菅政権は法人税率の5%削減を決めました。企業の国際競争力を強化し、国内への投資を促進し雇用を増やすために、他の先進国と比べて割高な法人税を引き下げるというのです。
日本の法人税ははたして高いのでしょうか。ここに財務省の資料があります。
平成22年度税制改正の大綱をご覧ください。
このグラフの中の「法人所得課税の実効税率の国際比較」見ると日本の法人税率は他の先進国と比べて高いことがわかります。
日本 40.69%、アメリカ40.75%、フランス37.33%、
ドイツ29.83%、イギリス 28.0%、中国 25.0%、
韓国 24.2%
次にこのグラフの中の「法人所得課税及び社会保険料の法人負担の国際比較に関する調査(平成18年3月)」をご覧ください。社会保険料も含めた企業負担で見ると日本の企業の負担は他国と比べても決して高くはないことがわかります。
日本 米 英 独 仏
自動車 30.4 26.9 20.7 36.9 41.6
エレクトロニクス 33.3 28.3 23.4 38.1 49.2
情報サービス 44.2 46.7 39.3 55.7 70.1
金融 26.3 27.8 23.6 23.8 31.3
結論:日本の法人税率は国際的に見て高いことは事実のようです。しかし社会保険料負担も含めての企業負担を見ると、他の先進国と比べて決して高いことはありません。これはEUの場合多額の社会保険料負担があるからです。企業負担そのものを検討することなく、その一部である法人税率のみをあげつらって法人税率は高いというのは正確ではありません。