厳しいご意見をいただきました

2011-12-15 17:35:49 | 議会活動
舞台が丘整備事業に関連してお二人の市民の方から厳しいご批判のファックスをいただきました。以下にその一部を趣旨を変えない範囲でまとめて掲載させていただきます。

「1、一般質問ごくろう様でした。2、地区の公民館、各区の公民館、サンテラスホール、北御牧庁舎をもっと十分活用すべし。3、もう、建物も道路も十分足りている。超高齢化社会にそなえて、介護・国保・保険の赤字を減らし、逆に基金を積み上げておく位の備えをしないと大変なことになる。4、(略)。5、都市計画にもない、総合計画にもない道路計画を自分の思いつき、思い込みで(あるいは意図的に後出しで)やるのは問題だ。」(Aさん)

「25億が50億になる、こんな馬鹿なことを、職員や議員の皆様方は何をされていたのでしょうか。世の中の現状をどのように考えているのでしょうか。耐震装置を処置すれば充分と考える私にすれば、考えられない事であります。このような政策を実施してゆく市政は、声なき声の市民に対しての背信行為にほかならないと思います。中央公民館の講義棟などなくても体育館で間に合うという考えもあります。年間講義棟の使用頻度をよく見つめてほしい。市民の何パーセントの人が利用して、どのくらい不自由しているのでしょうか。一年に一度も利用しない人が大多数ではないでしょうか。」(Bさん)

このほかにも厳しいご意見をいただいています。市民の皆さんがこの問題をどのように考えておられるか、ぜひ生の声をお聞かせください。

現在市庁舎本館・図書館の改修増築工事の契約が取り結ばれ工事が進められていますが、中央公民館や子育て支援センター(現図書館)の改修や道路計画についての予算措置はまだまだこれからです。市民の皆様のご意見にしっかり耳を傾けてから慎重に判断したいと思っています。

舞台が丘整備事業の論点整理

2011-12-15 05:32:31 | 議会活動
先日の一般質問で私も含め大勢の議員の皆さんが舞台が丘整備事業について取り上げていました。そこでこの間議論されたことがらを整理してみたいと思います。

論点は5つありました。

第1に舞台が丘整備事業の必要性についてです。

一番の目的は老朽化した公共施設の耐震化ですがバリアフリー化や駐車場の増設、中央公民館の庭が通り抜けするだけの車が多く周辺交通対策などが上げられていました。3・11以後は防災拠点という観点も付け加わりました。こうした点に異論を唱える議員さんはおりません。

問題なのは東御清翔高校の整備という点でした。新設する道路の移転補償金で東御清翔高校の改修を進めたいという点が問題になりました。市のお金を県立高校の改修資金に充てていいのかというわけです。この点については誤解がありました。高校の改修は県の仕事です。あくまでも市側の要望事項ということになります。

第2に事業費が大幅に引き上げになった点です。

基本設計の段階では25億8000万円でしたがそれが35億6000万円に10億円引き上げになり、さらに新しい道路の建設(県・東深井線の延伸)15億円も加えると50億円を上回る事業規模になってしまっていることへの疑問でした。

この点については市長はツメが甘かったと陳謝されました。もともと当初計画には什器備品が計上されておらず、不確定要素のあるものも除外されていたとのこと。太陽光発電など新たに付け加わった事業もありました。道路は当初舞台が丘とは別個の事業で行う予定でしたが、交付金や補助金との関係で一緒の事業とした方が有利になるとの判断で増加したという説明がありました。

こうした様々な要因が加わって予算規模が大幅に膨れ上がったとの説明はそれなりに納得できるものではあります。

しかし問題もあります。最初は小さく見せてとりあえずスタートし、あとで予算を付け加えて行くというのが行政特有のやり方のようです。いったん事業が始まってしまえば後戻りはできません。そこで実はこれもありましたあれもありましたと言って、追加追加で大きな事業に育てて行くというのです。

なぜこんな手の込んだことをするのでしょうか。それはうるさい議会対策にあるようです。わずかな金額であれば議会のハードルもそれほどは高くはありません。その後追加工事で大幅に予算が引き上げられても、議会としては最初GOサインを出したから中止するわけにもいかず、ズルズルと行政のいうがままに予算を認めるしかなくなります。

今回もそんなニュアンスが感じられます。最初市長は議員に対して「いまあるものを使って予算を抑えます」と説明しました。今回市長は「人づくりのためには講義棟が必要だ」と力説。当初計画になかった講義棟建設費(1億2500万円)を盛り込んでいます。なぜ最初から分からなかったのでしょうか。

意図的ではなかったとしても検討不足は否めません。もっと十分に精査し、何が必要で何を我慢しなければならないか見極めるべきです。市長も2月の市民説明会までに予算も十分に精査したいとおっしゃっていました。

第3に市内の公共施設の中における舞台が丘整備事業の位置づけが不明確な点です。

講義棟とは中央公民館に併設して建設される建物でイメージは大学の講義室とのことです。150席で費用が1億2500万円。坪単価は100万円近くにもなる立派なものです。これに対して市内には文化会館や地区公民館、北御牧庁舎もある、そうした施設の有効活用を考えるべきではないかとの指摘がなされていました。

市側は、市民の利便性を考え市の中心部に施設が必要、大規模な駐車場があるのは中央公民館、文化会館のホールは広すぎて使い勝手が悪い、かつての未来塾のようなこれからのまちづくりを担う人づくりを進めたい、そのために市民大学講座を開設したいなどと述べていました。

人づくりに反対する人はいません。問題なのはそのことと講義棟を結びつける発想そのものです。市長が例にあげた小諸義塾も最初は民家で始めていました。上田市民大学も行政主導で始まったのではなく住民運動からスタートしたと聞いています。講義棟の建設と人材育成はまったく別のことです。

第4に必要な情報が全面的に公開されず小出しにされていることです。

例えば県・東深井線建設の目的として最初市側が説明したのは、駐車場や通過車両対策とともに消防署の緊急車両の和(かのう)地区方面へ出動時間短縮のためでした。その後東御清翔高校を整備するためと言い出し、一般質問の際は防災拠点として広い道路は必要であり高校も避難場所になるとしていました。

その場しのぎの思い付き的に発言されているように見えます。これまで市は基本構想策定時には市民説明会を何度も開いて十分説明し、パブリックコメントも実施してきました。そうした姿勢がこのところ影をひそめ行政主導で進められているように感じられます。

今回の一般質問の中で多くの議員さんも市民に対し十分説明をすべきだと指摘されていました。幸い市長もこれに理解を示し、2月上旬から各地区で住民説明会を開催し、説明に努めて行くと明言されました。ぜひそのようにやっていただきたいと思います。

第5に大型事業が目白押しの中で借金が膨らむことへの疑問です。

3・11や円高など景気の落込みがある中で、これだけの大型事業を行うことが市民感情からみてどうなのかと何人かの議員さんが指摘されていました。それは「あるものを使いこなす」という市長のポリシーにも反するのではないかという疑問も出されていました。

これに対し市側は舞台が丘整備事業は東御市にとって50年に一度の事業であること、有利な起債が使えるのは今だけで後でやることはできないこと、財政健全化判断比率から見ても財政の健全性は維持されることなどを上げており、優先度の高い事業であるとの認識でした。その中でシュミレーションした結果も公表していました。

しかし問題もあります。合併後10年で特例措置が終わり交付税の算定が替えがあり、交付税が5年間で5億円削減されます。その中で借金返済が続きます。当然のことながら使えるお金は限られることになります。市民に対してご理解いただかなくてはなりません。

以上が一般質問で行われた議論のポイントです。この問題に対してどのような判断をするのかが市民一人ひとりに求められています。市民の皆さんのご意見にひとつ一つ耳を傾けて行きたいと思います。

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