Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

5枚揃うと美術館入りする古伊万里

2019年10月31日 17時31分33秒 | 古伊万里

 先日(2019年10月25日)、「伊万里 色絵草花梅樹文小皿」を紹介した際、「この手のものは滅多に市場には登場しません。無疵で5枚揃いだったら、確実に美術館入りでしょう。」と書きましたが、そのことについて、「またまた、そんないい加減なことを言って、、、」とか、「またまた、そんな無責任なことを言って、、、」というように感じられた方も多くいらしたのではないかと危惧しているところです(^^;

 それで、今回は、現実に、私が所持している小皿の類品が、5枚揃いのために美術館入りを果たしている実例を紹介し、私が出鱈目を言っているのではないことを実証し、私への汚名を晴らしたいと思います(笑)。

 その小皿は、「伊万里 色絵芥子の花に昆虫文小皿」です。

 芥子の花が艶やかに咲いているところに、蜜蜂か何かの昆虫が3匹群れている様を描いています。

 

伊万里 色絵芥子の花に昆虫文小皿 

口径:12.3cm  高台径:6.9cm  高さ:3.9cm

製作年代:江戸時代中期

 

 

 ところで、この小皿の最大の特徴は、葉と茎の一部が裏側まで折り返して描かれていることです。

 

斜め上方からの写真

葉と茎の一部が裏側まで折り返して描かれていることが分かります。

 

 

 

側面

 

 

 

底面

 

 

 

 このように、葉と茎の一部が裏側まで折り返して描かれていることは、時折り見かけますが、珍しいようです。

 この小皿の類品は、栗田美術館の本館の小品ケースの中に5枚揃いで陳列されています。それは、栗田美術館開館当初の頃からのことで、今なお、その位置を保っているんです。

 ところで、私は、この小皿を、今から35年ほど前の昭和59年に、或る地方のデパートの特設会場で行われていた「骨董市」で買ったんですが、買った時には、この小皿の類品が栗田美術館に陳列されていることには気付きませんでした。それまでに、何度かは、栗田美術館で見てはいるはずなんですが、、、。

 この小皿を買って何年か経ってからのことなんでしょうね。この小皿の類品が栗田美術館に、5枚揃いではありますが、陳列してあることを知ったのは、、、。

 それを知った後は、私も、1枚1枚買い足して、5枚揃いにしようかな~等と考えたことはあるんですが、いまだに実現できていません(><)

 もっとも、その後、東京の古美術店などで、5枚揃いで売られているところを、2~3度、見たことはありますが、5枚揃いとなると、金額が張り、とてもとても私の手に負えるものではなく、断念せざるを得なかったんです。

 以上、我が家にも、5枚揃えば美術館入りする古伊万里が現実に存在することを紹介いたしました。私が、出鱈目なことを言っているわけではないことをご理解いただけたでしょうか(笑)。


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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マイッタの名品 (遅生)
2019-10-31 18:51:06
いつかこの日がくるだろうと思っていたのですが、思いのほか早くやってきました(^^;)

これだけ華やかなのに、品を保っている小皿はそうそうないと思います。栗田美術館のケースに座り続けているだけのことはあります。

3匹の虫、先日の私の初期皿の虫と描き方が似てますね。この三匹がきいてますね。これで、超稀品の仲間入り、ケース入り。

貫禄勝ち、
Dr!、ドクターストップです(^^;)
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Unknown (ふぅ)
2019-10-31 20:11:49
いいお皿ですね~(*^_^*)
虫の絵が描いてあるものは、結構嫌いな人が多いと思うのですが、それ以上に出来栄えが凄いですよね。確かにこれが5枚揃うとなると、美術館行もありですよね(*^_^*)
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5枚揃い (ことじ)
2019-10-31 21:24:57
5枚揃わなくても美術館行きぐらいの品を何度も拝見しておりますよ。
昔は蔵出しで箱に入ったまま流通していたのでしょうね。今ではバラバラがほとんどですね。
そのほうが面白い物に出会えます。
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美しい品 (酒田の人)
2019-10-31 23:05:25
これは美しい品ですね!
柿右衛門様式が終焉したあとの時代に作られたタイプの品だと思いますが
色使いは柿右衛門様式そのものですし、何よりも裏面まではみ出して絵付けされているというのが素晴らしいです。
ワタシもこれと良く似たタイプの品を見たことがありますが
さすがに裏までは絵付けされていなかったような・・・
あらためてドクターさんの眼力に驚いた次第です。
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Unknown (ころすけ)
2019-11-01 07:31:12
図柄が裏面にまで折り返して描かれているのは仁清など京焼の影響かもしれませんね。小皿なので5枚揃いのほうが展示に見栄えはしますが、昔見た「鍋島」展では大皿などよりも小皿~5寸くらいの皿が1枚づつでしたが見ごたえがあった印象があります。
美術館うんぬんは結果論で、伊万里などコレクターに一枚一枚分散された現状では、系統だった特徴のモノがいつの日か「何気に」展示されているのではないのでしょうか?・・・なんて。
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なるほど^^ (チョイ悪ジー)
2019-11-01 08:05:57
前のお皿(傘)の時もそうでしたが特徴説明して頂くと素人のチョイ悪でも良さ分かりますね(^^)/
出鱈目な事言ってないの理解しましたので(;'∀')
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遅生さんへ (Dr.K)
2019-11-01 09:05:53
過分なるお褒めにあずかり、恐縮です(^^;

遅生さんが先日アップされた、「サボテンもどき文(笑)(太湖石)」の初期伊万里中皿に描かれた「虫」と描き方が似ていますよね。
初期伊万里に描かれた虫は、よくもまぁ、こんなに繊細に描けるものだな~と感心しますね。そのような、繊細な描き方は、後に柿右衛門の「針描き」というものに繋がっていくんでしょうね。

この小皿は、5枚でやっと一人前で、5枚揃わないと美術館に入れませんが、初期伊万里中皿は、1枚だけで十分に美術館入りを果たせますね(^-^;
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ふぅさんへ (Dr.K)
2019-11-01 09:33:13
お褒めいただき、ありがとうございます。
虫は、あまり好かれませんが、これだと、小さいですし、それほど気になりませんよね。
これ、1枚だけでは、ちょっと力不足で、美術館入りは無理かもしれませんが、5枚揃えばなんとかなりそうに思えますよね。
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ことじさんへ (Dr.K)
2019-11-01 09:42:06
昔は蔵出しで箱に入ったまま、10枚組などで流通していたのでしょうよね。
それが、だんだんと人気が高まると、良い物は、5枚、10枚組では高くなり、売れないので、ばらされて、1枚、1枚売られるようになったんでしょうね。
それで、私は、1枚、1枚買い戻すことも可能と考えたんですが、一度ばらされてものは、なかなか戻らないようですね。
覆水盆に返らず、の例えどおりです(-_-;)
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2019-11-01 09:49:07
酒田の人さんは、これと良く似たタイプの品を見たことがありますか。
そう言われれば、私も、そのような物を見ているかもしれません。
でも、それは、多分、裏までは絵付けされていなかったのかもしれませんね。裏まで絵付けされていれば買っていたでしょうから、、、。
案外、同じ物って無いものですね(-_-;)
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