温泉施設への公費支出を考える

2011-09-18 15:30:55 | 議会活動
9月議会も中盤にさしかかり16日は一日委員会審議でした。私は産業建設委員会ということで商工課と建設課の審査を行いました。その中で以前から私が指摘している温泉施設運営費について考えてみたいと思います。

現在東御市には旧東部町から引き継いだ湯楽里館(ゆらりかん)、ゆーふる田中、旧北御牧村から引き継いだ御牧乃湯(みまきのゆ)、明神館(みょうじんかん)とあわせて4つの施設があります。それぞれ市民の福利厚生のために地域に寄与しています。

しかし毎年毎年一般会計から巨額の支出が行われ、昨年も総額1億6900万円がつぎ込まれていることはあまり知られていません。支出の内訳は温泉施設の赤字補填として振興公社へ支出する指定管理経費委託料として8670万円、温泉施設の修理などの管理運営費として8230万円となっています。


温泉施設の修理に充当する管理運営費はともかく、指定管理経費委託料について調べてみました。平成19年には5900万円でしたが昨年は8700万円と1.5倍にもなっています。内訳を見るとその3分の1はゆーふる田中となっており、明神館や御牧乃湯などでも増えていることがわかります。

なぜゆーふる田中は他の施設と異なり、毎年3000万円もの委託料がかかっているのでしょうか。私が調べたところではゆーふる田中で行っているフィットネスクラブへの外部委託料2000万円の負担が大きいようです。しかしフィットネスクラブは行政が本来行うべきことなのでしょうか。



指定管理経費委託料は温泉施設の赤字補填分と聞いていますが、東御市振興公社の経営実態は明らかにされていません。わずか入館者数と入館料が明らかにされていますのでそこから振興公社の経営を窺い知ることができます。

それによると4施設あわせた入館者数・入館料ともには平成19年から下降線を辿ってきています。まわりに日帰り温泉ができ競争が激化したこと、景気後退の中で温泉利用客が減少していることなどが原因でしょうか。

注目すべきは顧客単価です。普通入館料は500円なのに入館料を入館者数で割った顧客単価は500円どころか昨年で360円となっています。これは最近年間利用券(年間4万円)で利用されている方が増えているからです。実際入館者は5%ぐらいしか減っていないのに入館料は15%も減少しています。年間利用券を使っているヘビーユーザーの存在がうかがわれます。

指定管理経費委託料が赤字補填だとすれば、振興公社の経営の実態を明らかにすべきです。振興公社は4つの温泉施設の他にも大田区休養村の管理、地ビールレストランの運営、温泉施設の飲食事業などを手がけています。こうした経営の全容が明らかにされていません。

振興公社の皆さんが経営努力をしていないとは思いませんが、赤字になったら市へ付回せばいいという感覚では経営努力も甘くなるのではないでしょか。じっくりとお話をお聞きしたいものです。

このままでは温泉施設の赤字体質は変わらず、さらに多くの赤字が垂れ流されることになります。一般会計からの支出は際限なく拡大し、市の財政を圧迫することになります。これではたしていいのでしょうか。

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