ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ローマ環状線、めぐりゆく人生たち

2014-08-16 23:31:47 | ら行

第70回ヴェネチア国際映画賞、金獅子賞を
ドキュメンタリーとして初めて受賞したっていうからスゴイ。


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「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」53点★★★


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ローマの周りを巡る、高速道路沿いで暮らす
様々な人々を写したドキュメンタリー。

好きなテーマだし、評価高いし、
期待してたんですが

うーん、ワシにとってはこれ
ホントに点景で、散文的で、あまり面白みがない。

詩的なのはわかるけど、
もっとひとつひとつを掘り下げてもよかったかなと。

登場するのは
救急車の救命士、車上生活者、
広大な屋敷を継いだ没落貴族などなど。

高速で走り去る車たちの、その暴力的な印象の影で、
人間たちの営みは、どこか退廃し、鬱々とし、冴えない。

かつての都の栄枯衰退への憂いは
来週公開の「グレート・ビューティ/追憶のローマ」
通じるものがある気もします。

ヤシの木に寄生し、組織だって木を貪り食い尽くす害虫を
駆除する研究者のような博士の言葉が象徴的だったけど、

まあ、なんでここで彼が出てくるのか
よくはわからない(笑)。

そうした必然と偶然のあいまいさも、
全体をちょっとぼやけた印象にしてる気がしました。


★8/16(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。

「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」公式サイト

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