから出したのか?このアリはいつの間にセールスマンになったんだ?

そう言いながら

「まあ~キレイ!素敵なゴールドの輝きですわ~。」と甲高い声を出しながら

オオクワガタの背中にまわり

グイと引っ張ったら

中から黒猫が出てきた!

「あ!何をする!」

ジャジャ~ん

こいつは偽物だ!

本物の金色のオオクワガタはどこにいる?


続く


気楽に始まった話で3話くらいで終わる予定でしたが、作者の予定とは関係なく話が勝手に動き出し、そしてまたクリスマスや年末行事、息子が帰ってきたりでてんやわんやしております。
更新出来ない時がありますが、どうぞご勘弁を。(どんぐりまん)















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