あのジム・ジャームッシュ監督が、ゾンビ映画ですぞ!
「デッド・ドント・ダイ」70点★★★★
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アメリカの田舎町センターヴィル。
事件らしい事件もない、のどか~な町で
警察署長クリフ(ビル・マーレイ)と
巡査ロニー(アダム・ドライバー)は
いつものようにパトロールをしている。
農夫(スティーヴ・ブシュミ)の通報を受けて、
森に暮らす世捨て人(トム・ウェイツ)を注意に行ったり
なんでもない、いつもの一日。
しかし最近、なにかが少しずつ変だった。
スマホが突然動かなくなったり、無線がおかしくなったりする。
そんな日の朝。
ついに事件が起こった。
町にひとつしかないダイナーで
血まみれの死体が発見されたのだ。
いったい、何が起こったのか?
やがて事態は、クリフたちの想像を絶する方向へと進んでゆくーー。
あくまでも、ゆるゆるとーー(笑)
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ジム・ジャームッシュ監督がゾンビ映画を撮った!
といっても監督にはドラキュラ映画の快作
もありますしね。
あれよりもスタンダードな
いわゆる「ジャンル映画」を狙った感じでしょうか。
ワシ、ゾンビ方面はあんまり詳しくないんですが
映画好きって、やっぱりみんなゾンビ通ってるんですよね。
昨今はディザスターやSFにもゾンビが相当に絡んでくるし
「映画作ろうぜ!」なワクワク青春映画でも
ほぼ必ず作られるのがゾンビ映画だし。
ちゃんと腰を据えて観なきゃなあ、と思っておりますが
で、本題。
ジャームッシュ監督も、やっぱり撮りたかったみたいです。
で、
ゾンビでも、やっぱりジャームッシュ節、全開。
田舎町のゆるく、ダウナーな空気のなか、
ジャームッシュ組の豪華キャストたちーー
警察署長にビル・マーレイに、巡査のアダム・ドライバー、
謎めいた葬儀屋のティルダ・スウィントン
(「オンリー・ラヴァーズ~」の彼女のヴァンパイア役は最高だった!)
ーーらが、日常を過ごしている。
そんな「ことの前」の描写は
実にジャームッシュっぽいし、
で、「こと」が起こってからも、
けっこうとぼけた感じが続くんです。
最初の犠牲者の凄惨な死体を前に
首をひねっている警察署長(ビル・マーレイ)らに
巡査(アダム・ドライバー)がマジメな顔して
「これは・・・・・・ゾンビかと」。
はい?ってみんながなるのが、おかしいw
町のホラーオタクの青年が
ゾンビ映画の知識を生かして、ゾンビに応戦したり。
そして
だんだんと「え?やばくね?」なトーンになっていく。
気づいたら、キーが低くなってるような感覚に
ちょっと怖くなったりして。
ただ、この収束はーーどうなんだろう?(笑)
まあ、そんなところも、ジャームッシュ流か。
結局は
すべてを森の中から観察し、
「世界の終わりだ・・・・・・」と訥々とつぶやく
世捨て人(トム・ウェイツ)の語りを、
こんな世に味わうための映画かもしれません。
★近日公開。(一部で先行公開)
※公開情報は公式サイト、劇場情報をチェックしてください。
状況を鑑みて、無理なきように
よきタイミングでご鑑賞いただけることを願っています。
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