今回は、「色絵 鯉抱金時人形」の紹介です。
これは、平成8年に(今から25年前に)、地元の骨董市で買ったものです。
前面
背面
やや前面から見た右側側面
やや背面から見た右側側面
やや前面から見た左側側面
やや背面から見た左側側面
底面
ご覧のように、みごとなまでに色絵は剥げ落ちてしまっています(><)
それでも、唇に赤が鮮明に残っていますし、鯉の下の方に黄色っぽい色や鯉の鱗にもかすかに色が残っていますので、これは色絵であったことがわかります(^_^)
これを買う時点では、「随分と古そうだけど、どんな意味のある人形なのだろう?」と思いましたが、「まっ、とりあえず買って、後で調べてみよう」と思って買ってきたものです。
その後、自宅で調べてみましたら、「古伊万里再発見」(野田敏雄著 創樹社美術出版 平成2年発行)という本の中に、似たような人形が掲載されていることを発見しました。
この本によりますと、このような人形は「鯉抱金時人形」という伊万里風俗人形群のものであることが分かりました。
また、この本によりますと、このような風俗人形は、
「奈良時代は魔よけの日として宮廷では菖蒲を飾り、鎌倉時代から菖蒲は尚武に通ずるという由来から、鎧、兜などの武具を軒先に飾る風習が生まれた。
江戸初期からは、男の子の誕生祝いに結びつけて、武具を飾れない一般の町人階級たちは、ミニチュアの鎧、兜、太刀、槍を飾って、その脇飾りに弁慶・金太郎・加藤清正・鐘馗・義経などの武者人形は幟や吹流しと共に飾られた。 (P.163~164)」
とのことです。
そして、この本には、この「鯉抱金時人形」とは比べものにならないほどの立派なものなのですが、「色絵鯉抱金時置物」というものが掲載されていますので、次に、それを転載いたします。
図178 色絵鯉抱金時置物
高21.5cm 底径8.5×2.0cm
中国の古語にある鯉が急流を登り、竜となって天まで登ったという出世物語りが、日本では男子の出世を望む親の気持ちから、お伽噺の力の強い坂田金時と組合わされて金時人形が生まれたのである。
この鯉抱童子は西欧にも輸出されて、急流を登る鯉をしっかり金時が抱く姿は、伊万里人形独特のユーモラスの漂う作品となっている。底部は中空で、補強用の支柱が三本付けられている。 <江戸前期>
上のこの本の説明にありますように、「鯉抱金時人形」は、鯉が急流の滝を逆登って竜となって天まで昇ったという出世物語の中国の故事と日本の親の男子の出世を望む気持からお伽噺に出てくる力の強い坂田金時への願望とが組み合わされて生まれたようですね。
ところで、この「鯉抱金時人形」の製作年代についてですが、何時の時代に作られたものなのかよく分かりません(~_~;) この手の人形が、この本以外には載っていませんので、分からないわけです(~_~;)
この本では、「色絵鯉抱金時置物」は「江戸前期」とされていますが、この「鯉抱金時人形」は、そんな「色絵鯉抱金時置物」のような立派なものではありませんので、それと同じに扱うことには戸惑いを感じるからです(><)
でも、他に基準となるものを知りませんので、ここは、この「鯉抱金時人形」を持つ親心として、この「鯉抱金時人形」の出世を願い、「江戸前期」とさせていただきます(^_^)
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代前期
サ イ ズ : 高さ;5.8cm